2016年に施行された、教育改革「K-12」によって突如現れた「シニアハイスクール」いったい何をするところなのでしょうか?
K-12ってどんな制度?
これまでにもこちらのブログでご紹介させていただいていますが、もう一度簡単に「K-12」についてご説明いたします。
フィリピンではもともと、義務教育が小学校6年・高校4年の10年、16歳で中等教育が終了していました。それを世界基準に合わせるために小学校6年・ジュニアハイスクール4年・シニアハイスクール2年の12年間、18歳で中等教育終了と改正したものです。この制度で新しく設置されたのが「シニアハイスクール」です。
▶K-12について詳細は過去の記事をご覧ください「フィリピン新教育システムの光と闇!! 」
シニアハイスクールの現状
実際シニアハイスクールがスタートしていますが、既に様々な問題が浮かび上がっています。そもそも懸念されていた教室不足、教師不足に加え、シニアハイスクールへの進学率もあまりよくありません。そもそもフィリピンでは経済的な理由から高校をドロップアウト(中退)する生徒が多く、入学率より卒業率が10%以上低下しています。そんな中、シニアハイスクールがスタートしたことにより、新たに制服を買いそろえる必要があり、ドロップアウトのきっかけとなってしまっています。
救世主となるのか!?大学付属のシニアハイスクール
現在期待されているのが、大学付属のシニアハイスクールです。
大学側としても、2年間新入生が入ってこないということは大きな痛手です。そこで、様々な方法で公立高校からの編入を促しています。学校によっては学部は限られますが、公立高校からの編入生は授業料無料としている大学もあります。
しかし、ここフィリピンでは学校ですら大胆な制度改革をすることがよくあり、このような「授業料無料」という特例もいつまで続くかわかりません。このような特例がなくなったとき、また大量のドロップアウトが出ることは容易に想像でします。
DAREDEMO KIDSにとって一番いい進路
DAREDEMO KIDSの最高学年の5名が、来年からシニアハイスクールに進学します。現在子どもたちの通う、タランバン高校では未だに校舎の増築工事が終わっておらず、設備も先生も十分ではありません。教育制度が大きく移り変わる中、子どもたちの将来を考える際、情報の収集が非常に重要になっています。
- どの学校がどのようなプログラムを行っているのか
- 大学への進学準備はどうなっているか
- 奨学金を受けるにはどのような手続きが必要なのか
- 入学試験の内容はどんなものか
貧困家庭では、貧困が故に情報が不足し、さらなる貧困を招きます。その負の連鎖を断ち切るためにも、スタッフ全員が常にアンテナを張って、情報取集に努めています。