12月16日(木)にセブ島に上陸した大型台風22号「ライ(比名:オデット)」
セブ島を含むビサヤ地区全域で甚大な被害が出ています。

コロナからの2重苦

2020年3月、新型コロナウイルスにより長期的なロックダウンを始めたフィリピン。
観光を主な産業とするセブでは、大きなダメージを受けました。そして、今月ようやく「外国人の受け入れが再開される」というニュースが流れた矢先に、オミクロン株の影響で全て中止。

そんな中でも、クリスマスや年末年始、家族とささやかに過ごすことを楽しみにしていたフィリピン人に、スーパー台風ライが襲撃しました。

スーパー台風ライ

16日の夜は、今までに経験したことのないような強風と豪雨で、周囲の木々や電柱がなぎ倒される音、トタン屋根や鉄筋が飛ばされ、壁にぶつかる音などに怯えて、停電の中不安な一夜を過ごしました。

外が少しずつ明るくなり、被害のすさまじさが見えてきました。

道にはどこから飛んできたか分からないあらゆるものが散乱し、木々のほとんどがなぎ倒され、電柱の多くが折れてしまっていました。さらに、割れたガラスが散乱し、見るも無残な状況でした。

 

災害時にまずやるべきこと

夜も明けきれないなか、幸いなことに数名のスタッフが事務所に出勤してきてくれました。まずは、お互いの安否を確認し、早速支援計画を立てました。

長期的な支援が必要になることを予想し、以下の3点をまずは確保するために動きました。

  1. ガソリン
  2. ジェネレーター
  3. 水(飲料水・生活用水)

ガソリンは、多くのガソリンスタンドが営業できない中、幸いにも事務所の隣のガソリンスタンドが開いており、すぐに満タン入れることができました。日を追うごとにガソリンの入手は困難になり、5日がたった今もガソリンを購入するためには5時間以上並ぶ必要があります。さらに、一度に購入できる量が制限されており、備蓄もできない状態になっています。


ガソリンスタンドはどこも長蛇の列ができています

ジェネレーターは、周辺のホームセンターが開いていなかったため、瓦礫をかき分け、バイクで旧市街地まで行き、2つ確保することができました。

水は、スーパーが開くと同時に購入し、無事に並ばずに購入することができました。

まずは、現状把握

ありがたいことに、スタッフ自身自宅が被災しているにもかかわらず、全員が翌日出勤をし、支援活動にスタートすることができました。

18日に予定していた、クリスマス会は延期を決定し、予算をすべて支援に回すよう準備しました。
とにかく、現状把握が第一です。奨学生全員の安否確認、被災状況の把握、さらに支援地区の状況を確認するために、まだ瓦礫が散乱する中、車を走らせました。

奨学生、支援地区共に家屋には大きなダメージがありましたが、幸い全員が無事であることが確認できました。


アンドレアの家には巨大な木が倒れてきました

翌日の支援に備え、必要な支援物資を購入し、さらに避難所にいる人々のためにジェネレーターを使い、充電基地を開設しました。

台風22号緊急支援スタート

必要な支援はたくさんあっても、まずは「できること」から始めるしかありません。
購入できた支援物資や、奨学生のクリスマスプレゼント用に購入していた食料を、支援地区で配布。さらに、移動式で充電基地を開設しました。

 

しかし、ここで問題がありました。
木曜日に発災し、翌日金曜日は銀行が開いておらず、週末は銀行が閉まっています。手元にある現金が限られており、クレジットカードや電子マネーも停電のため使えません。さらに、この時すでにATMは10時間待ってもお金が下ろせないという状態でした。

限られた現金で、何ができるか、しっかりと優先順位をつけて活動していく必要があります。

幸い21日(火)になって、銀行窓口で活動資金を下ろすことができ、早速奨学生に緊急一時金を支給することができました。

そして、もう一つの大きな問題が「飲料水」です。
生活用水すら数時間並ばないと確保できない中、飲料水の確保はもっと深刻です。水道水を沸かせば飲めることは知っていますが、水を沸かすためのガスが買えない貧困層が多いです。

水を求めて、半日かけて市外を走り回りましたが、被害はセブ全域にわたっており、どこに行っても水もガソリンも入手できませんでした。途方の暮れているとき、一本のメッセージを受信しました。

「QQ ENGLISHの浄化装置が動かせるようになったから、飲料水を困っている人に分けてあげてください」

日頃より大変お世話になっている、QQ ENGLISH藤岡代表からのメッセージでした。藤岡代表自身も、ご自宅及び語学学校で大きな被害を受けているにもかかわらず、地域の人々のために、貴重なお水を分けてくださいました。
お陰様で、奨学生に飲料水を配布することができました。

今後の支援

今回の支援は、長期戦になります。しっかりと計画を立てて、復興支援を行っていく必要があります。さらに、被害があまりにも大きいため、被災者全員を助けることはできません。

その中で、まずは奨学生の安全を確保することが最優先です。
水と食料の確保に加え、被災状況に応じた現金支給を行い、被災以前の状態に戻すことが第一です。

次に支援地区の約400世帯の支援です。今後の義援金の額に応じて、彼らにも家屋の修繕を支援していきます。来年から新たにラーニングセンターをスタートする予定だった、ラプラプのゴミ山にあるチャペルも全壊してしまったため、建て直しが必要です。

さらに、山岳農村地区も非常に厳しい状況です。
ロックダウンにより収入が激減し、そこからやっと立ち直り始めた矢先に、この台風で大切に育ててきた野菜が全滅してしまいました。野菜は、また一から植えなおし、収穫ができるようになるまでに最低でも3か月はかかります。その間、現金収入が途絶えてしまいます。
こちらも、農家全員を助けることはできませんが、当団体の事業の一つである、マイクロファイナンスのメンバーに対して、一時金の配布と、農業の再開に必要な種子や肥料の現物支給を行っていきます。


収穫直線のトウモロコシが全てダメになってしまいました

最後に、マリンスポーツをはじめとする観光業の支援です。
2年近く観光客がいない中、どうにかギリギリの状態で頑張ってきた観光業は、今回の台風で、再起不能な状態です。特に、マリンスポーツ関係は、沖に停泊していた船が全壊してしまいました。飲食業も、観光客がいない中、ここまでどうにかこらえてきましたが、店舗のダメージに加え、長期間の停電により、大切な食材なども全て失ってしまいました。

産業がなくなれば、雇用がなくなり、現地の人々の生活はさらに悪化していきます。何ができるか分かりませんが、ネットワークを広め、私たちにできる支援方法を模索していきたいと思っています。

ご支援のお願い

やるべきことはたくさんありますが、まずは自分たちにできることを実行していくしかありません。これらすべての支援には、皆様のご支援が必要です。

大変ありがたいことに、3月20日現在、454名の皆様から6,618,237円のご支援を頂くことができました。

これまでに5度に分け、600万円をNPO法人DAREDEMO HEROから、現地法人DAREDEMO HERO INC.に送金し、支援活動に充てさせていただいております。

・物品購入費(発電機・浄水システム・ソーラーライト等) 712,379.00 ペソ
・山岳農村地区農業再建事業(種代・肥料代) 655,948.00 ペソ  
・ラーニングセンター修繕費用  360,000.00 ペソ          
・奨学生への一時金(家屋修繕及び緊急食糧用) 253,000.00 ペソ
・支援物資(缶詰・お米・毛布等) 257,027.48 ペソ
・ガソリン代及び交通費   38,404.93 ペソ
・現地パートナー謝金  3,800.00 ペソ
・台風支援プロジェクトスタッフ人件費  26,613.45 ペソ         
・雑費(垂れ幕等) 21,012.00 ペソ

合計2,328,184.86ペソ(5,303,952円)を使わせていただきました。

引き続き、離島や山岳地域の「支援が行き届かない地域」への緊急支援を続けると同時に、農家や漁師の自立支援を進めています。

更に台風により、半壊してしまったラプラプゴミ山のラーニングセンター、台風直後に近隣の火災により全焼してしまったイナヤワンゴミ山のラーニングセンターの再建を行っています。

引き続き、皆様のご支援、および情報の拡散をよろしくお願いいたします。

1,000円からクレジットカードで出来る支援

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行からお振込み
記号番号:14350-77030341
なまえ:トクヒ)ダレデモヒーロー

他銀行からお振込み
店名:四三八(読み ヨンサンハチ)
店番:438
貯金種目:普通預金
口座番号:7703034

※ゆうちょ銀行に直接お振込みいただく場合は、info@daredemohero.com(内山)までご連絡お願いいたします。


国際緊急援助隊を経験された、セブ総領事事務所川﨑総領事のアドバイスをいただきながら活動を行っています

QQ ENGLISH様のウエビナーで京都芸術大学教授、一般社団法人SDGs英語教育研究所理事本間正人先生にインタビューしていただきました。

ラジオ番組、水曜スペシャル高野美穂の「おためし」で現地の様子をお話しさせていただきました。

最新活動報告


12月24日:事務所周辺の被災者500世帯に支援物資を配布


12月26日:イナヤワン地区に飲料水の浄化システムを寄付しました。


12月28日:発電機が一つもない役場に、大型発電機を寄付しました。


12月28日:支援地区に飲料水を届けました。

年末年始:各支援地区にお米、缶詰、飲料水を届けました。


山岳地区に充電基地を設置しました


山岳農村地区での農業再建プロジェクトをスタートしました。


チェーンソーを使って家屋に倒れた木々の伐採サポートを行っています。


地域行政に寄付をした発電機で、大規模な充電基地が設置されています。


地域行政に寄付をした浄水システムを活用し、支援者に飲料水の配達を行っています。


体調不良を訴える子どもたちにマルチビタミンを配布


停電が続く地域に、ソーラーライトを配布


子どもたちに文房具セットを配布


農業再建プロジェクトが順調に進んでいます


支援地区の一つに200Mのブルーシートを配布


オランゴ島での聞き取り調査を行いました


前回の聞取り調査をもとに、オランゴ島の支援を行いました


支援農家が支援によって台風後初めて野菜の収穫ができました