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ジェームズ君プロジェクト

ジェームズ君プロジェクト
公開日: 更新日:

皆様にご支援いただき回復に向かっていたジェームス君ですが、2月25日深夜に突然不調を訴え、医師の措置もむなしく、そのまま永遠の眠りにつきました。これまでの皆様のご支援に心よ感謝いたします。

これまでに皆様から頂きましたご支援金の合計金額は747,000円にものぼります。本日まで100%ジェームス君のために使わせていただきました治療費その他は、593,141円です。
差額は今後ジェームス君のように、特別な医療が必要な子供のための基金として、当団体で管理させていただきます。

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▶詳細はこちらからご覧ください。

◆ 近況報告 ◆

<10月>
ジェームス君は9月に右目の眼球摘出手術を受けました。元々右目ががんに侵されており、そこからの転移が危惧されていました。更に、左目ではかすかな光を感じられますが、右目が完全に失明していることから、今回の手術に踏み切ることになりました。

眼球の摘出により、目の埋没が心配されましたが、外見上はあまり変わりなく、転移のリスクをひとつ取り除くことができました。
ジェームス君の治療はまだまだ続きます。現在、左目の化膿が悪化しており、検査後抗がん剤の治療を継続していく必要があります。最終的には、左目の摘出も必要になるかもしれません。
ジェームス君が、命の危機から脱し「自分の将来」を考えられる日が来るまで、支援を続けていきたいと思います。

今後の治療費が不足しております。皆様のご支援を心からお待ちしております。

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<6月6日>
火災後、テント生活の続いていたジェームス君一家ですが、市の援助もあり、やっと仮設の家を作ることができました。しかし、ここは満潮になると、海の水が入ってきて、床の下ギリギリまで水が上がる地区です。快適な生活とは言えませんが、家族仲良く生活をしています。
ジェームス君は3度の抗がん剤治療を経て、目の腫れはだいぶ収まりました。しかし、現在「がん転移」の可能性が出ており、精密検査を予定しています。今後、精密検査、眼球摘出手術、その後また抗がん剤治療等、まだまだ治療は続きます。
ジェームス君が、一日も早くすべての治療を終え、元気に生活できるまで、見守っていきたいと思います。


<4月25日>
本日、治療に必要な費用を受け取りに、ジェームス君とお父さんがHERO’S HOUSEにやってきました。以前から「おもちゃが欲しい」と言っていたジェームス君のために、日本のご支援者様から頂いたパスルをプレゼントしました。さっそくその場で、両手の感覚を使って、パズルを楽しんでいました。
帰り際には、はじめて満面の笑みで「バイバーイ!」と元気に手を振ってくれました。
皆さんのご支援のお蔭様で、日々元気を取り戻すジェームス君の今後の成長が楽しみです。

ジェームズDAREDEMO HERO

<4月11日>
いよいよ、第2回抗がん剤治療が始まります。今日は、薬の購入に必要なお金の一部を渡しました。「みて、みて、コメカミあたりの腫れがだいぶ治まってきてるよ」と、お父さんは何度も指をさして説明してくれました。お父さんにも少し笑顔が見られるようになりました。ジェームス君はとても元気で、今日もたくさんおしゃべりをしました。


<4月9日>
第1回目の抗がん剤治療から、定期的に血液検査を行っています。輸血の効果もあり、経過は良好で、来週にも第2回目の抗がん剤治療が開始できそうです。副作用により、髪の毛は抜けてしまいましたが、目の痛みや不快感が解消されているようで、とても機嫌がよく、ビサヤ語でたくさん話ができました。当団体より寄付をしたペンを、いつも宝物のように持ち歩いています。



<3月30日>
緊急で輸血が必要とのことで、当団体に親子でお金を取りに来ました。目の状態ですが、眼球が落ちそうな状態になっています。交通費と輸血代、そして、真夏の暑さで少しぐったりしていたので、風通しの良い帽子と服も寄付しました。


<3月25日>
抗がん剤治療の後遺症により、2度の輸血治療が必要になっています。

フィリピンでは、病院にストックされている血液が少ないうえに、ジェームス君の血液型はB型のため、輸血のための血液確保が非常に難しいのです。本来、ドナーを病院に連れて行く必要がありますが、ジェームス君の近所の人々は、貧困地区でドラックユーザーなどもいるるため、安易に血液の提供を求めることはできません。また、B型であれば誰でもマッチするわけではないため、スクリーニングテストが必要です。このテストにも、貧困層にとっては高額な費用が掛かります。
ジェームズ君の容態は、初めて彼に会った時から比べて、目に見えて元気になっています。前回、ジェームス君は私たちに「僕は自分の名前が書けるから、紙とペンが欲しい」と言ってきました。そして、「病気が治ったら、僕は学校に行きたい!」と訴えていました。
そこで、まずは今回、ノートとペンをジェームス君に提供しました。私たちは、お金だけの支援ではなく、彼の「勉強したい意欲」=「生きる意欲」を応援していきたいと思っています。


<3月21日>
第一回目の抗がん剤治療を終え、無事に一時帰宅を許可されました。眼の腫れは少し引きましたが、抗がん剤の副作用による吐き気、倦怠感が続いています。また、白血球が低下しており、緊急に輸血を行いました。



◆ これまでの支援内容 ◆

・避難所で少しでも衛生的に生活するための支援
大きな蚊帳・子供用ウェットティッシュ・コットン・消毒液・新品のシーツ
新品のタオルなどを購入しました。
・治療に必要な薬の購入
・第1回目抗がん剤(4種類)と副作用の症状を緩和するための薬の購入
・入院費用の負担
支払いを済ませなければ、家に帰ることができませんでした。
・抗がん剤投与後の血液検査と輸血にかかる費用の負担

◆ 今必要とされている支援 ◆

・第2回目以降の抗がん剤費用とその際の入院費用
・日常的にかかる薬の費用
・避難所での生活を少しでも衛生的に保つための費用
・両目の摘出手術にかかる費用

抗がん剤治療が終わり次第、今後の転移を防ぐため、眼球の摘出手術が
必要です。
・緊急時の入院費用・移送にかかる費用等


◆ これまでの経緯 ◆

● 火災被災地では、貧困と火災による2・3次的な問題が深刻化しています。

その中でも「ジェイムス君一家の問題」は、命にかかわる非常に深刻なものです。

ジェイムス君は生まれつき小児がんを患っており、生後間もなく片目を失明してしまいました。それでも、片目は見えていて、元気に生活をしていました。

しかし、一か月前にもう片方の目に炎症が起きてしまいました。このままでは両目の視力を失うため、両親は病院に連れていくことを決めました。そして親せきや友人からお金を借りることで、何とか治療費をかき集めることが出来たのです。

しかし、なんと病院に連れて行こうとしたまさにその日に、あの大規模火災が起きてしまったのです。

治療のためにかき集めたお金は、4人の子供たちと両親が生きていくために使うことになってしました。

幸いにも、近所の人々の助けを得て、ジェイムス君を含め、4人の子供たちは無事に避難することができましたが、その後の避難生活は、ハエや蚊も多く、洗濯もできない不衛生極まりない生活です。そして炎症はさらに悪化し、現在のような状態になってしまいました。

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ジェームズ君が貧困家庭の子供でなければ・・・

あの日の火災がなければ・・・

病院で治療を受け、こんなにひどい状態になることはなかったはずです。

貧困が故に、そして火災が起きてしまったが故に、彼は病院に行けない上に、不衛生な避難所でじっとお金が集まるその日を待つしかありません。化膿して膿が流れる目には、沢山のハエが集り、汚れた手でそれをはらっています。

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私たちにできることは何なのか・・・

スタッフ一人一人がそれぞれ考えました。

このような状態の子供は、ジェイムス君だけではない。

セブ、フィリピン、そして世界を見れば・・・
もっと大変な状況の子供たちはたくさんいる。

たまたま出会った子供だけ、助けるのか・・・
または、何もしないでいるのか。

様々な葛藤はありますが、苦痛に顔をゆがめる子供がいて、その子供に何もしてあげられず苦しむ親の顔を見て「何もしない」という選択はできません。
とりあえずその日のうちに大きな蚊帳と、子供用ウェットティッシュ、コットン、消毒液、新品のシーツ・新品のタオルなどを寄付いたしました。

すぐにでも、病院に連れて行ってあげたかったのですが、私たちには治療にかかる全ての費用を負担できる約束はできません。

私たちがジェームス君に出会った翌日、お父さんがジェームス君を連れて、教会にお祈りに行きました。そこで、とある地元の富裕層と思われる方が、「病院に連れて行かなければダメだ!」と、彼を私立病院に連れていき、そのまま入院となりました。

病院での検査の結果、彼は重度の肺炎を併発しており、さらに栄養も不足していました。そして、すぐにでも抗がん剤治療が必要ですが、まずは体力の回復が必要な状態でした。

火災被災地の不衛生な環境から、病院に入院できたことは、非常に喜ばしいことではありますが、話はそんなに単純なものではありません。

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その富裕層と思われる方は、「入院に必要な一時金は病院に預けてあるから、お金が必要な時は、また連絡するように」と言って、病院を去りました。しかし、それから数日後、なかなか連絡が取れなくなってしまいました。そして、最終的には入院費のほんの一部だけを病院に支払い「あとは自分で何とかするように」と家族に伝え、連絡を絶ってしまいました。

幸いなことに、1週間の抗生剤の投与が効き、肺炎は改善されました。また、今まで痛みと不快感で眠ることができませんでしたが、炎症の処置も行われ、ぐっすりと眠ることができるようになりました。そして、やっと抗がん剤の治療がスタートできるほど回復しました。

しかし、ここでもやはり問題になるのが「お金」です。

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入院費用の滞納に加え、薬代が一家に重くのしかかってきます。

現在、一家の収入を支えているのはお母さんです。お父さんは、容態の安定しないジェームス君に常時付き添っていなければなりません。お母さんの仕事は、マッサージ師です。お客さんがいる時だけ、仕事がある非常に不安定な仕事です。1日の給料はたった300ペソ程度(約750円)で、毎日働けるとも限りません。そこから他の3人の子供たちの世話をしてくれている近所の方への謝礼と、食費・生活費を賄わなければなりません。火災ですべてを失った一家に、貯金などあるわけがありません。

そんな中、日々入院費用として、ベット代約1,000ペソと薬代、処置代が2,000ペソ以上、合計で3,000ペソ(約7,500円)がかかります。また、抗がん剤治療には、薬代だけで30,000ペソ(約75,000円)がかかります。

しかし、この治療を始めなければ、

彼は3歳にして「死を待つしかない」のです。

3歳の子供にとって、抗がん剤治療はとてもつらいものです。しかし、脳がしっかりしている彼の口からは「お腹すいた、ご飯が食べたい」「家に帰りたい」など、生きようとするエネルギーがひしひしと伝わってきます。両親も、愛する息子にどうにか生きるチャンスを与えたいと、金策に走っています。

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しかし、彼には時間がありません。私たちは悩みました。何か策はないか、いろいろな人に話を聞き、情報を集めました。しかし、彼のように公立の病院では処置できない症例に関しては、支援をしてくれる制度はありません。

児童福祉局や政府の支援は、すでに申請を出していますが、回答が来るまでには気が遠くなる時間がかかります。その間にも、彼のがんは日々悪化し、転移していきます。

この国では、そうして「お金がないから助からなかった命」がたくさんあることを改めて感じました。そして、今も同じ苦しみを抱えている家族がたくさんいるのも事実です。

病と貧困に苦しむすべての人を助けることは、私たちにはできません。
しかし、目の前にいるジェームス君には生きてほしい!!

DAREDEMO KIDSのためのご支援金をこちらに使うわけにはいきません。今回、悩みに悩んだ結果、当団体代表(HIRO)の個人で、第一回の抗がん剤治療の費用を負担することに決めました。個人の力で、どこまでできるかわかりませんが、一時を争う今、私たちに出来る唯一の選択でした。

早速抗がん剤治療を始めるため、病院を訪問しました。
ここで、日本では信じられないフィリピンの医療制度がまた浮き彫りになりました。
抗がん剤治療を1日も早く始めなければいけないと、医師が言いながらも、病院にはその薬がないのです。

そのため、昨日は4時間以上病院の周辺の薬局、他の大病院、製薬会社を周り、やっとのことで薬を手に入れ、治療を開始することができました。

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しかし、まだまだ問題は解決できていません。
日々かさむ入院費用。2度目、3度目の抗がん剤治療。最終的に患部の摘出手術。家族の生活。

「かわいそう」と安易に短期的な支援をすることは簡単です。
しかし、そのような自己満足的な支援で、家族に希望を与え、最終的にその希望を踏みにじるようであれば、初めから関わらないことが「優しさ」なのかもしれません。

貧困支援も同じです。
人の人生に関わるということは、簡単なことではありません。
関わったからには、自分たちの肩に、その人の人生を背負って生きていくということです。

まだまだ自分たちに出来ることが何なのか、答えは見えていません。
しかし、こうしてジェームス君の人生に関わった以上、最後まで自分たちの最善を尽くしていきたいと思います。

そして、このように子供たちや家族を苦しめる貧困問題を1日でも早く解決できるよう、DAREDEMO HEROの活動に力を入れていきたいと思います。

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