フィリピンのいくつかの市でロックダウンが解除されることになりました。今回はロックダウンが解除されてから取られるフィリピンの対策をお伝えします。
General Community Quarantine(GCQ)へ
現在、フィリピン全域で発令されているのがEnhanced Community Quarantine(ECQ)と呼ばれるもので、これが「ロックダウン」になります。
しかし、いくつかの感染拡大の可能性が低い市ではこのECQを解除し、General Community Quarantine(GCQ)に5月1日から移行するという発表がありました。
残念ながら、子どもたちが住んでいるセブ市やフィリピンの首都であるマニラでは5月15日までロックダウンが延長されることが発表されていますが、このGCQとECQの違いは何でしょうか。今回はGCQの内容をお伝えします。
公共交通機関やモールの再開!?
GCQになった場合、ECQより制限は緩和されます。公共交通機関(ジープなど)は再開、工場での生産開始、モールの娯楽設備(ゲームセンター)以外で、一部分、お店のオープンなどが発表されています。
公共交通機関は満員まで入れるのではなく、人数制限を設けるらしいです。しかし、今のところ正確な定員は決まっていません。モール内の一部分のお店がオープンされるというのも、どのお店が再開されるのかは正式に発表されていません。
工場はECQの場合、必要性が高いもの(消毒用のアルコールや食料などの生活必需品)は生産が可能でしたが、必要性が低い物の生産は許可されていませんでした。しかしGCQの場合、必要性が高くないものでも生産が許可されたました。
このように全部ではありませんが、部分的に工場やモール、交通機関を再開し始めるのがGCQです。
しかしGCQ下になっても0歳から20歳までと60歳以上の人は外出が許されていないため、学校は全面休校の措置が取られたままです。現在、教育省は9月からの授業再開を検討しています。
GCQに移行になる理由の1つ
このような対応がとられることが決定した1つの理由として「経済活動の再開」があります。今まで、必要最低限の施設(スーパーマーケットまど)や必要最低限の工場だけが稼働していました。
しかし現在に至るまで、フィリピン政府やバランガイ(最小自治区)は様々な政策を発表し、働くことができなかった人々に物資を配給していました。
フィリピン政府やバランガイ(最小自治区)の政策はこちらをご覧ください。
→新型コロナウイルス感染症によるロックダウン~フィリピン貧困層の今~
しかし、フィリピンの財源にももちろん限界があります。そこで、今回この「GCQ」を発表し、新型コロナウィルス感染症の拡大リスクが低い地域で、できる限りの生産や消費を増やしていこうと考えたのです。
セブ市は5月15日までロックダウンが続きますが、ロックダウンが解除された後に「GCQ」に移行するかもしれません。そのためにもGCQ下の人々の生活に目が離せません。