当団体の名前は、国際協力ボランティア団体DAREDEMO HERO(誰でもヒーロー)です。しかし立ち上げ当初は『ボランティア』という言葉を使わないようにしようと考えていました。その理由は『ボランティア』という言葉の意味が分からなくなってきたからです。

たとえば、「私はボランティアをやったことがある」という人は数多くいます。具体的に何をしましたか?と尋ねると、「貧困層の子供たちと一緒に遊んだ」「スラム街で食事を提供した」「子供たちに歌や踊りを教えた」・・・との返答。そして、今は何をやってますか?と尋ねると、特に今は何もしていません、との返答。これは『ボランティア』なのでしょうか?私にはよくわかりませんでした。とにかく、スッキリするまでは『ボランティア』という言葉を使わずに活動しようと決めて、国際協力団体、国際活動団体、国際教育支援団体・・・など様々ネーミングを考えました。しかし、いづれも何をしている団体かが分かり辛く、どういう団体なのですか?と、尋ねられることが多くなりました。そして、結局のところ、仕方なく『国際協力ボランティア団体』という名前を付けることになりました。そして真のボランティアとは何か?を考えるようになりました。

以下『ボランティア』とな何なのか?を考えたいと思います。

ボランティアの語源

ボラアンティア(英:volunteer)とは、自らの意志により参加した志願兵のこと。長じて、自主的に社会活動などに参加し、奉仕活動をする人のこと。また日本では、奉仕活動そのものを指すこともある。

 志願兵というのはただの兵士ではない。自らの意思で命を捨てる覚悟をして戦場に赴く者である。志願兵はそれが日常の生活、仕事、家族、自分の命よりも優先されるべきミッションだと信じているのだ。それは仕事を超越したものであり、VOCATION(ボケーション:天職・天命)で、時には文字通りの命がけの戦いになる。

ボランティア4原則

① 自発性・主体性・自発性・自立性
ボランティア活動は、人からの強制や義務としてするのではなく、自らの個人の自由な意志に基づいて行う主体的な活動である。それは、自分が「やりたい」「そうせずにはいられない」という思いから主体的に行うもので、立場上「仕方なく」行うものではない。
② 社会性・連帯性・公共性・公益性
ボランティア活動は、特定の人だけのものではない。すべての人がともに人間らしく生きられる社会を築くことを目指す活動である。誰もが社会の一員として、いきいきと豊かに暮らしていける社会をつくり出していく活動である。ひとりでは解決できない社会の課題を、様々な人とつながることで解決しようとしていく「連帯性」が必要となる。
③ 無償性・非営利性
報酬を求めて行う活動ではない。ボランティア活動は、参加を通して喜びや発見、人との「出愛」など、目には見えない素敵な精神的な報酬を得られる活動であり、個人的な利益や報酬を第一の目的として期待するものではない。「奉仕」と勘違いしてはいけない。「この活動が必要だ」という共感に基づいて、やりたいと思う気持ちで成り立つのがボランティア活動である。
④ 創造性・開拓性・先駆性・社会開発性
社会や地域で何が必要とされているのかを考え、常に活動を見直して、よりよい社会をつくる活動である。行政は「公平」の原理があるため、全体の状況を把握して、最も優先順位の高いことから取り組んでいく。その一方ボランティアは意識的にその時代の社会的状況の中で常に新たな課題を発見し、目の前にある課題にすぐ取り組めるため、結果的に先駆的で開拓的な分野や活動を担うことが可能となる。行政や企業ではやってこなかった・やれなかったことが出来るのがボランティア活動である。

「ボランティア活動」と「奉仕」の勘違い!

「ボランティア」は自発的で無償の社会貢献である一方、「奉仕」は自発的かどうかは問題ではなく、有償・無償に関わらず他人や社会のために尽くすことである。

① 語源
 ・ボランティア:ラテン語「Voluntas 自由意志」に由来
 ・奉仕    :ラテン語「servire 人に仕える、奉仕する」に由来
② 共通点
 ・奉仕もボランティアも、他者のための行為である。
 ・奉仕もボランティアも、自分の利益のための行為ではない。
③ 相違点
 ・ボランティアは自主的行為であるが、奉仕はその限りではない。
 ・ボランティアは無償(タダ)であるが、奉仕はその限りではない。

  (例)ご主人様に奉仕する。×ご主人様にボランティアする。
  (例)公務員は国民に奉仕する。×公務員は国民にボラアンティアする。
  (例)町内会のゴミ当番をする。 ⇒ 奉仕
  (例)学校の宿題などで、高齢者施設を訪問する。⇒ 奉仕

辞めたいけど辞められない

多くのボランティア活動をしている人が同じような悩みを抱えている。それは『辞めたいけど辞められない』状況に陥る。また逆に「継続」を盾に本末転倒なことをしている団体があるのも事実だ。詐欺師がカネ目的で偽ボランティア活動をしている例もよくある話だ。

体験ボランティア

体験ボランティアを通じて、ランティア活動に参加する気分だけを味わうだけの人がたくさんいる。活動の意義は分かっているつもりになっているし、自分が何かの力になっていると思い込み、満足していることがよくある。しかしこういう人たちは活動に対して主体的に責任を取ることはない。

真のボランティアたち=活動を実態として支えている人々は基本的にこういう人たちを排除しない。学校ぐるみで取り組まれるボランティア体験学習、特にやりたいことがない、人生に疲れた、就職やワーホリなどを始めるまでの時間つぶしなど、初めは受け身での参加、能動的でない参加であったとしても、活動の過程でその意義を学び、楽しさを感じたり問題意識を持ったりして主体的な参加へ転化することもがあるからだ。それは、きっかけはどうであれ「主体性・自発性」の原則にのっとったボランティア活動と言えるかもしれない。

まとめ

一般的な日本人にとって仕事とはお金を稼ぐ手段と考える。しかし、忘れてはならないのが、人間の本当の仕事はVOCATION(ボケーション:天職・天命)だ。資本主義イデオロギーと相まって、いつの間にか「仕事=ビジネス」となってしまった。ボランティアはビジネスではない。(もちろんビジネスとしている人も多くいる)そうであれば、お金に余裕のある人たちの余暇・趣味・娯楽などである、と短絡的に考える愚かな人たちが沢山いるのだ。私にとってボランティア=天職である。物質的な貧困状態を危惧している人が多い中、本当に恐ろしいのは精神的な貧困状態ではないだろうか。多くの日本人に欠けているような気がする。