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貧困層から未来のリーダーになるために!夏のリーダーシップキャンプ

貧困層から未来のリーダーになるために!夏のリーダーシップキャンプ
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開催にあたって

未来のリーダーを作るために今まで行ってきた様々な活動に加え、今年度は一般財団法人日本国際協力システム(JICS)の助成を受け、宿泊型のリーダーシップトレーニング研修キャンプを行いました。真のリーダーを作るために、外部ファシリテーターと共に、オリジナルのカリキュラムを構築し、この日を迎えました。

1日目:自分自身を知ろう

今回のリーダーシップキャンは、2泊3日で開催しました。低学年の子どもたちのほとんどは、親の同伴がない外泊が初めてで、出発時は、涙ながらに別れを惜しむ姿が見られました。会場はMobini Sky view,Mountain Resortという山々に囲まれた自然豊かな宿泊施設で、子どもたちは日ごろのストレスから解放され、のびのびとトレーニングに参加することができました。

私たちの団体名でもあるDAREDEMO HEROには「どんな環境に生まれても、人のために、そして社会のために貢献できるヒーローになれる!」といメッセージを込められています。

今回のアクティビティでは、DAREDEMO HEROの示す「HERO」とは、どのような存在なのかをテーマに進められました。奨学生同士は長年、共に成長してきた家族のような存在ではありますが、改めてアイスブレイクを通して心の距離を縮めました。

初日の目標は、自分自身を知り、相手を理解することです。そのために年齢別3チームに分かれて、それぞれの年齢にあったアクティビティを行いました。

①小学生
「感情をコントロールするには」というテーマについて、意見を出し合い、他者とのかかわり方を学びました。いろんな感情について話し合う中で、自分と相手では異なる感情を持つ、異なる人であることを再認識しました。人と関わるなかで生じてしまう負の感情をため込まずに、コントロールするためのヒントを得て、まだ幼い奨学生たちは自分たちもリーダーに一歩近づいたことを実感していました。

②中・高校生
ペアになり、自分や相手のことについて、紹介し合いました。涙ながらに自己開示をし、普段は見せない一面をさらけ出しているペアもありました。このような発表の中で、自分が一人で戦っていると思う時でも、実は相手がそばにいてくれ寄り添ってくれていることを知り、普段は隠れていて気付かない相手の気持ちに気づくことができました。発表を終えて、自分が思っている以上に周りは自分を大切に思ってくれているのだと知った奨学生たちは、相手のことを信じることの大切さや身近な人の大切さに気付くことができました。

③大学生
自己評価シートを使い、自分自身の理解を掘り下げました。自分自身の評価だけではなく、それに対して他の奨学生がどのように思っているか、さらに、それに対して自分がどのように感じたかなど、自己評価と他者評価を繰り返すことにより、自分自身の理解を深めました。奨学生達は活動を終えて、もっと自信を持っていいんだと思えたり、より一層自分の強みを磨いていこうと思えるようになりました。

滞在中は縦割りのグループを作り、食事の準備や片付け、掃除などを担当しました。3日間共に過ごし、責任を共有することで年長者と年少者の個人の信頼関係がより強まったようです。年長者たちは幅広い年齢の奨学生の手本となるよう責任感を持って行動をし、年少者たちはそんな憧れのお兄さん、お姉さんたちの姿を見て自分たちの将来あるべき姿を意識する機会となりました。

2日目:価値感について考えよう

1日目に引き続き、学年ごとに3つのグループに分かれ、2日目は価値感について考えるためのアクティビティを行いました。

①小学生
loveやhonestlyなどの性格や感情が自分にとって、どれだけ価値を持つものかを知るアクティビティを行いました。自分が大切だと思った性格や感情に値段を付け、各々にとっての価値を視覚化します。子どもたちは、そのカードのどこに価値を感じたのか、なぜその額をつけたのかを発表し、自分や相手が大切にしている感情を認識しました。人に優しくすると自分にも返ってくることから「親切心」に全額を注ぎ込んだ子もいれば、自分が信頼しなければ相手からの信頼も得られないという理由で「信頼」を選んだ子もおり、最も大切なことは人によって異なるのだということが共有されました。

続いて、鏡の前に立ち将来の自分の姿をイメージするアクティビティも行われました。恥ずかしがりながらも自身と向き合い、将来自分は何をしたいのか、どのような人物になりたいのか、イメージを膨らませて発信することができました。

②中・高校生
自分自身や、家族や友達など周りの人達と向き合うなかで、何を大切にしているかについて考えるためのワークシートをグループごとに完成させました。その上で自分は各場面で何に重きを置いているのかを自身の経験を交えて話し合いました。奨学生たちは大きな困難から、日常の小さな試練まで、どの場面においても自分が選んだ「大切な考え」がそれを乗り越えるためのカギになっていることに気づきました。

様々な困難や誘惑がある中で、目標に向かって進み続けるためには、それぞれの「決意」が大切であるということが、このアクティビティを通じて明確になりました。

③大学生
大学生も高校生と同じく、場面に応じて何を大切にしているかを話し合いました。大学生たちは大切にしていることをいくつか挙げた上で、その中での優先度に注目して話し合いました。自分自身と向き合うときに一番重要なのは教育を通して得た知識、家族に対しては血のつながりを越えた愛情、コミュニティーにおいては助け合いを大事にしているなど、それぞれの考えを出し合い、相手のことを深く知ると同時に自身の考えも整理しました。

午後からは、長方形の画用紙をつなぎ合わせて、スタートからゴールまでボールをつなぐ、チーム対抗のゲームを行いました。それぞれのチームでアイディアを出し合い、試行錯誤しながらゴールを目指し、最初にゴールへと辿り着いたチームからは達成感溢れる歓声が上がりました。

3日目:仲間を信頼して目標を達成する

3日目も、まずはアイスブレイクから始まりました。ゲームを通してチームの結束力を強めることができました。

次に、チームごとに分かれ、ストローをつなぎ合わせて、どれだけ高く積み上げられるかを競い合いました。一人の力だけでは成し遂げられず、チームで知恵を出し合いながら、強固な塔を作らなければなりません。ルールの範囲内であれば何をするかはグループの自由です。各チームで工夫が見られるなか、優勝したチームは自分たちの靴も使いながら、風を送っても倒れない高く丈夫な塔を作り上げました。年長者が先導しながら、チームみんなが一人一人が役割を持って課題を達成していく姿が見られました。

最後は、3つのゲームをそれぞれクリアしていき、どのチームが一番早く達成できたかを競い合いました。仲間を信頼しなければ達成することのできないゲームばかりで、チーム内で息を合わせ、仲間を信頼して自分の身を任せることのできたチームほど、早くゴールに辿り着くことができます。3日間ともに過ごしたチームメイトとの最後のアクティビティということもあり、どのチームも息がぴったりでした。

3日間の集大成として、最後に「リーダーになるためのビジョン」について、それぞれの考えを一枚のシートに絵で表しました。

エッフェル塔を描き、土台をしっかり持ったうえで、高く成長していく様子を表現した子。
脳と電球を描き、常に何かを考え続けることを表現した子。
本を描き、将来が先生になったときに自分の持つすべての知識を詰め込み、子どもたちに伝えるためのツールとして表現した子。
灯台を描き、自分が成長してどれだけ遠く離れた場所に行っても常に原点を見失わないよう照らしてくれる子様子を表現した子。

など、真のリーダーとなるために、それぞれが大切にしていきたいを想いが表現されました。

リーダーシップトレーニングを終えて

DAREDEMO HEROでは、日々「未来のリーダー」を育成するために、様々な取り組みを行っています。しかし、限られた時間やリソースのなかで、クリアできなかった課題もありました。

今回の2泊3日のリーダーシップトレーニングでは、普段掘り下げることができない、奨学生それぞれの強みや弱み、個性と向き合うことができました。自分自身を知り、相手を知り、そして信頼し合うことで、それぞれが補い合い、高めあい、一人ではクリアできない大きな試練や課題でも乗り越えていくことができます。

これからも奨学生同士が助け合い、共に成長していくためにも、今回のリーダーシップトレーニングでの経験は、奨学生、そしてスタッフにとっても、かけがえのないものとなりました。今回学んだことを活かし、これからも「真のリーダー育成」に取り組んでいきます。

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