DAREDEMO HEROでは、2月17日発生したイナヤワン地区大規模火災の支援を行っています。被災者の自立に向けた支援の進捗をご報告いたします。
▶火災の概要と、これまでの支援についてはこちらをご覧ください。「イナヤワン地区火災被災者支援 」
目次
被災者の声に耳を傾けて・・・
今回のプロジェクトの主役は、被災者自身です。彼らが火災前の生活に戻るために、どのような支援が必要か、彼ら自身から話を聞くことが一番大切です。
DAREDEMO HEROでは、被災者からの聞き取りや、ミーティングを定期的に行い、今回のプロジェクトの概要を決定しています。
新天地の問題点
今回被災者は火災前に住んでいた場所に戻ることができません。そのため、少し不便ではありますがゴミ山の裏手のセブ市所有の土地に移転します。被災者にとって新天地となるこの場所には、様々な問題があります。
- 水道がなく、井戸がひとつあるだけ
- 電気が通っていない
- 満潮時には冠水する恐れがある
- 公道から車両では入れる道がない
大きな問題だけでも、これらの4つが上げられます。
①水道がなく、井戸がひとつあるだけ
この問題については、バランガイキャプテン(地域のリーダー)と相談し、緊急対策として井戸を追加で2つ掘ってもらうことを約束してもらいました。同時にMCWD(セブ水道局)とのつながりのあるNGO団体にアプローチをすることで、この地にもいつか水道がひかれるように動いていきます。
②電気が通っていない
この問題については、当面は発電機を購入し、必要最低限の電力を提供していく予定です。特に養豚をしていくにあたり、携帯電話を使って餌の販売元などとコンタクトをとる必要があります。
管理棟にチャージングステーション(充電場所)を作ることで、養豚に必要な連絡がいつでも取れるように環境を整えます。
③満潮時には冠水する恐れがある
この問題については、地元の建設会社の協力を得て、建設現場から出る土砂を寄付していただけることになりました。これによって、土地の嵩上げが可能となり、満潮時でも豚が海水につかる心配がなくなりました。
④公道から車両では入れる道がない
この問題は、③の問題と同時に解決することができました。土砂を運ぶためには大型のトラックが必要です。その搬入のために、現場までの道を拡張する許可が出ました。
新天地への道のり
一人一人の人生に関わること
貧困支援、被災地支援など、様々な支援をしていく中で、大切なことがあります。それは
貧困層、被災者として一括りにするのではなく、一人一人の人生と向き合うことです。
ここで皆さんに被災者の一人、Joan(ジョアン)を紹介します。
ジョアンは現在13歳ですが、学校には行かず、弟の面倒を見ています。ジョアンの父親は、彼女が幼い時に母親と彼女を捨てていなくなってしまいました。
母親の仕事は、豚の餌となる残飯を集めてそれを売ることです。母親はレストランやファーストフード、食堂を回って残飯を集めているため、小さな子供の世話ができません。そのためジョアンは小学2年生から学校には行かず、家の手伝いや弟の面倒を見ています。
ジョアンの夢は、もう一度学校に戻って勉強をすることです。
もしも、このプロジェクトが成功し、ジョアンの母親が養豚で収入を得ることができれば、ジョアンは学校に戻ることができます。今回のプロジェクトで、このように一人一人の人生を変えることができるかもしれないのです!
ご支援者様からお預かりしたご寄付を、一番いい形で現地に届け、より多くの人々の人生をより良いものにしていけるよう、DAREDEMO HEROは活動を続けます!