貧困層の人々と交流をすると強く感じることがあります。それはみんな「助け合いの精神」を持っているということです。
大家族が多い
貧困層に限らず、フィリピンは大家族が多いです。DAREDEMO KIDSも3~5人ほど兄弟がいる子がほとんどです。そしてみんな兄弟間でとても仲が良く、妹や弟がいる子は下の子の面倒をよくみています。
DAREDEMO HEROでなにかイベントがある際も、よく子どもたちの妹や弟が遊びに来ます。
子どもたちは下の兄弟たちと一緒に遊んだり、ご飯を食べさせてあげたりなどお兄ちゃん、お姉ちゃんとして、しっかりと面倒をみています。また、親が仕事などで忙しいことを分かっている子どもたちは、家事のお手伝いもよくしています。先日、このセメスター休暇の間に何をしたかを尋ねたところ、ほぼ全員がお皿洗いや掃除など家事の手伝いをしていました。
親戚もみんなで一緒に生活
貧困層の家庭ではよく親戚も一緒に暮らしています。これは経済的な理由が大きく関わっています。家を借りるお金がないため、もともと親戚が住んでいる家の一角を借りたり、1つの家をみんなでシェアして住む光景がよく見られます。しかし、1つの家をシェアすると聞くと大きな家を親戚を含めた何家族かでシェアをするイメージですが、一家族住むのも精一杯という広さの家をシェアをするというのがほとんどです。そのため、一家族に分け与えられたスペースはとても狭く、その狭いスペースに家族5~7人で川の字になって寝ます。
周りとのつながり
上記の親戚とのつながりは貧困のエリアで災害が起きても孤児がでない理由の一つです。もし災害が起き、今まで面倒を見てくれた保護者が亡くなってしまっても親戚がその子の保護者となってくれます。また、親戚が近くにいない場合でも近所の人が面倒を見てくれる場合もあります。そのため、フィリピンには貧困に苦しむ人が多くいますが、貧困で餓死をすることは滅多にありません。必ず親戚や近所の人が助けてくれるのです。
助け合いの精神
フィリピンの人全般的に、この助け合いの精神を持っていますが、上記のように狭い家を何家族かでシェアをするなど、貧困層の人ほどその精神が強いと感じます。
DAREDEMO KIDSが家事の手伝いをするのも親の大変さがきちんと分かっているからです。そして、家族間でのこのような助け合いだけでなく、子どもたちはDAREDEMO HEROでのイベントなどでも自主的に手伝ってくれます。
そのような場面を通して、我々スタッフも子供たちに助け合いの精神がきちんと身についていることを実感します。子どもたちは自らが貧困層の家庭で生活をする中で、家族の苦労は十分理解しているのです。そうして自然に助け合いの精神が養われ、そして助け合うことの大切さも分かっているのだと思います。
しかし、この助け合いの精神を利用して、他の人の助けばかりを頼りに自分は働かず遊んでいる人がいるのも事実です。困ったら周りが助けてくれることを分かっているので、仕事を見つける努力すらしません。
素敵な助け合いをこのように利用する人がいるのはとても悲しいことです。
この国を変えるために
家族の苦労、そして自分もたくさんの苦労をしている分、この国を変えたいという思いを強く持っているDAREDEMO KIDS。その思いを実現できるように、日々子どもたちは勉強を頑張っています。