フィリピン税金シリーズ第2弾!今回は、あまり知られていない相続税事情について徹底解説!
相続税って?
そもそも相続税とは、亡くなった人が持っていた財産を受け取る時に国に支払う税金のことです。もちろんフィリピンにも日本と同じように相続税があります。多くの方はあまりなじみが無いかもしれませんが、相続税は貧富の格差を作る原因の1つでもある重要な問題でもあるのです。
税制改革によって変わったフィリピンの相続税
2018年の1月にフィリピン政府は、20年ぶりとなる税制改革法を施行しました。それ以前は相続する資産が多ければ多いほど税率が高くなる累進課税制度を相続税ではとっていました。一番低い税率が、遺産額が20万ペソ(約41万円)の以上の場合です。この場合、遺産額の5%を国に支払います。そして1番高い税率は1千万ペソ(約2千万円)以上の場合です。この場合、最高税率の20%を国に支払います。
つまり税制改革以前は、遺産額に応じて5%~20%の相続税を国に納めていたということです。そもそも貧困層には相続するお金が無い事が多いので、お金持ちにとって厳しい制度でした。
しかし、2018年の税制改革によってお金の金額は関係なく、一律6%に変わりました。遺産額がどんなに少なくても多くても納める税金は6%です。そのため、お金持ちに優しい制度になってしまったのです。
日本の相続税との違いは?
日本の相続税は、お金持ちになればなるほど納税額が増える、累進課税制度をとっております。その税率は、1番低くいもので1000万以下が10%、1番高いもので6億円を以上の場合55%もの税金を国に治めなくてはいけません。
そのため、金融資産額が1億円以上の日本人は約2%しかいない事やフィリピンと日本の物価の違いを考えたとしても、日本の相続税がフィリピンよりいかに高いかが分かりますね。
フィリピンの相続税における問題点とは?
そもそも相続税は「富の再分配」を目的としています。もし、お金持ちの家に生まれたらずっとお金持ちでいられ、もし貧困層の家に生まれた貧困のままです。これらは、お金を得られる人の能力に関係なく生まれる格差です。なので、このような事態を打破することが相続税が導入されている理由の一つなのです。そのため、日本も戦後、財閥解体を目的として最高90%の相続税が課されました。
しかし、現在のフィリピンの相続税制度では貧富の格差は広がるばかりです。フィリピンには中間層というものがなく、ごくわずかな超富裕層と大多数の貧困層という構図が昔から続いていて、アジアの中でも貧富の格差が最も激しい国です。セブの街も少し歩くだけでその格差を実感します。
最後に、、
一見、貧困問題とは関係がなさそうな相続税ですが、格差が激しいフィリピンでは大きな社会問題と言えるでしょう。しかしフィリピンの制度は富裕層によって作られています。そのため2018年の税制改正によってさらにお金持ちが得をする制度になってしまいました。この負の連鎖を止めるためには、貧困層にやさしい法律制度を作り上げることが必要です。
そのために、貧困層の苦しみが分かるリーダーがこの国には必要です。1日も早く、DAREDEMO KIDSがこの国のリーダーとなり、この絶対的な貧富の差を解決してくれることを期待しています。