日本人にとって、数あるイベントのひとつでしかないクリスマスですが、フィリピン人にとっては唯一無二、1年間で一番大事なイベント、それがクリスマスです!
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国民の90%以上がキリスト教
フィリピンはアジアで唯一、キリスト教を国教とする国です。そのため、国民の80%以上がカトリック、10%以上がその他のキリスト教を信仰しており、実に90%以上がキリスト教徒です。日本人にとって、クリスマスはイベントのひとつですが、キリスト教徒であるフィリピン人にとっては、クリスマスは全く違った意味を持つ、大事な日です。
そのため、日本人には馴染みのない、独特な風習がいくつか存在します。
世界最長のクリスマス?
フィリピンでは、なんと9月からクリスマスシーズンがスタートします。9月に入るとすぐに、ショッピングモールなどではクリスマスの飾り付けが始まり、街中でクリスマスソングが流れだします。フィリピン人はこれを「ber-month」と呼んでおり、September、Octoberなど、berが付く月が始まれば、クリスマスの準備を始めて、本番まで気持ちを高めていくそうです。
ボーナスはクリスマスを祝うためのもの!?
フィリピンには13th month payという制度があり、年収を12で割った金額を、12月は2ヶ月分もらうことができます。フィリピン人は、クリスマス前にたくさんお金を使います。しかし「宵越しの金は持たない」そんな気質のフィリピン人には、クリスマスのための貯金などありません。そのため、法律で12月25日以前にこの13th month payを支払うことが決まっているのです。
しかし、13th month payをもらえるのは、正規に雇用されている人たちだけで、貧困層の多くは13th month payをもらうことができません。日本人の感覚であれば、お金がなければお祝いをすることを諦めますが、フィリピン人は借金をしてでもクリスマスをお祝いします。そして、クリスマスが終わると、借金返済のためにまた厳しい生活に戻ります。
1年間のすべてに感謝する日
いよいよクリスマス本番が近づくと、Simbang Gabiと呼ばれる祈りの儀式が始まります。12月16日から9日間、早朝4時から教会に行き、ミサに参加します。9日間続けることができれば、願いが叶うと信じられています。
12月24日の真夜中には、Misa de Aguinaldoと呼ばれるミサがあり、キリストが生まれてきたことに感謝の気持ちを表します。そしてようやく迎える25日本番、多くのフィリピン人は、家族みんなで集まって、食事をしたりプレゼントを交換したりして過ごします。
たとえささやかでも家を飾り付けて、食事を準備し、一年間無事に過ごせたこと、クリスマスを家族で祝うことができることに感謝をするのが、フィリピンのクリスマスです。
奨学生リックの家でもクリスマス飾りを楽しんでいます
2年ぶりのクリスマス会
DAREDEMO HEROでは、毎年子どもたちと保護者を集めて、クリスマス会を開催してきました。しかし、2019年を最後に、全体でのクリスマス会は開催できていません。
2020年はパンデミック真っただ中で、対面で集まることができず、オンラインでの開催となりました。2021年は、対面開催に向けてダンスの練習などがんばっていましたが、本番2日前に巨大台風がセブを襲い、クリスマス会どころか電気も水道も使えない、サバイバルなクリスマスを迎えることになってしまいました。
そして、遂に今年はDAREDEMO HEROの奨学生51名とラーニングセンターの子どもたち75名、合同のクリスマス会を開催します!
フィリピンでは、今月から約2年半ぶりに対面授業が全面再開されます。実に2年以上の期間、子どもたちは自由に外出をすることもできず、自宅での学習を強いられてきました。さらに昨年末の巨大台風では、家を失い、電気も水道もない不自由な日々を長期にわたって過ごしました。
子どもたちにとって、今年のクリスマスは、これまでの辛い体験や苦労が報われ、やっと以前のように自由に思いっきり学ぶことができるお祝いでもあります。
DAREDEMO HEROのクリスマス会とは
DAREDEMO HEROのクリスマス会では、毎年ダンスコンテスト、クイズ大会などのイベントのほかに、子どもたちの一年間のがんばりを称える表彰式も行います。そして、子どもたちが一番楽しみにしているのが、クリスマスミールとクリスマスプレゼントです!
ゴミ山や墓地に住むラーニングセンターの子どもたちの中には、普段ゴミの中から拾ったものや、墓参客からもらうスナック菓子などしか食べられない子どももいます。そんな子どもたちにとって、自分たちのためにたくさんの食事が準備されるということは、まさに夢のような出来事なのです。さらに、どんなに些細なものでも、ラッピング用紙に包まれたクリスマスプレゼントは、子どもたちの永遠のあこがれです。
クリスマス会でもリーダー教育
DAREDEMO HEROのイベントのほとんどは、高学年の奨学生によって企画・実行されています。ここ数年のイベントでは、スタッフはサポートをするのみで、ほとんどの準備を奨学生自らが行っています。
今回のクリスマス会も、高学年の奨学生が中心となって準備を進めています。奨学生とラーニングセンターの子どもたちは、既にバディー制度で繋がっており、クリスマス会当日も、ラーニングセンターの子どもたちのお世話は奨学生の仕事です。
公式な場に慣れていない、ラーニングセンターの子どもたちにとって、奨学生たちは頼もしいお姉さん・お兄さんです。ビュッフェ形式の食事のとり方、ゲストの方へのあいさつの仕方、会場の掃除など、奨学生たちがDAREDEMO HEROで学んだ多くのマナーを子どもたちに伝えます。
こうして、奨学生たちは一歩一歩未来のリーダーへと成長していきます。
クリスマス特別募金のお願い
12月17日に開催されるクリスマス会では、子どもたち126人と保護者合わせて250名以上が参加します。会場は2015年と同じ、セブ市内のファミリーパークという公園で開催します。現在、セブの各地から子どもたちを会場に運ぶための交通費、会場費、食費、プレゼント代など、皆様のご支援を募集しております。
レチョン(豚の丸焼き)やフライドチキンなど、用途を指定したご寄付も受け付けております。さらに日本からのクリスマスプレゼントも受付中です。
ご協力いただいた皆様のお名前は、当日会場内で掲載させていただきます。また、開催後に子どもたちからのTHANK YOUビデオメッセージを送らせていただきます。
1,000円からクレジットカードでご支援いただけます。お申込みは下記よりお願いいたします。
子どもたちが最高の思い出を作れるよう、皆様のご支援・ご協力よろしくお願いします。