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DAREDEMO HEROが取り組む「文化交流」
DAREDEMO HEROが取り組む3つのプログラムのうち、一つが「文化交流」です。フィリピン・セブで活動する日本のNPO団体として、日本人とフィリピン人がお互いの文化を理解し、それぞれの良さを吸収していくことができるような機会を提供しています。日本・フィリピンの友好関係のため、適宜文化交流の場を設けていきます。
今回は、サンカルロス大学シニアハイスクールでの文化交流会の様子をご紹介します。お邪魔したのはジャスティー先生の担当する教室です。実はジャスティー先生は、以前DAREDEMO HEROの英語教員として働いていた先生なんです。現在も学校で教鞭をとるかたわら、DAREDEMO HEROの奨学生たちがシニアハイスクールに進学する際の進路相談員を務めていただいています。
文化交流会の様子
教室に入ると、生徒たちが賑やかに迎えてくれました。今回はグループに分かれ、座談会形式で日本とフィリピンの文化について話し合いました。
生徒たちは、
- 「日本ってどんなところですか?」
- 「日本とフィリピンでどんな違いがありますか?」
- 「フィリピンのどんなところが好きですか?」
- 「日本のおすすめスポットは?」
など、色々な質問を積極的に投げかけてくれました。
日本文化体験
今回、私たちは浴衣・甚平・はっぴ・けん玉などを用意し、生徒たちに日本の文化を実際に体験してもらいました。見慣れない日本のものに興味津々の様子で、特に着付け体験は大好評でした。
フィリピン文化体験
現地の生徒たちもフィリピンのお菓子を準備してくれおり、普段は食べることのないローカルスナックを味わいながら会話を楽しみました。また、ブレスレットやネックレス・お手紙などのお土産をプレゼントしてくれたクラスもあります。
文化交流会の感想
生徒たちと話し合う中で、フィリピンの生活・人々について新たな発見がありました。特に次のようなことが印象に残っています。
- 生徒たちは毎朝4時に起きて準備をしている。その時間でないと、交通渋滞が深刻なので7時30分の授業開始に間に合わない。
- フィリピン人の90%以上がキリスト教を信仰しているため、授業の開始前に毎回お祈りをしていた。生徒たちの大半は毎週礼拝に行っているそう。
- 明るい生徒が多く、自分の意見をしっかり持っていた。
- ジェンダーフリーな雰囲気が定着している。
- ビサヤ語(現地の言葉)より英語の方が得意だという生徒も多い。
私たちが想像していなかった彼らの当たり前を知り、視野を広げることができました。
日本文化を伝えるためには…
生徒たちから日本について質問される中で、うまく答えることができない質問もありました。日本人として日本の文化の特徴を客観的に捉えることは、意外にも難しいものです。日本の文化を海外の人に一から説明するには、なんとなくの理解では知識不足であることを実感しました。文化交流の場で真の日本文化を知ってもらうには、まず我々が日本を深く知っていなければなりません。今回の文化交流会は、海外にいる日本人として、改めて日本のことを学ぼうと思うきっかけになりました。
フィリピンの貧富の差による「体験」の差
サンカルロス大学はセブの富裕層が通う名門校です。そのため、生徒の中には日本に旅行したことがある人もいました。DAREDEMO HEROが支援している貧困層の子どもたちは、当然自分たちの力では海外に行くことはできず、自分たちの生活する地域から出ることも滅多にありません。同じセブの中にいながらも、貧富の差によって大きな体験の差が生まれていることを実感しました。
DAREDEMO HEROでは、貧困層である奨学生にも様々な体験をさせるために、日本研修旅行を実施しています。私たちが今回の文化交流会で実感したように、異文化に触れることは自身の文化のさらなる理解につながります。奨学生も、日本の文化に触れることでより自国の文化を理解し、フィリピンのいいところ・改善できるところなどを明確に認識することができます。