なぜ世界から『貧困』『格差』はなくならないのか?当団体は貧困問題の根本的解決に向けて活動している団体です。

なぜ世界から貧困はなくならないのか?

 2017年1月16日オックスファムが格差問題に関する2017年版報告書を発表した。その内容は『世界で最も豊かな8人が世界の貧しい半分の36億人に匹敵する資産を所有している』という衝撃的なものだった。それは、富める者と貧しい者の間の格差は、これまで考えられていたもの(以前は62人と思われていた)よりも大きいことが判明した。

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 1988年から2011年にかけて、世界人口の最も貧しい1割の人々の収入増は、65ドルにすぎないが、同時期に、最も豊かな1割の人々の収入増は、11,800ドル、彼らのおおよそ182倍も増加している。世界では10人にひとりが一日2ドル以下でしのぐことを余儀なくされている中、ごく一握りの人たちが莫大な富を有している。今日の世界経済は、何十億もの人々を貧困の中に封じ込め、格差を生み、民主主義をも脅かしている。大企業や大富豪がお金の力で政治を動かし、経済のルールを自分たちの都合のよいように書き換えている。

世界人口の1%にあたる富裕層が保有する資産は、それ以外の99%の人々の資産全てを合計したよりも多いのです!!

 ごく少数の幸運な人々だけではなく、すべての人々が恩恵を受けるためには、その仕組みとあり方に根本的な変革が必要である。つまり当団体の行う『革命』が必要なのだ。

日本での貧困問題

 厚生労働省によると、日本では平成24年度の地点で6人に1人の子どもたちが貧困状態にあるとされ、国や自治体には将来に不安を抱える子どもたちへの対策が求められている。

貧困女子高生炎上事件

 貧困女子高生がネットで炎上したのを覚えている人は多いでしょう。騒動の発端は、NHKが2016年8月18日夜に放送したニュース内での「子供の貧困」特集。両親が小学校5年の時に離婚し、アルバイトの母親と2人で暮らしているという高校3年生の女子生徒が実名で登場した。部屋にはエアコンはなく、暑い夏は首に保冷剤を撒いて凌いでいる。自分が貧困家庭だと分かったのは中学校のパソコンの授業で、自宅にパソコンがないため授業に付いて行けなかった。心配した母親が1000円ほどのキーボードだけを買ってくれて練習をした。絵を描くのが大好きで専門学校に進学したいが入学金の50万円が払えない。現在は就職するか職業技術校に行くか迷っている、という内容で、横浜市で学生たちが企画したイベントに登壇し、子供の貧困問題について訴える姿が放送された。このニュースは、ある貧困家庭の女子高生が経済的な理由で進学を諦めたとして紹介された。しかし、その後部屋にアニメグッズなどがあり「貧困ではない」とネット上で誹謗中傷を受けて、炎上した。ネット上では、NHKが『やらせ』『捏造』をしている、その他にも様々なデマが飛び交い、例えばエアコンが無いというのは嘘だとしてアパートに設置された室外機の写真が出回ったり、30万円のアップル製のパソコンを持っているとか、親族とされる人物が大量の札束を持っている写真がアップされたりした。

 実際はNHKが『やらせ』や『捏造』を行っておらず、クーラーがない事を含め、放送内容は事実に基づいたものだった。この企画ニュースは「食べるものもないというレベルの貧困でなくても、経済的困窮によって、高校生が希望する進路をあきらめざるをえない現実があるということを、当事者の女子高生自身が、神奈川県が主催するフォーラムで語った」ということを伝えたものだ。

なぜ、こんなことが起きたのか?
⇒ それは貧困に対する理解ができていない人が多いからだ。

貧困には2種類ある!

貧困には大きく「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類ある。

絶対的貧困

絶対的貧困: 必要最低限の生活水準が満たされていない層または個人のことで、アフリカ難民や戦争で焼け出された難民のように、食べるものや着るものに困窮している状態である。

相対的貧困

相対的貧困: 生活水準が他と比べて低い層または個人のことで、病院に行けない、進学ができない、満足な学習を受けられない、友達と遊びに行けないなど、貧困状態にない人が当たり前に送っている生活が難しい状態である。

 「相対的貧困」は「絶対的貧困」と比べれば、生活の苦しさは伝わりづらく、見えづらいものである。貧困層の子どもたちでもスマートフォンを持っている場合もあるし、着るものもある。食べられなくて飢餓状態にあるわけではない。それでも大学にいけなかったりして、将来を諦めている子どもたちがたくさんいるのである。そうした見えにくい貧困の現状をまず我々が認識すべきなのだ。

トーマス・ピケティー『21世紀の資本』

 フランス生まれの経済学者で、パリ経済学校の教授。経済的不平等についての専門家であり、資本主義と格差拡大の関係について論証した「21世紀の資本」で一躍世界から注目を集めた。この本の凄いところは、200年以上さかのぼって1800年代から20カ国以上の税務データやGNPデータなどを集め、15年かけて歴史的に実証したところである。

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ピケティ―が「21世紀の資本」で主張していることは、大きく2つある。

(1) r > g :r (return of capital) > g (economic growth rate)

 長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも常に大きい。つまり、資産によって得られる富は、労働によって得られる富よりも大きい。

 簡単に言えば【金持ちが株式投資や不動産収入などで働かずにお金が増えていくペース(年間4~5%)は、労働者が一生懸命働いてお金を増やすペース(1~2%)よりも大きい】ということ。

(2) 格差は広がる

 上記の結果、富の集中が起こり、持てる者(富裕層)と持たざる者(貧困層)の格差は徐々に広がっていく。1930年代~70年代の格差縮小は世界恐慌や戦争による一時的現象であった。

 簡単に言えば、資本主義では【金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま】である、ということ。財産を持つ親が、子供にその財産を相続させていけば、その子供は働かなくても投資でお金が増えていくのである。彼は、世界の各国で貧富の格差はどんどん広がっていき、歴史的データから資本主義には限界があるのではないか、ということを主張している。

解決法

 不平等を是正するためには富裕層の所得や資産に対する累進課税や相続税を強化すべきである、タックスヘブンのような税率の低い国にお金持ちを逃がさないように同じ税率で課税すべきである、と主張している。

世界の長者番付

 世界の長者番付の推移を見れば、いかに【金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま】であるかががわかる。たった7ヶ月でお金持ちがどれだけ資産を増やしているのかが一目瞭然である。

世界の長者番付

【出典】2017年3月 アメリカ経済新聞世界長者番付

(1) ビル・ゲイツ(マイクロソフト) 8兆2500億円
(2) アマンシ・オルテガ(アマゾン) 7兆3700億円
(3) ウォーレン・バフェット(投資家) 6兆6900億円
(4) カルロス・スリム・ヘル(投資家) 5兆5000億円
(5) ジェフ・ペソス(アマゾン) 4兆9700億円
(6) マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)4兆9100億円
(7) ラリー・エリソン(オラクル) 4兆8000億円
(8) マイケル・ブルームバーグ(通信会社) 4兆4000億円
(9) チャールズ・コーク(コーク・インダストリーズ) 4兆3600億円
(9) デイビッド・コーク(コーク・インダストリーズ) 4兆3600億円

半年後の資産増加

【出典】2017年10月フォーブズ

■ ビル・ゲイツ(マイクロソフト) 
  8兆2500億円⇒8兆9100億円(+6600億円)
■ ウォーレン・バフェット(投資家)
  6兆6900億円⇒7兆2100億円(+5200億円)
■ ジェフ・ペソス(アマゾン)
  4兆9700億円⇒7兆3700億円(+2兆4000億円)
■ マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)
  4兆9100億円⇒6兆1100億円(+1兆2000億円)
■ ラリー・エリソン(オラクル)
  4兆8000億円⇒5兆4200億円(+6200億円)
■ マイケル・ブルームバーグ(通信会社)
  4兆4000億円⇒4兆9500億円(+5500億円)
■ チャールズ・コーク(コーク・インダストリーズ)
  4兆3600億円⇒4兆6200億円(+2600億円)⇒共和党に影響
■ デイビッド・コーク(コーク・インダストリーズ)
  4兆3600億円⇒4兆6200億円(+2600億円)⇒共和党に影響

世界の長者番付

 世界の長者番付を見てみると、そのほとんどがIT関係、投資家、財閥関係になっている。さらにその資産が半年後にどのようになっているかを調べてみると、その増減には驚かされる。これは、まさしくピケティ―の言う、【金持ちが株式投資や不動産収入などで働かずにお金が増えていくペース(年間4~5%)は、労働者が一生懸命働いてお金を増やすペース(1~2%)よりも大きい】【金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま】を証明しているといえよう。