当団体は貧困問題の解決に向けて活動している団体です。まずは『貧困』とはいったいどういうものなのか?を考えていきましょう。

当団体の支援方法

当団体は貧困問題を根本的に解決する団体です。当団体の支援方法をご理解いただくために『貧困(貧しさ)とは何か?』を考えてみましょう。

皆さんは『貧困』というと、どんなイメージがありますか?

●食べ物がない
●衣服がない
●住む場所がない
●恵まれない子供たち
●支援が必要な人たち
●かわいそう

などをイメージする人は多いと思います。

では、『貧困』とはそもそも、なにをもって『貧困』というのでしょうか?

★スラム街に住んでいる人たちは『貧困』なのでしょうか?

これらを考えるために、まずは貧困の基準や定義を考えてみましょう。

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貧困の基準

「貧困」とは何か?何をもって「貧困」とみなすのか?
貧困とは単純にお金があるかないかという経済的な側面だけでない。

「日本人は恵まれている」
「世界の貧しい人たちと比べれば…」という言葉をよく耳にする。

所得額や食事から得られる栄養は発展途上国の人たちよりも豊かである可能性は高い。しかし、日本国内でも実際に「貧困層」は存在する。その人たちを目にして、上記の言葉を発することが出来るであろうか。たとえ豊かな国でも、豊かさゆえに精神面で満たされない人や状況が生まれることがある。近年、所得格差が拡大している先進国も多くある。「本当の貧しさ」とはなにか。それは一つの指標では測ることは決してできないものである。人間として享受すべきもの(教育や医療などの社会サービス)が受けられない状況<も含めて多角的に測られるべきである。

科学的な統計調査による貧困研究

貧困線(Poverty Line)
【人物】19世紀末:C.ブース、B.S.ラウントリー
【定義】所得によって貧困を決定
【問題点】基準額の設定次第で、貧困率は変化

相対的剥奪(Relative Deprivation)
【人物】P.タウンゼント
【定義】ある所得水準を下回ると社会の中で当然のことが享受できない
【問題点】剥奪の指標によって貧困率は変化
(国・社会が異なれば選ぶべき指標は異なる)

相対的貧困線(Relative Poverty)
【定義】現在では、簡便な方法として、その社会における世帯人員数調整後の一人当たり手取り所得(等価可処分所得)の分布の中位値(平均ではない)の半額を貧困線とする。それを下回るか否かで貧困と定義。現在の日本では、おおよそ125万円が相対的貧困線となる
【問題点】そもそも、なぜ中位値(平均ではない)の半額なのか

国際貧困ライン

「貧困」のもっとも一般的な定義は世界銀行のものである。

●1993年:購買力平価換算で1日あたりの生活費1ドル未満で生活している人
●2008年:1日1.25ドルに改訂
世界では1日1.25ドル未満(年間約450〜460ドル=4万5千円)で生活する人々が2005年で約14億人、世界の4人に1人が絶対的貧困層に該当した。世界の所得別人口構成では世界人口の約7割に相当する約40億人が年間所得3,000ドル未満の収入で生活している。
●2015年10月以降は1.90ドルに改定。
新国際貧困ラインは、2011年の物価を基に1.90ドルに設定している。
2012年の時点でこの水準未満の人は9億人強(12.8%)であったが、2015年には極度の貧困層は7億人強(9.6%)と推定されている。2030年に0%を目標にしている。2015年に史上初めて10%未満に達したものの、世界で7億人以上が貧困であることに変わりはない。さらにこの貧困層に向けた※BOPビジネスが存在している問題もある。

BOPビジネス

BOPビジネスとは、Base of the Pyramid「所得別人口構成全体をピラミッドと見立てた場合の底辺の層」のこと。BOP層は、約40億人を占め、5兆ドル規模に達する極めて大きなポテンシャルを有する市場と捉えられる。これは日本のGDP(国内総生産)に匹敵する額である。しかし、その一方で、低い所得水準に起因する貧困、不十分な生活基盤・社会基盤等に起因する衛生面の問題等の社会的課題がある。
・ 年間所得20,000ドル以上:1.75億人
▲ 年間所得3,000ドル以上:15億人
■ 年間所得3,000ドル未満:40億人

絶対的貧困と相対的貧困

『貧困』の定義は、国・地域・機関などによってさまざまであるが、大きく「絶対的貧困」と「相対的貧困」の二つの概念がある。

絶対的貧困

絶対的貧困(Absolute Poverty): 必要最低限の生活水準が満たされていない層または個人(Groups or individuals whose living standards are lower than the minimum living standards in the absolute sense)
絶対的貧困の概念を最初に打ち出したのはイギリスの研究家であるシーボウム・ロウントリー(1871-1954)とされ、貧困を下記の2種類に分けている。

・第1次貧困(primary poverty):総収入が単に肉体(physical efficiency)を維持するためだけの最低限度にも満たない
・第2次貧困(secondary poverty):総収入が他(飲酒や賭け事などの生活を維持する以外のこと)のことに支出が振り分けなければ肉体を維持できる

相対的貧困

相対的貧困(Relative Poverty): 生活水準が他と比べて低い層または個人(Groups or individuals whose living standards are lower than those of other groups or individuals)
OECD(経済協力開発機構)が用いる相対的貧困率は「手取りの世帯所得(収入−税/社会保険料+年金等の社会保障給付)」を世帯人数で調整し、中央値(注:平均値ではない)の50%以下を貧困として計算する。 2009年に日本政府は初めて相対的貧困率を公表したが、それによると2007年の日本の相対的貧困率は15.7%という結果だった。

まとめ

上記のように「貧困」といっても基準や定義には様々なものがあり、多角的に図られるものであることは理解できます。しかし、住民票や出生届も提出していない人たちはカウントされているのか?山奥に住む貧困層などはこのデータに入っているのか?など、様々な疑問が出てきます。

それでは、冒頭の質問に戻りましょう。

★ スラム街に住んでいる人たちは、貧困なのでしょうか?

上記の貧困の基準や定義からすると、明らかに貧困に位置づけられます。しかし、貧困層(特に子供たち)は、自分たちのことを貧困だと思っていない場合もあります。家族とともに幸せに生活をしているのです。スラム街とは、貧困の人たちが集まり、集落を形成した場所のことを意味します。つまり、周りの人たちも同じ貧困層なのです。そのため、日常的に自分たちが貧困層であるという意識は生まれません。特に子供の場合は意識していないことが多いのです。そこに日本人が『貧困層支援』という形で様々な活動を行うことにとって、『あなたたちは貧困である』と認識させてしまう事例が実際に起こっています。本当の『支援』とは何か?是非、当団体のスタディーツアーなどにご参加いただきまして、ご理解いただければ幸いです。

貧困層の子供たちと交流をすると、自分たちより『豊かさ』を感じたりします。さらには、自分たちより『幸せ』かもしれない、と感じることが出来ます。
ご興味がおありの方は『豊かさとは何か?』『幸せとは何か?』も是非ご覧ください。