2022年から3年間、 味の素ファンデーション様の助成を受け、フィリピン人の食に関する実態調査及び、栄養改善を行っていきます!
事業の背景
DAREDEMO HEROでは、コロナ禍で最貧困層への緊急支援を続けてきました。その中で浮き彫りになったのが、貧困層の栄養問題です。貧困層の日々の食事を目の当たりに、このような食生活では子どもたちの健康は保てないと確信しました。
そこで、2021年度は1年間、地域の栄養ボランティアや保健指導員と共に、栄養や衛生に関するセミナーを毎月開催してきました。しかし、セミナーを行うたびに、理想とすべき食生活の実現には多くの壁があることが浮き彫りになりました。
▶これまでの取り組みは「こちら」をご覧ください。
理想と現実のギャップ
「野菜を食べなさい」「ジャンクフードは食べないように」と、伝えることは簡単です。しかし、限られた予算の中で、お米を買うお金を野菜に使ってしまっては、貧困層は逆に栄養失調に陥る危険性もあります。お墓に暮らす人々にとって、墓参者から施されるジャンクフードは、唯一子どもたちの空腹を埋めてくれる大切な食べ物です。
自分たちの常識や、通説を押し通しても、最貧困層の生活にはフィットしません。
さらに、フィリピンでは油ものが多く食べられているイメージが強かったのですが、正式な栄養調査では脂質が低いため、全体の栄養バランスが崩れていることも分かりました。
まずは実態調査
当助成金事業では、まずは300世帯に対する実態調査を実施します。調査は現地からセブ医大John Rafael Aranas教授、日本から広島修道大学 健康科学部 健康栄養学科 管理栄養士の栢下淳子教授の指導の下、両大学で栄養学を学ぶ学生の協力を得て進めていきます。
さらに言葉の壁を乗り越えるために、同じく広島修道大学人文学部で通訳コースを指導する石塚浩之教授と学生の通訳サポートを頂きます。
正確なデータをもとに、日比の管理栄養士が問題点を見つけ、限られたお金と限られた食材で実現可能な改善策を模索します。
より多くの貧困層の栄養改善を目指して!
DAREDEMO HEROでは、「貧困層が自ら問題を解決する力を付ける機会を提供する」ということをVISIONとして掲げています。このプロジェクトでも主役は現地の人々でなければなりません。
より多くの貧困層の栄養改善を行うために、貧困層に直接改善策を伝えていくだけではなく、地域で栄養指導を行う、各バランガイ(最小自治区)の栄養ボランティアと保健指導員のレベルアップを図っていきます。彼らが自分たちの力で地域の栄養改善指導が可能になれば、多くの貧困層にリーチすることができます。
最終的には3年間かけて導き出した、具体的かつ実現可能な改善方法を資料にまとめ、セブ市全域のバランガイに配布し、セブ全体の栄養改善を目指します。