10月5日は世界教師デーです。フィリピンでもそれぞれの学校でお祝いが行われていました。日本では意識することのない世界教師デーとはいったいどんな日なのでしょうか?
世界教師デーとは、1994年にユネスコが制定した世界中で教師に感謝する日です。また、教師の育成と支援を呼びかける日としての役割もあります。現在、世界100か国以上で世界教師デーのイベントが行われています。
フィリピンでは教師は尊敬される職業で、子どもたちの将来の夢ランキングでは常に上位に入っています。世界教師デーにあわせて、このようなイベントを行うことが、教師が尊敬を集めることに一役かっているのかもしれません。実際にどのようなイベントなのかを見ていってみましょう。
いつもと違う校門前
今日は校門前に子どもたちから教師に贈るための花を売る人々がいました。生花も作り花もあり、一束10ペソ(約25円)から買うことができます。とくに花の種類に指定はなく、バラもあれば、カーネーションもあります。
学校中を飾り付け!
今日は授業はなく、世界教師デーのお祝いだけが開かれます。そのため、子どもたちは前日から学校中を飾り付けます。各クラスが趣向を凝らして作った飾り付けは、どれも素晴らしいものでした。クラスによっては、先生の写真を拡大して教室の前に掲示していたクラスもありました。
飾り付けから見える格差
上の写真は、タランバン小学校のサイエンスクラスという、頭のいい子どもたちのクラスがある建物の飾り付けです。DAREDEMO KIDSも多数サイエンスクラスに所属しています。サイエンスクラスはレギュラークラスよりも課題の量が多い、学びを深めるために参加が必要な行事が多いなどの違いがあります。つまり、レギュラークラスよりもお金がかかります。
課題が提出できなかったり、行事への出席率が低いと、レギュラークラスへの移動となってしまうため、貧困層は頭が良くても籍を維持することが難しいのです。当団体では課題をしっかり提出し、行事にもすべて参加できるように、奨学金を提供しています。
したがって、サイエンスクラスの子どもたちの家庭は比較的裕福であることが多いです。下の写真はサイエンスクラスの校舎とレギュラークラスの校舎を比較したものです。このような行事は、基本的に家庭からの集金で成り立っているため、サイエンスクラスとレギュラークラスの差は一目瞭然です。学校内にすらこのような格差が存在しています。
感謝の心
子どもたちの先生への感謝の気持ちや尊敬の気持ちはどのクラスも同じです。教室内の黒板を一生懸命装飾している子の姿をどの教室でも見ることができ、勉強を教えてくれてありがとうという気持ちがどのクラスを覗いても、ひしひしと伝わってきました。そして、DAREDEMO KIDSたちは私たちにも「HAPPY TEACHER’S DAY!」と言ってくれ、非常にうれしくなりました。他者に感謝をする心をもって、子どもたちには成長していってほしいと思います。