フィリピンの学校ではどのような宿題が出されるのでしょうか?今回はシニアハイスクールに注目します!

シニアハイスクールとは

現在のフィリピンの教育制度は、小学校6年→高校4年→シニアハイスクール2年です。
2016年に教育制度が改革されました。もともとは10年の中等教育でしたが、国際基準である12年の中等教育が採用され、新しくシニアハイスクールが組み込まれました
シニアハイスクールでは自分の将来の夢に合わせて、HUMSS(人文・社会科学) STEM(理工学) ABM(経営、会計) GAS(まだ将来が決まってない人向けに上記の分野を全体的に広く行う)のなかから専攻を選択します。
▶シニアハイスクールの詳細については、こちらをご覧ください。
「シニアハイスクールって何? 」

シニアハイスクールの宿題事情

現在、当団体には9人のシニアハイスクール生がいます。
今回は、サンカルロス大学付属のシニアハイスクールに通うジャネット、ザーラ、ジェームスに宿題について話を聞きました。ザーラとジェームスはSTEM、ジャネットはHUMSSを専攻しています。

STEMの場合

理工学系のSTEMでは、数学の宿題として水道管のパーツを作成するというものがあります。これはグループワークで、各グループが作成したパーツを合わせて水道管を完成させます。習った数学の知識を利用して、通る水の量やサイズなどを決めていきます。完成した水道管は実際に使用してみるのだそうです。


水道管の設計図を見せてくれました

HUMSSの場合

人文・社会科学系のHUMSSでは、調査をしてレポートやプレゼンテーションを作成する宿題が多く出されます。授業科目の一つとして「調査法」という科目があり、インタビューの仕方や論文の書き方を学びます。ジャネットは、自分が住んでいる地区について住民のインタビューをし、明らかになった地区の課題を報告書として実際に役場に提出するという宿題に取り組んでいました。これもグループワークであり、ジャネットのグループは合計で60ページにものぼる報告書を作成していました。
現在は、「認知的ストレスが主観的幸福に及ぼす影響」をテーマに、グループでプレゼンテーションを作成する宿題に取り組んでいます。


ジャネットが作成しているプレゼンテーション

アサイメントとプロジェクト

フィリピンの学校には、宿題としてアサイメントプロジェクトの2種類あります。
アサイメントは問題集を解く形式の宿題で、プロジェクトは水道管のように何かを作成する宿題です。プロジェクトはグループワークが多いですが、個人で行うものもあるそうです。
日本ではアサイメントの方が多く、プロジェクトのように習った知識を応用するような宿題は少ないのではないかと思います。

フィリピンの子どもたちは小学生の時から多くのプロジェクトをこなします。プロジェクトを行うのに欠かせないのが、パソコンです。プロジェクトは調べ物をしたり、印刷したりしなければならないものがほとんどです。しかし、貧困層は家にパソコンがないため、コミュニティ内にあるインターネットカフェでお金を払ってプロジェクトを行わなければなりません。また、プロジェクトで使用する資材やインタビュー相手への謝礼品なども学生が払わなくてはいけません。インタビュー調査の宿題だけでなんと、1グループ年間10,000ペソ(約2万円)もかかるそうです。当団体では、子どもたちが自由に使用できるパソコンやプリンターを完備しています。また、奨学金も支給することでプロジェクトなど、学校にかかるお金を負担できるようにしています。
このように、プロジェクト形式の宿題は、子どもたちの創造力を高めるという面では良いですが、貧困層にとっては家計の大きな負担となる面で課題が残されています。
▶インターネットカフェやプロジェクト形式の宿題が生む弊害については、こちらをご覧ください。
「フィリピンの宿題には●●が欠かせない!? 」

今回はシニアハイスクールの子たちの宿題事情をご紹介しました。
シニアハイスクールの子たちだけではなく、小学生や高校生の子たちも自分の夢に向かって日々、HERO’S HOUSEで勉強に励んでいます。
私たちスタッフは、子どもたちが快適に勉強に取り組めるように、これからも全力で子どもたちをサポートしていきます!