フィリピン全体がお祝いモードに包まれる大晦日、セブでは300世帯が被害を受ける大規模火災が起こりました。

頻繁に発生する大規模火災

日本でもこの年末、大規模な火災が多発し、多くの犠牲者を出しました。日本で「大火」と定義される大規模火災は、非常に珍しく、昨年末の「糸魚川市駅北大火」は大きなニュースになりました。しかし、ここセブでは100世帯以上の火災が、頻繁に発生します。

火災の原因

セブで大規模火災が頻繁に発生するのには、たくさんの原因があります。

①木造密集地域
貧困地区の多くが、木造の家屋が密集して建っているため、火災が発生すると瞬く間に燃え広がってしまいます。更に、そのような貧困地区は、細い路地を入った場所に位置していることが多く、消防車などが入ることができません。そのため鎮火が遅れ、さらに被害が拡大してしまいます。

mensetu_02
貧困地区の路地は狭く、消火活動を困難にしています

②様々な出火原因
日本での出火原因は、ガスコンロ、たばこの不始末が全体の30%以上を占めています。
一方セブでは
●盗電によるオーバーヒート
●まきの調理からの引火
●明り取りのろうそくからの引火
など、日本にはない火災の原因がたくさんあります。

③立ち退きのための放火
日本ではありえませんが、セブでは立ち退きのための放火があります。セブにはスクワッターと呼ばれる不法居住区に住む貧困層がいます。例え不法に住んでいても、フィリピンの法律上一定期間その土地に住んだ人には、居住権が発生し、無条件に追い出すことができなくなります。そのため、地主は定期的にそのような不法占拠者を追い出すために、火を放つことがあります。

このような場合、火災の翌日から新たな建設が始まったり、地主の家だけがきれいに燃えていなかったりと、非常に分かりやすい現象が起こりますが、不法に住んでいた人々は非常に弱い立場のため、何も言えません。

手薄な支援

日本であれば、大規模な火災や災害が発生した後、行政や自治体、その他の団体からの支援に加え、保険や福祉制度の活用が可能です。しかしここセブでは、大規模な火災が発生した後でも、政府からの支援は長くても1週間の食事支援、短い場合は3日のみ食事の支援があり、その後は全てを失った被災者が、自活していかなければいけません。

復興を阻む多くの問題

貧困層のほとんどが銀行口座を持たないこの国で、家が全焼するということは、まさに全財産を無くすことです。日々の生活に苦労していた貧困層が、さらに身のまわりの全てのものを無くした場合、自力での復興がいかに難しいものか、容易に想像ができると思います。

さらに貧困層の人々は、日雇いの仕事をしていることが多く、そういった仕事で携帯電話(連絡先)がなくなるということは、致命的な損失です。連絡先がなくなれば、仕事もなくなり、収入もなくなります。また、洋服もすべて燃えてしまった場合、仕事に着ていく服もなく、簡単に職を失ってしまいます。

大晦日の悲劇

世間がカウントダウンに向けて、盛り上がる12月31日の夜、セブのマンダウエ市にある貧困地区で大規模な火災が発生しました。貧困地区でも、カウントダウンに向けて自分たちに出来うる限りのご馳走を準備し、めいいっぱいおしゃれをして、新しい年を迎えるための準備をしていました。

まさにカウントダウンの直前、悲劇は起きました。出火の原因は、盗電による漏電です。小さな炎はあっという間に燃え広がり、300世帯の家を焼き尽くしました。幸い犠牲者は出さなかったものの、楽しいはずの大晦日は、一気に悲しみに包まれることになりました。

15826449_1280500052014207_4625109635516574409_n

私たちが出来ること

発災から3日が経過した昨日の昼食を最後に、政府からの食事の支援は終了しました。家・家財道具一式・仕事、すべてを失った被災者は、今日から自分たちの力で食べ物を確保していかなければなりません。しかし、たくさんの人々がまさにすし詰め状態となっている避難所では、調理をすることもままなりません。もちろん外食をするお金もありません。

dsc00720

DAREDEMO HERO式支援活動

当団体では、大規模な災害があった場合、まずは現地の様子を視察し、現場の責任者から「今一番必要としているもの」が何かを調査します。この聞取りが十分でない場合、現場のニーズとの不一致が生じ、逆に混乱する現場に迷惑をかけてしまうことがあるからです。

多くの火災被災地では、主に食料の不足が深刻です。特に、調理の必要ないもの、保存のきくものが求められます。

日本からの支援物資

一昨年前、DAREDEMO KIDS8名が日本に行った際に、ご訪問させていただいた横浜清風高等学校の皆様より、貴重な物資を頂いておりました。日本では、災害に非常用持出袋の準備や備蓄を行います。長期保存のきくお水や食料ですが、それらにも保存期間があり、保存期間が近づいた備蓄品は処分されてしまうことが多いです。横浜清風高等学校様でも、生徒様の非常用持出袋の入れ替えに伴い、まだ保存期間のある備蓄品を当団体にご寄付いただいておりました。

dsc03008
2015年、DAREDEMO KIDSが横浜清風高等学校様をご訪問させていただきました。

当団体では、いただいた物資を「一番必要としている場所に、一番いい形で届ける」ことをモットーに活動しています。そのため、昨年いただいたこれらの物資を大切に保管していました。そして、今がまさにこの物資が一番必要とされている時と判断しました。

dsc00724 dsc00730

日本からの物資の中には、フィリピン人にとって使い方の分かりづらいものもあります。そのため、生徒様が手書きで作成していただいた英語の説明書が非常に役に立ちました。

dsc00727

セブ在住日本人からのご支援

現在、セブにはたくさんの日本人が住んでいます。現地で生活する日本人にとっても、これらの災害は他人ごとではありません。大好きなフィリピン人、セブの人々が心を困っていると聞けば、ご支援をお申し出てくださる日本人がたくさんいます。

■年末年始にも関わらず、現地の情報を集約し、私たちにご連絡をいただいた辻晶夫様は、これまでにも大規模火災支援ではご支援をいただき、多くの被災に物資を届けることができました。

■セブで語学学校・日本食レストランの経営をされる石原敏郎様のご支援のもと、各被災家庭に貴重な食料を配布することができました。石原様の経営される語学学校Target様には、日頃より古着の支援等を頂いており、日本食レストラン「秋田」様には、DAREDEMO HEROを継続的にご支援していただいております。

■留学エージェントSRG Globalの古屋健二様よりお菓子の詰め合わせを年末にいただきました。本日そのお菓子を子供たちに渡す予定でしたが、古屋様のご協力により、火災被災した子どもたちの支援と同時に当団体の子どもたちの教育のために利用させていただくことができました。
●今この瞬間、自分たちよりもっと今困っている人がいる
●火災を含め、フィリピンにある様々な社会問題を知る
●真のボランティアとは何か
●国のリーダーになるために必要なこと
上記を子どもたちにしっかりと教育していきます。

big-fire big-fire_02
今回の火災についての説明後、子供たちは快くお菓子を寄付してくれました。

dsc00803

辻様、石原様、古屋様、いつもご支援・ご協力をありがとうございます。

直接支援の重要性

当団体では、いかなる場合でも直接支援を行っています。汚職や不正の多いこの国で、行政機関への寄付は大きなリスクを伴います

本当に困っている末端の人に支援を届けるためには、自分たちの手で直接渡すしか方法はありません。

今回も、DAREDEMO HERO流直接支援で、混乱もなく本当に支援を必要としている人に、必要な物資を届けることができました。このような支援を行うことができるのは、ご支援くださる日本人の皆様のお蔭です。
ご支援いただきました皆様に、心より感謝申し上げます。

dsc00763 dsc00812

1日も早い復興のために・・・

この火災で全てを失った貧困層の被災者が、自力で生活を立て直すことは、非常に難しいことです。まずは、日々の食事の確保が一番の課題です。1日も早く、被災者の皆さんが、以前の生活に戻れるよう、私たちに出来る支援を継続していきたいです。つきましては、皆様からのご支援・ご協力をお願いいたします。

dsc00777

頂きましたご支援金は、100%今回の火災支援に使わせていただきます。
※お振込みの際、必ずお名前の頭に「カ」とご入力ください。

お振込先の口座
支店番号 060 南都銀行南支店・普通
口座番号 2112810 DAREDEMO HERO(山中博)

皆様の温かいご支援をお待ちしております。