「もって数ヶ月の命」と言われていた小児がんのジェームス君。出会ってから1年が過ぎた今も、皆様のご支援により元気に生活しています!!
これまでの流れ
DAREDEMO HEROではこれまでにも様々な火災地区で支援活動を行ってきました。そのひとつで出会ったのが小児がんのジェームス君です。避難所の不衛生な環境のなか、患部の化膿が悪化し命が危ない状況でした。私たちは「助かる命は助けたい!」という想いで、皆様のご支援を受け、ジェームス君の医療支援を行っています。
ジェームス君のこれまでの様子はこちらをご覧ください。
表情の変化
私たちがジェームス君と出会った当時は、痛みと不快感のため、彼はいつもつらそうな表情で泣いていました。その後の長い抗がん剤治療の間も、高熱と吐き気がひどく、いつもぐったりとしていました。
しかし今回彼の家を訪問すると、とても穏やかな表情でフィリピン人スタッフの膝に乗って、一生懸命おしゃべりをしていました。抗がん剤治療も眼球の摘出手術も終わった今、やっと子供らしく無邪気に遊べるまでに回復しました。
家族の状況
これまではお母さんが家族の家計を支え、お父さんがジェームス君と他の子どもたちの面倒を見ていました。しかし、お母さんの働くマッサージ店で、給料や保険料の未払いなど様々な問題があり、働き続けることが難しくなってしまいました。現在は、お父さんがドライバーのアシスタントとして働き、お母さんが子どもたちの面倒を見ています。しかし、お父さんの収入は1日働いても1,000円にも満たないため、家族6人の生活は非常に厳しい状態です。
今後の治療計画
ジェームス君の次の治療として、左目の摘出手術を予定しています。当初は視力を取り戻す可能性を信じて、摘出をしませんでしたが、検査の結果左目も回復の見込みもなく、右目同様化膿したり癌が再発したりとリスクが高いため、命を一番に考え左目の摘出が必要と判断しました。
ジェームス君の今後
ジェームス君は、来年には幼稚園に入学する年齢になります。しかし、日本のように障がい者に対する支援や特別教育が進んでいないフィリピンでは、ジェームス君のように貧困層で障がいがある場合は教育を諦めてしまうことが多いです。
しかし、ジェームス君は出会ったころから「学校に行って勉強がしたい」と私たちに話してくれています。家庭の貧困、障がいによって教育の機会が奪われることなく「勉強したい!」という意欲のある子どもたちには平等にその機会が与えられる国に、ここフィリピンも変化していってほしいと思います。