先日、Signal1が発令され子どもたちの学校が休みになりました。そのSignalとは一体なにかご説明します!
Signalとは?
Signalとは日本で言う暴風警報のことです。Signal1~Signal4まであり、番号が大きくなるにつれ予想される被害が深刻になります。
ご覧通り、予想される被害で指標となるものが、バナナの木やココナッツプランテーションなどフィリピンならではのものになっています。ちなみに、日本で気象庁が発令する暴風警報は、東京都新宿区を例にとると、風速90kph、フィリピンのSignal2から発令がされます。
貧困層への被害
上記の指標で注目していただきたいのが、軽い素材で作られた家です。
フィリピンでは日本のようにほぼすべての家がコンクリートなどの丈夫な素材で作られているわけではありません。特に貧困層は、コンクリートで家を建てるのはとても費用がかかるので、木やトタンを使用して家を建てています。そのため、たとえSignal1だからといって侮ることはできません。貧困層の人々の家は、Signal1の状態であっても、被害を受ける可能性は十分にあります。
そして、もし被害を受けてしまった場合、経済的理由からすぐ修復ができるわけではありません。また、貧困層の集落は川や海などの水辺に形成されることが多いため、洪水や津波の危険もあります。このように貧困層の人々は、自然災害の面において常に危険と隣り合わせで生活をしているのです。
台風発生時の緊急支援
フィリピンは台風がよく発生します。当団体は台風によって甚大な被害を被った地域に対して、緊急支援を行っています。
台風ヨランダ
2013年11月8日、セブ島の隣のサマール島・レイテ島に台風ヨランダが直撃しました。死者6,000人以上、行方不明者2,000人、負傷者28,000人以上の被害が出ました。当団体は、被災中心地であるレイテ島のタクロバンにどの団体よりもはやく支援を始めました。そして、タクロバンにユニセフや赤十字の支援が開始されると、当団体は何をするのが最善なのかと考え、「同じ被害を受けているが支援が後手に回る地域」で、「時間と共に変化する必要物資を直接支援」をすることにしました。
このように、当団体では「最も必要な場所に、必要なものを、一番いい形で届ける」のをモットーに様々な支援を行っています。
休校の分の補講
上記の通り、フィリピンでは台風が頻繁に発生し、かつ、家の材質などが原因で少しの風でも被害を受ける可能性がある事から、日本よりも厳しい基準でSignalが発令されています。さらに学校は、Signal発令のたび休みになります。子どもたちの安全を考えれば、必要な対応ではありますが、今回はSignalが発令されたにもかかわらず、雨ひとつ振りませんでした。
こうして休校となった分の授業は、学期末に週末を利用して補講が行われます。この補講の情報も突然発表されるため、家庭の事情等により参加できない子どもたちもいます。子どもたちの安全と学習面両方のためにも、今後さらに気象予報の技術が進み、より正確なSignalが発令されることを期待しています。