昨年の大晦日の大規模火災発生から、丸1ヵ月が経過しました。被災地の今をお伝えします。

行政からの支援

本来、フィリピンでは今回のような大規模な火災が発生した場合、行政からの支援があります。持ち家、借家、家族構成によって金額はまちまちですが、一家庭に対し1万円~2万円程度の義援金が予算付けられています。火災で全てを無くした被災者にとっては、非常にありがたい支援ではありますが、この義援金が手元に届くまでには2ヶ月から半年、ケースによっては数年もかかることがあります。
今回の火災でも、義援金の支給は決定していますが、未だにいつ被災者の手元に届くのかは決まっていません。

その他NGO等の支援

発災直後はDAREDEMO HERO以外にも、単発で物資を支給したり、炊き出しを行う団体がありました。しかし、1ヵ月が過ぎた今、支援活動を行う団体は非常に少なくなりました。行政からの支援もなく、避難所の環境も発災直後から何も変わらない被災地にとっては、この状況が長引けば長引くほど、生活は厳しくなります。しかし、ここセブでは500世帯規模の火災が頻繁に起こるため、1ヵ月もたてば、人々から忘れ去られてしまうのが現状です。

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つい先日の被災地の写真です。大規模な復興作業は行われておらず、発災直後と変わらない状況です。

区画整備と移転の問題

被災地には、行政の担当者が度々訪れて区画整備のための調査を行っています。区画整備が開始すれば、せっかく建てたテントは全て取り壊され、行政の決めた区画に移転しなければいけません。しかし、今回500世帯以上が被災したにもかかわらず、同じ土地に戻れるのはその半分以下になるという情報が流れています。

フィリピンでは、土地の登記があいまいな部分があり、居住者の中にはスクワッターと呼ばれる不法住居者もたくさんいます。そもそもその土地に住む権利のない人々は、火災などで区画整備が行われた際には、同じ場所に戻ることはできません。土地を追い出された被災者は、行政が用意した山の奥の移転先に移転するか、他の不法住居地区を見つけるか道端での生活を選ぶほかありません。

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道端で生活する家族。セブではこのような光景をよく目にすることがあります。

DAREDEMO HEROの支援

現在私たちは、毎日の食事支援を継続しています。現在は全世帯を対象とした食事支援から、本当に支援を必要としている家庭のみの支援に移行しています。被災地では、少しずつ小さなお店や食堂をスタートしている被災者もいます。彼らの自立の妨げにならないよう、現地ボランティアと連携し、支援活動を継続しています。

被災地には冷蔵庫がないため、毎日安くて新鮮な食材を市場で購入し、配達しています。

今後の支援計画

被災地ではまだまだ不足しているものも多く、不衛生で不自由な生活が続いています。

しかし大切なのは私たちの目から見て、不衛生で不自由な生活であっても、貧困地区の人々にとっては「普通」かもしれないということを常に念頭に置くことです。

そのため、被災者の被災前の生活を知ることは非常に重要なことです。なぜなら、そこが私たちの支援のゴールだからです。私たちが毎日被災地に足を運ぶのは、食材を届けるためだけでなく、そのゴールを見極めるための役割もあります。

近いうちに区画整理が始まり、この土地を追い出されてしまう被災者が出ることは確実です。

その時に本当に必要な支援ができるように、現在は必要な家庭への食事支援を続けながら、被災者への聞き取りを続けていきます。

このような活動を行うことができるのも、ご支援いただきました皆様のお蔭です。改めまして、ご支援ありがとうございます。