2022年7月3日、NPO法人DAREDEMO HEROで支援する子どもたちと保護者、総勢250人が集い、FAMILY DAYを開催しました。
目次
FAMILY DAYとは?
日本ではあまり馴染みのない「FAMILY DAY」ですが、フィリピンでは学校や会社などで定期的に行われるイベントで、生徒や社員だけでなくその家族も一緒に楽しむイベントです。今回は、3か所のラーニングセンターの子どもたちとその保護者、さらにHERO’S HOUSE1と2の奨学生とその保護者、スタッフ、総勢250人の大イベントとなりました。
今回のFAMILY DAYの目的は、DAREDEMO FAMILYのみんなが顔を合わせて、お互いを知ることでした。奨学生は、コロナ禍で顔を合わせる機会がめっきり減ってしまい、楽しみにしていたクリスマス会も台風で中止になってしまいました。そんな中でも新奨学生を迎え、新たな体制を整えています。
ラーニングセンターの子どもたちは、それぞれセブでも最貧困地区と呼ばれる地域に住んでいます。そんな子どもたちが、お互いを比べて優越を付けるのではなく、お互いが知り合ってそれぞれの地域の良さや、幸せを再認識してほしいと考えています。
そして、自分たちよりもさらに過酷な環境でがんばるラーニングセンターの子どもたちとの交流を通じて、奨学生が自分たちにできることをしっかりと考えて、未来のリーダーとなるために必要な力を付ける機会を作りたかったのです。
大家族の悩み
FAMILYが増えることはうれしことですが、大変なこともあります。まず、セブには無料で使用できる公園やビーチがないため、何かのイベントを行う際には必ず会場費がかかってきます。さらに、電車のないセブでは、大人数が安全に移動するにはバスを貸切るしかありません。そして、250人のお腹を満たすための食事を準備するのも大変なことです。
予算を考えると、実現不可能な金額になってしまい途方に暮れていました。そんな中、これまでにも継続的にDAREDEMO HEROをご支援くださっている、Imran siddiqui様と前田George拓也様、村中隆史様が、子どもたちが愛してやまないレチョン(豚の丸焼き)を食べさせてあげるためにセブにお越しになる!という朗報が舞い込んできました。これは、天からのGOサインだと解釈し、急ピッチで準備を進めました。
しかし、次に問題になるのが会場です。250人が安く利用できる施設は、すでに予約でいっぱいで、一人数百ペソするような会場しか見つかりませんでした。そこにまたしても救いの手が差し伸べられました。いつもお世話になっております、QQ ENGLISH藤岡頼光社長が、昨年のクリスマス会でもお借りしたシーフロントキャンパスを使ってもいいと仰ってくださいました!実は、この会場は昨年のスーパー台風で大きな被害を受け、やっと復興したところでした。
最後の難関は移動手段です。こちらも、提携行政地区や企業の支援を受け、無料のバスを全員分手配することができました!
レチョン(豚の丸焼き)生調理!
今回は、日本からお越しいただくご支援者様に、セブ名物のレチョン(豚の丸焼き)の調理方法を見ていただくためにも、会場で調理を行いました!3匹の立派な豚ちゃんたちが、こんがりジューシーなレチョンになるまで、約3時間、炭火でじっくりと焼き上げます。
白熱のダンスコンテスト
1日のプログラムの中でも一番盛り上がったのが、ダンスコンテストです。子どもたちが6つのグループに分かれて、この日のために1か月かけて練習してきたダンスを披露しました。それぞれのグループが思考を凝らしたダンスを披露してくれました。
動画の中にダイジェスト版がございますので、ぜひご覧ください!
みんなで力を合わせてゲーム大会!
フィリピンのFAMILY DAYに欠かせないのが、ゲーム大会です。フィリピン人が楽しむためには、高い道具や複雑なルールは必要ありません。みんなで何かをする!ただそれだけで楽しいのです!
ゲストさんも、保護者も、子どもたちもみんなではしゃいで笑いあいました。
日本から届いた支援物資が大活躍
限られた予算の中で、ダンスコンテストやゲームの賞品を購入することはできません。今回は、日本のご支援者様から頂いた支援物資の中から選りすぐりの品を、子どもたちの賞品として活用させていただきました。フィリピン流で、最下位のチームにもささやかな景品が渡され、勝ち負けではなく、お互いのがんばりを称えあいました。
一番のお楽しみ!プールタイム!
普段、ゴミ山や墓地で暮らす子どもたちにとって、プールで泳ぐことは正に夢のようなことです。さらに、QQ ENGLISH様がご準備くださった、泡泡マシーンで子どもたちのテンションは一気に最高潮に達しました。自由時間がスタートすると、子どもたちは一斉にプールに飛び込み、思いっきりはしゃいでいました。
未来のリーダーの姿が見えた1日
今回、改めて高学年の奨学生の成長を確認することができました。終日、お互いを知るために各ラーニングセンターと奨学生を混ぜたグループで活動をしましたが、各グループで年長の奨学生が、年少の奨学生だけでなく、ラーニングセンターの子どもたちや保護者までしっかりと取りまとめをしてくれていました。
あと数年で、年長の奨学生は大学を卒業して、社会に出ていきます。この優しさと思いやり、気遣いとリーダーシップ力があれば、必ず社会を変えるリーダーになれると確信を持つことができました。
感謝の気持ちを再認識する一日
今回のFAMILY DAYは、改めて日頃ご支援いただいている皆様に感謝の気持ちがあふれる1日となりました。皆様のご支援がなければ、122人の子どもたちの未来は閉ざされたままでした。コロナ禍でご飯も十分に食べることができず、学びの機会も奪われていた子どもたちが、皆様のご支援を受け、飢えることなく学び続け、こうしてしっかりと成長をしてくれています。
子どもたちが、ご支援者様にお返しをできる方法はただ一つ。勉強を頑張って、自分の夢を叶え、ご支援者様が子どもたちにしてくれたように、人のために奉仕できる大人に成長することです。
そのためにも、DAREDEMO HEROでは今後も引き続き、子どもたちが感謝の気持ちを忘れずに、しっかりと勉強に励める環境を提供していきます。