今夏は2種類の宿泊型スタディーツアーを1週間ずつ行いました!
目次
DAREDEMO HEROのスタディーツアーとは?
DAREDEMO HEROのスタディーツアーは「何かをしてあげる」ツアーではなく、「学び合う」ツアーを開催しています。実際に自分の目で見て、五感で感じて、現地の声を聞くことで、真実を見る目を持ちフィリピンや貧困について考え、今までの常識を覆す機会を提供しています。当団体ではこの夏、2種類のスタディーツアーを実施しました。それぞれ異なる方法でフィリピンの貧困について考えるツアーとなりました。
様々な角度からセブの貧困と向き合う!WEEK1
WEEK1では、様々な観点からセブ島の抱える問題を知り、セブ島の様々な場所を訪れ人々のリアルな生活や文化に触れました。最終的には自身が関心を持ったフィリピンが抱える問題や課題について考察し、考えたことを発表して考えを共有しました。
ツアーが始まる前に、参加者の皆さんには自分にとっての「ツアーのテーマ」を考えていただきました。テーマの設定により、ツアー中は何に着目したいのか、ただ言われた内容だけを受け取るのではなく自分から新たな発見得るにはどうすればいいのかを明確化させました。参加者の皆さんは「貧困、豊かさ、幸せとは何かを考える」ために現地の視点に立ち注意深く観察を行う、学術的な文献では得られない新たな視点を得るために「フィリピンの現状・問題を五感で感じる」、等それぞれの課題を設定しました。
ツアー中は、支援地域であるタプタプ山岳地域、イナヤワンごみ処理場、カレタ墓地の3つの支援地域を訪問し、奨学生が通う学校、さらには奨学生の家庭訪問など盛りだくさんのツアーとなりました。事前情報の共有の後に地域へと向かい、それぞれの場所で参加者たちは住民や先生へのインタビューを行い、疑問や想いを深堀りしていきました。現地に来て人々の生活を肌で感じてみると事前に準備してきた質問以外にも、疑問はどんどんと膨らんでいきました。
現地へと出向き、インタビューを進めていく中で、参加者の多くが関心を寄せたのが衛生問題です。墓地に散乱するゴミや子どもたちの汚れた手足を見て、支援地域内での課題の1つであると捉えました。そこで急遽、カレタ墓地で自分たちが行えることとして、墓地内のラーニングセンターの横に子ども達と畑を作り、農作業で汚れた手を石鹸できれいに洗ってから1人ずつにおやつを配るという循環型のアクティビティを実施しました。このアクティビティを通して、畑というゴミを捨ててはいけないという共通認識をみんなが持つスペースを作ること、汚れた手を洗ってから食べること、列になり順序を守ることの3点を子ども達に伝えることができました。
支援地域以外にも、山岳地域の小学校とDAREDEMO HEROの奨学生たちが通う2つの小学校、計3つの学校を訪問することができました。日本とフィリピンの学校を比較し、フィリピンの教育制度について詳しく聞くことができただけでなく、山岳地域の学校と街の学校の違いを比較することもできました。
夜には毎日その日の振り返りを行いました。みんなでその日の感想や学び、発見を共有したのち、インターンによるフィードバックを行うことで新たな知識や課題発見のヒントを提供しました。自分の意見を言語化して仲間へと発信し、周囲の意見や感じたことを聞く中で、ひとりでは気づくことができなかったセブの一面や課題を知り、自分の関心にも気づくことができました。
ツアーの最後には1週間の学びの集大成である各自のプレゼンテーションを行いました。スタディーツアーで設定した自分自身のテーマや課題をもとに、全員に地域訪問を経て感じたことや考えたことについて、1週間の経験や学び、出た考えをまとめてもらいました。大学での学びを結びつけて貧困の解決を考えた人や、これから実践していきたい自分のアクションプランを考えた人などテーマや発表の形態も様々です。日本に帰国して頑張りたいことや毎日をどのように過ごしていくかなど、自分の言葉で語ってもらいました。その後、代表よりツアー全体の講評、そして一人一人のプレゼンテーションの振り返りを行い、スタディーツアーでの様々なアクティビティを振り返りました。短い期間ではありましたが、参加者全員がそれぞれに学び、考え、行動をした一週間でした。
何が必要かを考えアクションを起こす!WEEK2
2週目では見つけた課題から実際にグループでアクションプランを作成・実践しました。今回は「イナヤワンごみ処理場」地域と「カレタ墓地」地域でアクションプランを行いました。最初にそれぞれの地域を訪問し、現地の様子や住民の暮らしを見て、インタビューで住民からの生の声を聞き、アクションプランの構成を練っていきました。
現地で見て感じ、聞き得た情報を参考にしながら、参加者自身で必要な支援を導き出し、アクションプランを作成していきました。情報を基に考えたテーマが、「こどもたちの将来の視野を広げ、選択肢を増やす」「楽しく、継続的に勉強ができるゲームを作る」の二つでした。このテーマから、具体的に何をするかを考え、アクションを起こしました。
ツアー中は、支援地域であり、アクションプラン実行場所であるカレタ墓地、イナヤワンごみ処理場を訪問しました。アクションプラン以外には、奨学生が通う学校、さらには奨学生の家庭訪問なども行い、日本とフィリピンの教育の違い、フィリピンの教育制度や現状について理解を深め、フィリピンの教育問題や課題についても考えることができました。
支援地域には、事前情報を基に訪問し、それぞれの場所で参加者たちは住民や先生へのインタビューを行い、疑問や想いを言葉にしていきました。事前に準備してきた質問項目や現地に来て改めて見たこと、感じたことをもとに質問を進めていきました。
アクションプラン当日は、常に最善策を考え、臨機応変に対応し、二つのアクションプランを無事に終えることができました。アクションプランを終えた参加者からは「こどもたちからのいっぱいの笑顔に元気をもらった」「継続的にアクションプランを続けてもらえる方法を次は考えていきたい」という声が上がりました。
一週間の中という短い時間の中で準備期間が短く、現地を実際に見る時間も十分ではなかったにも関わらず、参加者一人一人が支援地域に住む子どもたちに必要な支援を考え、理解を深めた一週間でした。良かった点、反省点の両方を踏まえ、このツアーで得た学びや経験を今後の生活に活かしてもらいたいです。
2週間にわたるスタディーツアーを終えて
2回にわたるスタディーツアーを終えての参加者からの声を紹介します!スタディーツアーを一言で表してもらい、印象に残った言葉などを語ってもらいました。
このツアーを一言で表すと「ターニングポイント」です。人生でのターニングポイントになるくらい影響を与える刺激的なツアーになりました。
自分では想像できない世界に足を踏み入れ、実際に現地の人の声を聞けたことで、実際に肌で触れて感じることができました。
今後は、このツアーでの学びを活かし、どのようにしたら貧困を救えるのか、またなぜそうなってしまうのかを深く考え、行動に移していきたいと思います。現地の人の声や空気感は映像などでは感じられなかったため、今回行けたことがすごくよかったです。
week1参加者
このツアーを一言で表すと「生きる力」です。限られた資源の中で互いに助け合い、毎日を楽しく生きている現地の方々の姿からパワーをもらいました。
「教育は武器になる」と涙ながらに語ってくださったことが特に印象的でした。 この言葉を聞いて、環境問題や社会問題など何事も教育があってこそ成り立つもので、何かを始める前にそれまでの過程に教育を受けることはとても大事なんだなと思いました。改めて自分の環境にものすごく感謝でき、受けたくても受けれないという状況を解決していきたいと思いました。
実際に各地を訪れ、五感で学ぶことにより、画面上では味わえない想像や超えた現状を見たり本音を聞けました。大学ではここだけに留まらず環境問題を中心に学んだ事をより深く追求して生かし、1人でも多くの人が豊かな生活を送ることが出来るよう、今何ができるのかを考え行動していきたいです。
week1参加者
このツアーを一言で表すと「価値観」です。私は不甲斐ない人生を変えたいと思っていました。ツアーに参加して自分の当たり前の価値観は自分の価値観であり、他の場所では別の価値観があることを改めて知ることができました。
一週間という短い時間の中で、現地の人の笑顔や幸せを実際に感じることができました。その反面で、その裏にはまだまだ解決しなければならない現実や課題がたくさんあることも事実です。
どんな支援が必要かを常に考え、自分の経験からのみで考えるのではなく、支援者側の気持ちや本当に必要なことは何なのか、相手の立場も含めて考えて行動できるようにしていきたいです。
week2参加者
このツアーを一言で表すと「笑顔」です。現地の人達は、経済的にも環境的にも恵まれているとは言えない状況でも笑顔で、今を大切に生きていることに感動しました。
日本では見ることのない環境で過ごす子どもたちが、一生懸命生きている姿が印象的で、自分も今置かれた環境で自分ができるベストなことを行っていこうと思いました。
今回のアクションプラン実施や支援地域訪問、インタビューを通して、私だけでは気づかなかった発見や発想があり、みんなで考えたからこそ出てきた考えもあり、また新しい価値観を磨くことができました。
week2参加者
両日程も一週間という短い時間の中で、様々な観点からセブ島の抱える問題を知り、人々のリアルな生活や文化に触れ、アクションの実施や最終プレゼンまでを行っていただきました。
限られた時間の中で、支援地域でのアクションプランの実施、学校訪問、家庭訪問、インタビューそして最終プレゼンを行い、盛りだくさんの毎日でした。参加者の皆さんは現地のことを少しでも多く知ろうとして、積極的に活動に参加をしてくれ、何事もなくツアーを終えることができました。
毎日振り返りを行っていましたが、参加者が口をそろえて言っていた言葉が「教育は武器になると涙ながらに語ってくださった事が特に印象に残った」です。私達が日本で当たり前のように受けることができている教育も、フィリピンでは当たり前ではありません。政府や数多くのNPO、NGOが支援を続けていても、十分な支援が行き届いておらず、解決していくには時間がかかります。このことを実感した参加者は、教育がどのくらい大切であるかを教えてもらい、今ある環境に感謝をより多くの人に伝えていきたいと語ってくれました。
今回のツアーを通して、世界の貧困問題を他人事ではなく自分事として考え、このツアーでの学びを日本でも活かし、行動範囲をフィリピンだけにとどまらず世界に広げていき、これからさらに活躍していただきたいと思います。
今回参加していただいた参加者の皆様、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。