先日、フィリピン人スタッフが子どもたちのためにと、英語・日本語・タガログ語の書かれた日本語会話集を買ってきました。海外で売られている日本語会話集とはどのようなものでしょうか?

誤植は数知れず

ページを開いてすぐにたくさんの誤植に気が付きます。日本の英語教材のように母語話者が監修をしているわけではないため、驚くほどに誤植が大量です。たとえば、否定するときに使う「いえ」がすべて「lie」になってしまっています。

いえ

nの難しさ

また、ローマ字表記のルールとして、直後に母音が来るときは「ん」は「nn」で表記するというものがありますが、それが守られているとはいいがたいです。そのため、「Sai kakunini tashimashita」(再確認いたしました)のような文ができてしまいます。そもそも切れ目もおかしいです。

再確認いたしました

今では使われないような言葉も

「How much would you like to cash?(いくら換金いたしましょうか?)」に対して「Ikahodo genkinka nasai masuka?(いかほど現金化なさいますか?)」と訳されています。「いかほど」という語は今やドラマの中の言葉のように思われます。このほかにもbill(領収書)の訳として「kanzho gagi(勘定書き)」がつかわれているなど、少し古い言葉が多いです。日本語を学ぶ外国人の中に、時代劇のような話し方になってしまう人がいますが、その一翼を担っているのはこのような日本語会話集なのかもしれません。

勘定書き

そもそもいろいろ違います。

この例文は飲食店でステーキを注文する場面のものです。英語は「One is rare,the others are well-done(レアのが1つと、他のはウェルダンでお願いします)」となっていますが、日本語訳がなかなか衝撃的です。「Nama yake no ga hitotsu,atowa yoku yaketa.(生焼けのが一つ、後はよく焼けた)」といろいろ突っ込みどころがあります。レアのステーキはおいしそうですが、生焼けのステーキというと急に食欲がなくなってしまいます。また「後のはよく焼けた」といわれると、いくつかのステーキのうち1つだけ失敗したようにも聞こえます。

生焼け

この本から学ぶこと

この本はフィリピン人で日本語に堪能な方が共同で書かれたもののようです。そのような人々でもこのような間違いをするということは、日本語の初学者である子どもたちが間違うことはいうまでもありませんこの本の間違いは「日本語を学ぶ外国人がやりがちな間違い」だともいえるでしょう。。文法的にそもそも間違っているものはそれほど多くはありませんが、発音や単語の切れ目の間違いが多いです。これらの間違いを知ることによって、より効果的な指導ができるようになるようにおもいます。

フィリピンで日本語を学ぶ難しさ

フィリピンでは年々日本語学習者が増えているため、このような教材はたくさんあります。しかし、このような教材で勉強しても間違った日本語学習となるだけです。また、わら半紙に印刷されているようなポケットサイズの本ですが100ペソ以上します。1食が30ペソ以内で食べられることを考えると、本を買うということは一大決心です。学びたいという思いはあっても、教材を手に入れることが壁となって立ちはだかります。DAREDEMO HEROではご寄付いただいた教材や日本人スタッフやインターンが厳選した教材で子どもたちは日本語を学習しています。子どもたちがやる気をもって、正しい日本語を学ぶことができる環境にしています。

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