少しずつ規制が解除されているフィリピンで、新たに大きな問題が発生しています。

食糧不足で飢えている人々の割合

ABS-CBNはSocial Weather Stations(SWS)が調査したところによると、「フィリピン家族の16.7%が飢えに苦しんでいる」という調査結果がでたと発表しました。
2019年度の12月時点で全世帯の8.8%が「飢えに苦しんでいる」という数値でした。新型コロナウィルス感染症が原因で約2倍も数字が上昇してしまいました。(参照元:ABS-CBN

貧困層の人々の中には家を持たず、路上で生活をしている人、居住地区として認められていない場所で生活をしている人もいます。そこからSWSの調査結果以上の人々が「飢えに苦しんでいる」と考えます。
分かっているだけで、以前より約2倍の世帯が飢えているという現状は、フィリピンの「貧困問題」がより深刻になってしまったことを意味します。
そしてフィリピン人は食糧不足、飢えに苦しめられ、このような声をあげています。

「PATAY NA SA GUTOM DI SA COVID-19(新型コロナウィルス感染症ではなく飢えにより死んでしまう)」

General Community Quarantine(GCQ)に移行する意図

感染リスクが低いと判断された地域ではGeneral Community Quarantine(GCQ)へ移行しています。GCQになるとEnhanced Community Quarantine(ECQ)、いわゆるロックダウン(隔離措置)よりは規制が緩和されます。各市はこのGCQへ移行する為に新型コロナウィルス感染症の拡大を防ごうと様々な対策、政策を発表しています。

GCQに移行する大きな目的の一つが「経済活動の再開」です。GCQ下ではモール内の一部のお店が再開されることが許されています。また、生活に必要な物以外の生産工場なども再開が許されています。そこで働く従業員の人数を定め、生産を増やし雇用を増やします。その「少しでも経済を動かしていく」というフィリピン政府の意図がGCQにはあります。

しかし、いかにルールを設けても外出や人との接触は増えます。その為、フィリピン政府はGCQ下の人々の行動を監視し、次々に規則の変更、導入を発表しています。


モール内も入る人数が制限され、待機場所が作られているところもあります。

「経済」か「安全」か

「経済」を優先すれば、人と人との接触、外出は増え、新型コロナウィルス感染症の感染リスクは増大します。しかし「安全」を取り、ロックダウンを実施し続ければ、より多くの人が飢えに苦しんでしまいます

セブ市は5月31日までのロックダウンとなっています。フィリピン政府はセブ市を6月1日からModified Community Quarantine(MECQ)にすると発表がありました。しかし、セブ市長はこれを受けGCQにして欲しいと要請しています。

「経済」をとりGCQにするか「安全」をとりMECQにするか、この問題はフィリピンだけでなく全世界が直面している問題です。両方を守ることは容易なことではありません。しかし、どうにか感染拡大を防ぎながら、経済活動の再開が果たされることを祈るしかありません。