女性の権利向上事業

女性の権利向上事業
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DAREDEMO HEROでは、風に立つライオン基金 様のご支援を受けて、女性の権利と健康衛生の向上事業を行なっています。

貧困層の女性が抱える問題の多くは、「知識不足」や「慣習」が原因で起こっています。貧困層の女性たちが、自分と愛する家族を守れるよう、DAREDEMO HEROでは様々な知識や支援を提供しています。

▶これまでの支援は「こちら」をご覧ください。

流産・死産を経験した女性へのピアカウンセリング

女性の権利向上事業の一環で、流産・死産を経験した女性のピアカウンセリングを実施しました。非常にセンシティブな内容であるため、有資格の心理士と事前に入念な打ち合わせを行い、参加者も希望制での開催となりました。

カウンセリング中、過去の辛い体験を思い出し、涙ぐむ人も少なくありませんでした。今回参加した女性の多くは、「私が子どもを殺してしまった」と、自責の念に駆られています。「流産を経験して、自ら命を絶とうと思った」と語ってくれた参加者もいました。

流産・死産について話すことは、家族や近所の人に限られ、公に語られることはほとんどありません。たとえ家族からのサポートがあっても、深い共感が得られるとは限りません。今回のカウンセリングでは、「初めて子どもを失った悲しみを打ち明けた」という方が多くいました。当事者の悲嘆や喪失感は計り知れず、同じ経験を持つ者同士でしか分かり合えないこともあります。

参加者の話から、流産の原因として、経済的な事情から十分な栄養が取れなかったこと、家族のために重労働を続けなければいけなかったこと、定期検診を受けることができずに、お腹の子どもが亡くなっていたことに2か月以上気づけなかったことなど、様々な事情が浮き彫りになりました。特に、10代での妊娠は貧困を一層深刻化させ、栄養不足や自尊心の低下、薬物依存などを引き起こす可能性があり、流産・死産のリスクを高めます。また、子宮や胎盤が十分に成長していないことから、子どもだけでなく、母親の命も危険にさらします。

参加者は最後に、「自分や周囲の人々に、もう少し知識があれば、違った結果もあったのかもしれない。それでも、全てのことには理由があり、自分は今、目の前にいる愛する家族のために、生きていかなければならない」と、力強い言葉を残してくれました。

加えて、「同じ悲しみを他の女性が体験しないように、当事業を通じて学んだことや自分の経験を、周囲に伝えていきたい」と話してくれました。悲しみを乗り越えて強く生きる女性を、これからも支えていくとともに、流産・死産のリスクを高める若年妊娠の現状を知り、問題解決に向けて取り組んでいかなければならないと感じました。

若年妊娠を経験した女性たちへのインタビュー

若年妊娠を経験した方へインタビューを行いました。

女性たちは、「自分に知識があれば、夢を諦めずにすんだかもしれない」と話してくれました。望まない妊娠を減らすために、私たちは若年妊娠に関する知識を広く伝えていかなければならないと感じました。

注)フィリピンでは中絶が禁止されており、例え望まない妊娠でも中絶という選択肢はありません。

若年妊娠に関するセミナー

地元の医師が、10代の妊娠リスク、望まない妊娠の防止方法、そして母親の産前・産後ケアについて講義を行いました。

ピアカウンセリングやインタビューを通して、若年妊娠に関する問題を多くの人に知ってもらうことが重要であると感じました。10代での妊娠は、貧困を一層深刻化させるほか、栄養不足や自尊心の低下、薬物依存、学校の中退といった危険を伴います。それに加え、早産や知識不足による性感染症のリスクもあり、子どもだけでなく、母親の命も危険にさらします。

こうしたリスクを避けるためには、親や地域の人々が10代の妊娠の危険性を理解し、日常的に子どもたちとコミュニケーションを取ることが重要です。

このセミナーは、カレタ・タプタプ・ラプラプの3地域で開催されました。参加者は、ゴミを拾って生計を立てている方や農業従事者など様々で、主に30代から50代の方が参加しています。参加者には、セミナーで得た情報を、娘や地域の若者たちに伝えるよう呼びかけました。

若年妊娠に関する知識を持った人が増えるよう、今後も引き続き活動を続けていきます。

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