フィリピンでの新型コロナウイルス感染症の大規模感染は、主に貧困住宅密集地域に集中しています。そして、今セブでも最悪の事態が起こっています。

アジア最大級のスラム地区(マニラ・トンド地区)を襲うコロナウイルス

フィリピンはアジアで初めて、ロックダウンを行った国です。そして、フィリピン国内で初めにロックダウンが行われたのは、首都マニラを有するルソン島です。
マニラは、フィリピンの首都として目覚ましい経済成長を遂げていますが、その反面アジア最大級のスラム地区トンドも存在しています。

 
マニラ最先端都市のマカティとアジア最大級のスラム地区トンド

このトンドで、200人近い大規模感染が発生し、5月3日に「ハードロックダウン」という措置を行いました。小さなバラック(小屋)が密集したスラムエリアに、多くの貧困層が不衛生な環境の中で生活しています。貧困地区での大規模感染は、フィリピンの人々に新たなる恐怖をもたらしました。

セブの貧困地区

現在、セブ島全域で1,000人以上の感染者が確認されています。トータルロックダウンが行われ、既に新規の検査が行われていないZapatera地域を含むバランガイLUZの感染者は、193人と発表されています。(5月5日時点)

そんな中、バランガイSubaという地区で5月2日に新しく109人もの感染者が確認されました。5月1日までの感染者は15人と比較的感染リスクが低いとされていた地区ですが、5月2日に大規模感染が確認され、周辺住民は一気に恐怖に震えることになりました。

そして5月5日にバランガイSubaに入るための道が完全封鎖されました。今まで、チェックポイント(検問所)はいたるところに設置されていましたが、今回のように道が完全に封鎖されることはありませんでした。

バランガイSubaに暮らしている人々のほとんどは貧困層の人々です。道路が完全に閉鎖されたことで、中で暮らす人々の生活がどうなってしまうのか、不安が募ります。

新たに1つのバランガイがロックダウン

今現在、セブ市内で最も多い感染者数を記録しているのが、バランガイSuba近くに位置するバランガイMambalingです。2日前に、このバランガイMambalingの一地域であるSitio Alaskaで新規に108人の感染者が発見されました。

この現状を受け、セブ市長がバランガイMambalingの一部であるSitio Alaskaのロックダウンを5月6日に発表しました。

この地区は、目の前にアジア最大級の売り場面積を誇る巨大ショッピングモールSMシーサイドがあり、セブ島と空港のあるマクタン島をつなぐ第3の橋が建設されているすぐ近くの場所にあります。

この地区も、セブ有数の貧困住宅密集地で、非常に不衛生な場所にたくさんの人々が住んでいます。普段から栄養状態、衛生状態が良くないこの地区で感染が拡大すれば、非常に深刻な事態に発展します。

貧困層の未来

このように、現在フィリピンの多くの貧困地区が、大規模感染の恐怖にさらされています。

この問題が発生する以前から、彼らはまさにギリギリの生活をしていました。ロックダウン措置により、貴重な収入源も立たれ、さらに追い打ちをかけるように、トータルロックダウンで自由も奪われています。

彼らは「感染の恐怖」「飢えの恐怖」に怯えながら生活しています。

行政の支援は様々な問題があり、なかなか必要としている人々の手元に届きません。さらにその行政の財源も底をつき始めています。
貧困層がこの問題を乗り越えるためには、いったい何が必要なのか、、、誰にも答えがわかりません。