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ジェニー、セブ・ドクターズ大学を卒業しました
いつもDAREDEMO HEROの活動、そして子どもたちへのご支援を心より感謝申し上げます。
今回は、2013年の支援開始から長年にわたりDAREDEMO HEROの奨学生として歩んできたジェニー(Jenny Rose Bontuyan)の大学卒業についてご報告いたします!
ジェニーは先日、セブ・ドクターズ大学(Cebu Doctor’s University)の臨床検査学科(BS MEDTECH)を無事に修了し、念願の学位を取得しました。
将来への不安と生活の厳しさの中にいた少女が、いかにしてこの日を迎え、どのような未来を描いているのか、彼女の成長の歩みをご紹介します。

借金と隣り合わせだった幼少期と厳しい家庭環境
ジェニーは3人きょうだいの長女として生まれ、セブ市の緑と木々に囲まれた敷地内にある、小さな家で暮らしています。
一見穏やかに見える生活ですが、その裏には常に厳しい経済的苦難がありました。家には部屋がひとつとダイニングスペースしかなく、ひとつの部屋で家族全員が身を寄せて暮らしています。電気代も同じ敷地に住む親戚と分け合いながら、何とか支払いをやりくりする状況でした。
母のエマは清掃員として働き、父ランディは干物(Dried Fish)を売って生計を立てていましたが、干物の売り上げは需要次第で不安定でした。パンデミックの時期には、お母さんの勤務日数が月に15日程度に激減し、世帯月収がわずか4,000〜5,000ペソ(約1.5万円)にまで落ち込むなど、毎日の食事すら危うい日々に直面しました。
DAREDEMO HEROと出会う前の家庭状況は極めて不安定で、家族の食費をまかなうために誰彼構わずお金を借りなければ生きていけないほど追いつめられていました。ジェニー自身も「高校を終えられるのか」「大学進学なんて無理なのではないか」と、先が見えない未来に強い不安を感じていました。


困難の中でも折れなかった姿勢
どんな厳しい環境下にあっても、ジェニーは決して学びを諦めませんでした。
サンカルロス大学附属シニアハイスクール(高校)は、基本的には富裕層の子どもたちが通うセブ島の名門校です。そんな環境に奨学生として飛び込んだジェニーでしたが、周りとの経済的な格差や他人の目を気にすることなく、堂々と胸を張って通い続けました。お金がないから恥ずかしいといって学校を休むようなことは絶対にせず、妹と一緒にどうにか通学する工夫を重ねながら日々の学業に励み、高校時代を通して一貫して優秀な成績を収め続けました。
大学で高度で専門的な医学分野を学ぶようになってからは、試験のたびに大きなストレスや不安に襲われ、オンライン授業で腰痛を抱えることもありました。それでも、互いに話し合って物事を決める温かい両親の支えや励ましを受けながら、彼女は必死で努力を重ねて難関の講義を一つひとつ達成していきました。
10年以上のサポートで育まれた成長と「忘れられない思い出」
2013年4月にDAREDEMO HEROの奨学生となってからの10年間で、ジェニーが得たものは学術的な知識だけではありません。
生活の困窮や自然災害に直面した際にも、家族全体に温かい支援の手が差し伸べられました。それだけでなく、団体での様々なトレーニングを通じて、正しい価値観や自律心、責任感を養い、一人の人間・将来の医療専門職としての強い土台を作り上げました。
活動の中でジェニーが特に宝物として胸に刻んでいるのが、「幼少期に参加した日本への研修旅行」と「毎年開催されるクリスマスパーティー」です。
貧しい家庭で育った彼女にとって、幼い頃に日本を訪れる機会を得られたことは夢のような体験でした。また、スタッフや奨学生、家族みんなが集まり、誰もがプレゼントを手に笑顔で帰宅する温かいクリスマスの光景は、彼女の心を常に励まし続けました。
団体内で年長者となった現在では、役職の有無にかかわらず、年下の子どもたちが気軽に相談できる「頼れるお姉さん」として、みんなの悩みや質問に優しく耳を傾けています。



次の目標:国家試験合格、そして「医師」という幼い頃からの夢へ
大学を卒業したジェニーは、現在、臨床検査技師の国家試験(Board Exam)に向けた復習期間に入っており、日々猛勉強を続けています。
まだ定職には就いていませんが、この時間を無駄にせず生産性を保ち、より自立した大人になるため、可能な範囲で小さなアルバイトや副業(サイドライン)にも取り組んでいます。
国家試験の先にある、彼女の将来の目標は明確です。
臨床検査技師としての就職: ライセンスを取得して働き始め、これまで自分のために多くの犠牲を払ってくれた家族に恩返しをする。
海外でのキャリア挑戦: 実務経験を積みながら国際資格である臨床検査技師を取得し、海外で活躍する機会を広げる。
ボランティア活動: かつての自分と同じように困難な境遇にいる子どもたちや地域社会を助ける活動に貢献する。
医学部(Medical School)への進学: 経済的・専門的な基盤を整えた上で、幼い頃からのずっと一番の夢であった医師への道に挑戦する。
一歩一歩焦らずに、長年の夢に向かって進んでいく覚悟を固めています。

長年見守ってくださった支援者の皆さまへ
ジェニーが困難を乗り越え、医療の道へと進むことができたのは、長年にわたり温かいご支援と励ましを届け続けてくださった日本の皆さまのおかげです。
ジェニーから感謝のメッセージをご紹介します。
「いつも私たちのお世話をし、親身に寄り添ってくれたスタッフの皆さんにも心から感謝しています。
そして日本の里親の皆さま。遠く離れていても、皆さまから届くお手紙やギフト、温かいお祈りや励ましの言葉を通じて、その優しさをいつも近くに感じていました。皆さまは私の人生の大切な一部です。いつか私も、皆さまがしてくださったように誰かを助け、恩返しができる人間になりたいと思っています。」

最後に
かつて、家族でひとつの部屋に身を寄せ、明日への不安に震えていた少女は、10年以上の歳月を経て、人々の命と健康を支える医療従事者へと成長しました。
DAREDEMO HEROは、ジェニーにとって「安全な避難所」であり、暗闇の中の光であり、今日の彼女を作り上げてくれた希望の源でした。
DAREDEMO HEROは、これから国家試験に挑み、やがて「医師」という大きな夢を叶えるために羽ばたいていくジェニーを、これからも全力で応援してまいります。
皆さまもぜひ、彼女の新たな旅立ちを温かく見守っていただけますと幸いです。







