先日盆踊り大会慰労会で発表された子供たちの日本行きですが、これからの手続きが大変です。フィリピン人は日本人のように簡単に海外に行くことはできません。

第一の難関【パスポート取得】

日本人がパスポートを申請する場合、下記の5点の書類が必要になります。これらは日本人にとってそろえることが難しいものではありません。
●一般旅券発給申請書 
●戸籍謄本(または戸籍抄本) 
●住民票の写し 
●写真 
●申請者本人に間違いないことを確認できる書類

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一方フィリピン人は、下記にあるように様々な証明書が必要になります。
●申請用紙
●出生証明書
●住民票
●卒業した学校の卒業証明書
●卒業した学校の成績証明書
●洗礼証明書
●写真
●有効な身分証明書3通
 ・選挙用の投票権誓約書
 ・運転免許証
 ・郵便証明書
 ・雇用保険証明書
 ・在職証明書
 ・就学証明書
●その他

えええ

出生届がない!?

フィリピン人の中でも特に貧困層の間では、出生届がしっかりと提出されていない人がいます。なぜなら、貧困地区や山岳地区、離島では産院で出産せずに、自宅で出産する人が多いからです。その場合、出産したまま届け出を出さない親がたくさんいるのです。
出生届を提出していても、性別が間違えていたり、両親の名前が間違えていることも珍しくありません。パスポートを取得する際や、結婚など特別なことがない限り、確認する機会がないため、これらの間違いに気が付かずに大人になってしまうことがあります。
最近では、高校への入学の際などに出生届を提出することもあり、そこで間違いに気づくこともあります。そうなると、変更には様々な手続きが必要になり、非常に時間がかかります。

IDがない!?

日本では、国民皆保険制度が確立しており、保険証が最大の身分証明書として使われています。しかし戸籍制度がなく、保険制度の整っていないフィリピンでは、日本の保険証のような絶対的な身分証明書が存在しません。そのため、貧困層の中では写真のついた身分証明書を持っていないことも珍しくありません。また、上記のそれぞれのIDを取得するには、出生届等の証明書が必要になるため、それらが整っていない人にとってはIDの取得も簡単なことではありません。

パスポート取得には面接がある!?

パスポートの申請手続きの中で最も大変なのが、実はこの面接です。日本であれば、申請書を提出するだけですが、フィリピンでは初めてパスポートを申請する際に必ず面接があります。何が大変かというと、なんと!!面接の予約を取るのに3ヵ月から半年ほどかかるのです!!
行政機関が処理できる人数をはるかに超えた人数が、パスポートを申請する結果、このような長期の順番待ちが発生してしまっています。

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毎朝このベンチいっぱいの人が並びます

第二の難関【VISAの取得】

日本人がフィリピンに入国する際には、事前にVISAを取得する必要がありません。一方フィリピン人が日本に行く際には必ずVISAが必要になります。
普段意識しなければ気づきませんが、日本のパスポートの力はとても強く世界でもトップ5に入っています。日本のパスポートを取得した場合、170カ国でビザなし、あるいは到着ビザで入国できます。いっぽうフィリピンのパスポートでは日本の半分以下の58カ国にしか入国できません。

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※上記の地図では世界の国々が色で塗り分けられています。黒から淡いピンクまでを使って、色でその国の「パスポートの力」が表象されており、黒に近づくほど、その国のパスポートの力が強いということになっています。
参照:https://www.good.is/infographics/how-powerful-is-your-passport#open

観光VISAには日本からの招待が必要!?

日本のパスポート保有者がVISAの必要な国に入国する際、必要になる書類は旅行者自身でそろえられるものがほとんどです。比較的入国が厳しいブラジルの場合でも、
●パスポート
●写真
●申請書類のコピー
●Eチケットのコピー
●残高証明書
●査証料金
これらの書類があれば、VISAを取得することができます。

しかし、フィリピン人が日本のVISAを取得する際には必ず受け入れる日本側の書類が必要になり、これがなければVISAは取得できません。渡航目的によって必要な書類は違いますが、下記の表をご覧いただければどれだけ大変なことかご想像頂けるかと思います。

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子供たちはさらに大変!?トラベルクリアランス

大人でも大変なこれらの手続きですが、子供の場合さらに複雑です。法的保護者が同伴する場合はまだいいのですが、DAREDEMO HEROが子供たちを日本に連れて行くような場合は、VISAだけではなく「トラベルクリアランス(渡航許可証)」が必要です。これは、人身売買から子供たちを守るための大切な法律です。

▶前回の日本行きの際の苦労話&感動秘話はこちらからご覧ください。

これら様々な手続きを、フィリピンタイムで進められるため、日本では考えられないほどの時間と手間がかかります。しかし、それだけ大変な思いをしてでも、子供たちを日本に連れて行くことは非常に価値のあることです。
DAREDEMO HEROでは子供たちが「真のグローバル人材」になれるよう教育しています。しかし、子供たちは貧困が故に非常に小さな世界で生きており、グローバルな視点を養うことは非常に難しいです。子供たちは日本を見ることによって、自分たちの祖国フィリピンをグローバルな視点で見ることができます。そこから、きっとフィリピンの貧困問題の解決方法を見つけ出してくれるはずです。

子供たちがより多くの体験をできるよう、日本行きに向けて準備を進めていきます!

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