現在、DAREDEMO HEROでは肛門がない状態で産まれたエルウィンの特別医療支援を行っています。

▶これまでの経緯はこちらをご覧ください「守れる命を守りたい!~私たちにできること~」

手術までの道のり

肛門がない状態で産まれたエルウィンは、本来生後間もない時期に、肛門を作る手術をする必要がありました。しかし、墓地で暮らすエルウィン一家には、手術に必要な費用を用意することができず、そのまま放置されている状態でした。
今は、ミルクしか飲んでいないため、どうにか腸閉塞など深刻な症状も出ずに生活していますが、もうすぐ離乳食などを口にする時期です。そうなると、感染症も含め様々なリスクが高まります。

不衛生な環境の中で、このまま放置することは、命の危険もあるということで、この緊急医療支援をスタートしました。

しかし、やはり問題になるのは治療費です。専門医に執刀をお願いした場合、手術費だけでも50万円程度かかります。もちろん保険には入っていないため、全額自費です。
施設の整っていない公立の病院では、治療が難しいうえに、手術まで長期間待たなければいけません。

そこで今回、病院独自のチャリティー事業を行っていて、専門医がいる私立の病院をご紹介いただき、そこでの検査、手術に向けて準備を進めています。

様々な障害

「なぜ、そのようなチャリティー事業があるのなら、自分たちで動かないの?」

と、思われる方もいるかと思います。私も、以前はそう思っていました。
しかし、これまで様々な医療支援を行っていく中で、貧困層(=教育を受けていない母親)たちにとって、それらのサービスを受けることが、いかに難しいことかを痛感しています。

貧困層が、このようなサービスを受けるためには、多くの障害があります。

1、そもそもそのようなサービスがあることを知らない。知りえる方法がない。
2、存在を知っていても、どうしていいのか分からない。周囲にも教えてくれる人がいない。
3、どうしたらいいのかが分かっても、実際に動くためのお金がない(病院までの交通費など)
4、病院までたどり着いても、ソーシャルワーカーとの面談がうまくいかない(訴える力がない)
5、最終的にチャリティー料金になっても、割引後の金額すら払えない

実際に今回ソーシャルワーカーとの面談でも、医者との問診でも、エルウィンのお母さんは、的確な返答ができず、当団体のフィリピン人スタッフが丁寧に説明をして、やっと必要な答えが返ってきました。必要書類の書き込みでも、文字がうまく書けず、フィリピン人スタッフが代筆をしました。医師からの指示も理解できないため、次の来院の予定なども、すぐに忘れてしまうため、当団体でのサポートが常に必要でした。
本来無料で受けることができる、予防接種なども受けておらず、そのために手術の日程もずれ込んでしまいました。

このような状況を聞くと、親の責任を果たしていない。子どものことを愛していないのではないか?と思われる方がいるかもしれませんが、そうではないのです。エルウィンのお母さんは、本当にエルウィンのことを愛していて、とても大切に思っています。しかし、愛するわが子を守る正しい行動をとるための力がないのです。

今後の治療方針

先日病院から連絡があり、無事にチャリティー料金で手術ができることが決定しました。しかし、チャリティー料金といっても、20万円以上の高額です。この金額はエルウィン一家の約2年分の年収に相当します。そのような大金を、貧困層が負担できるはずがありません。

当初、有志の方が今回の手術費用を工面してくださるというお話もありましたが、それには一つ条件がありました。それが、お母さんが不妊手術を受けることです。

エルウィン一家には、すでに4人の子どもがいます。フィリピンの貧困層は子だくさんの家族が多く、「すでに産まれている子どもたちの世話もできないのに、なぜそんなにたくさん子どもを産むのか?」という大きな疑問が生じます。
しかし、だからと言ってお母さんに、エルウィンの命と引き換えに、不妊手術を強制することは私たちにはできませんでした。確かに、お母さんがまた妊娠をして、同じような子どもが生まれてくるかもしれません。その時、またお金がなくて同じ問題が発生するかもしれません。

しかし、今回私たちが助けたいのは、エルウィンの命です。


エルウィンのお兄ちゃんです

この状況を竹井佑介様にお伝えしたところ、「ぜひ、エルウィンの命を救ってください!」と、手術費用のご支援を頂くことができ、現在手術に向けての検査を進めております。

命にかかわるということは、本当に難しいことです。
ただ、目の前にある「助けることができる命は助けたい」という想いで、活動を続けていきます。
ご支援頂きました、竹井様、SIAの皆様に心より感謝いたします。

今後もエルウィンについて、定期的にご報告させていただきます。