日本研修旅行2025

日本研修旅行2025
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フィリピンの貧困層に生まれた子どもたちが、日本を訪れることは、普通では考えられない奇跡のような出来事です。今回、その奇跡が現実となり、10名の奨学生が大阪・関西万博を中心に5日間の日本研修旅行を実施することができました。

この実現の裏には、本当に多くの方々の温かいご支援とご協力がありました。ビザ取得のサポート、資金面でのご寄付や助成金、現地で迎えてくださった日本の皆様。どれか一つが欠けても、この旅は成り立ちませんでした。心から、そして何度でも「ありがとうございます」とお伝えしたい気持ちでいっぱいです。

子どもたちが見て、学んで、感じたことは、ここでは語り尽くせないほどたくさんあります。
その一つひとつが彼らの未来を形づくる大切な宝物となりました。

以下に、奇跡の5日間の歩みをダイジェストでご報告いたします。

1日目:日本到着、初めての交流

関西空港に降り立った瞬間、子どもたちの表情は緊張と期待でいっぱいでした。
「無事に入国できるだろうか」と不安に思っていた子もいましたが、全員が笑顔で日本に足を踏み入れられたとき、胸の奥から安堵と喜びが広がりました。

その後訪れた常翔学園では、日本の高校生とランチ交流や学校見学をさせていただきました。
整った校舎や最新の教育設備に触れ、「こんな学校で学んでみたい!」と目を輝かせる姿がありました。

午後は大阪城へ。教科書でしか見たことのない歴史的建造物に触れ、「本当に日本に来たんだ!」と実感がこみ上げていました。

夜には、日ごろご支援くださっているご支援者の皆さまと交流会を行いました。
子どもたちにとって、ご支援者様に直接お礼をお伝えすることはこの旅の大きな目的のひとつでした。実際にご支援者様にお会いできた喜びで、子どもたちの表情は自然と笑顔にあふれていました。

一生懸命に準備してきた日本語の自己紹介やダンスも披露し、温かい拍手に包まれたとき、子どもたちは「支えていただいている」という実感を深く心に刻んでいました。

2日目:大阪・関西万博で未来を学ぶ

この日は、事前にオンラインで3回のセッションを重ねてきた日本のユース19名と、いよいよ会場で初めて直接出会う日でした。画面越しでしか交流できなかった仲間とやっと対面できた瞬間、子どもたちの顔には自然と笑顔があふれ、すぐに打ち解けて語り合う姿が見られました。
「同じ未来を考える仲間がいる」――そう実感できた瞬間でした。

その後、両国の学生たちは一緒に各パビリオンを巡りました。
シンガポール館では、それぞれの夢を空に飛ばす体験をしました。一人ひとりが自分の夢を見つめ直し、改めて「叶えたい未来」を強く意識する時間となりました。

パソナ館では、iPS細胞を用いた心臓や遠隔手術装置など、最先端の医療技術を目の当たりにし、未来の夢をより具体的に思い描くことができました。「いつか自分もこの技術を扱う医師になりたい」と語る奨学生の姿は、その可能性の広がりを物語っていました。

また、フィリピン館では、自国の文化を誇らしげに紹介。
「フィリピンには7,000以上の島があるんだよ」「先住民族ごとに独自の織物があるんだ」と日本の学生に説明する姿は、母国を背負う未来のリーダーそのものでした。

さらに、くらげ館では特別に貸し切りツアーにご招待いただき、音を全身で感じる貴重な体験をすることができました。当たり前にある自然の音に、私たちが日々どれほど癒されているのかを実感し、改めて自然の大切さを心に刻む時間となりました。

夜には活動報告会を開催。
これまでオンラインで積み重ねてきた議論をもとに、「世界のため、地球のために自分たちができること」を改めて確認し合い、グループごとに発表しました。
国や環境の違いを超え、同じ課題に向き合う仲間として絆を深める一日となりました。

▶朝日新聞デジタル版に記事を掲載いただきました

3日目:職業体験と大阪の味

この日は、大阪ネクストロータリークラブ様のご協力で、職業体験とたこ焼き体験を実施しました。

午前中に訪れたstudio B&Mでは、映像制作のポストプロダクションを体験。自分たちで撮影を行い、編集をし、さらにはアニメのアフレコにも挑戦しました。普段何気なく見ている映像の裏に、これほど多くの工程があることに驚き、「将来は映像の仕事もしてみたい」と夢を膨らませる奨学生もいました。

子どもたちが撮影、編集した動画

昼食は「たこ焼き体験」。自分たちでくるくる回しながら焼き上げ、「美味しい!」と笑顔いっぱいに頬張りました。異国でのこうした体験は、一生の思い出になることでしょう。

午後は、大阪の街を散策しました。
あべのハルカスでは、圧倒的な高さと建築技術に「フィリピンではいつになったらこんなすごい建物を作れるようになるのだろう」と感心しきり。その後訪れた道頓堀では、支援者の皆さまからいただいたお小遣いで、それぞれ家族や友達へのお土産を購入しました。
大切な人を思い浮かべながらお土産を選ぶ姿は、とても微笑ましく、子どもたちにとって心温まるひとときとなりました。

4日目:USJと最後のサプライズ

最終日は、子どもたちが心待ちにしていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ。
人気アトラクションは長蛇の列で「乗れなくても仕方ない」と思っていましたが、インターンの完璧な作戦により、なんと5つものアトラクションを楽しむことができました。大きな歓声と笑顔に包まれ、最高の締めくくりとなりました。

さらに最後には、かつてセブで出演させていただいた番組「マネーリーダー」の収録にご招待いただき、日本での体験を語る機会までいただきました。思いがけないサプライズは、子どもたちにとって大きな誇りと自信となり、忘れられない宝物になったことでしょう。

旅の最後を飾った夕食は「すたみな太郎」。
ラーメン、お寿司、焼肉など、日本に来たら食べてみたいと憧れていた料理を、思い残すことなく食べつくしました。「日本でこんなにお腹いっぱい食べられるなんて!」と笑い合う子どもたちの姿は、この研修旅行を実現させてくださったすべての方々への感謝の気持ちであふれていました。

5日目:帰国

名残惜しさを胸に、全員が無事にセブへ帰国しました。
到着ロビーでは、迎えに来てくれた家族に笑顔で駆け寄り、スーツケースにいっぱい詰め込んだお土産を嬉しそうに手渡す子どもたち。そして「次は自分の力でまた日本に来たい!そのためにもっと勉強を頑張る!」と力強く語る姿がありました。

語り尽くせない思い出とともに、この奇跡の5日間は、子どもたちに新たな夢と目標を与えてくれました。

番外編:準備期間の舞台裏

この「奇跡の5日間」を迎えるまでには、多くの準備と困難がありました。特にビザの取得は大きな壁でした。貧困層出身の子どもたちにとって、日本に行くための書類準備や面接は簡単なことではなく、スタッフも各省庁を駆け回りました。
ビザの取得は、これまでの日本研修旅行に続き、日本旅行東北様のご協力により、実現することができました。

資金面では、2025年度 日本万国博覧会記念基金事業助成金を頂き、実施することができました。また、助成金の不足分は、クラウドファンディングで多くの方々からご支援を頂きました。

その一つひとつの積み重ねが、今回の「奇跡のような渡航」につながりました。

ご協力ありがとういございました!

Nees.F.F様

報告会に使用した子どもたちの日常をまとめた動画

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