現在フィリピンは統一国政・地方選挙の選挙活動真っただ中です。日本とは大きく違うフィリピンの選挙活動についてまとめました。
目次
中間選挙とは?
現在行われている、統一国政・地方選挙は大統領任期6年の半ばにあることから中間選挙と呼ばれています。中間選挙は5月13日に投票が行われ、上院議員の半数・下院議員全員・州知事(正副)・州議会議員・市町長(正副)・市町議会議員が一斉に改選されます。
選挙キャンペーン期間は日本よりも長く、全国区の上院議員・下院の比例代表団体が2月12日から5月11日までの3ヶ月間、その他の地方区では3月29日からの1.5ヶ月間もあります。
フィリピンの投票率は非常に高く、80%を超えており、人々の関心は非常に高いです。
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ポスターは貼ったもの勝ち!?
日本では選挙期間中、候補者のポスターの掲示には様々な決まりごとがあります。しかし、ここフィリピンにはそのような決まりはないようです。
日本人の私たちからすると、驚きなのが以下のようなポスターです。
- おびただしい数のポスター
- 巨大なポスター
- ほかの候補者の上に重ね張りしたポスター
- まるで女優さん?のようなポスター
- 道路標識に張られたポスター
全てにおいて、個人の主張の強さを感じます。
これだけのポスター掲示には相当なお金がかかります。ポスター掲示での選挙活動は、お金がある候補者が有利になります。
フィリピン流選挙活動!?
日本の選挙活動でも、街頭演説や選挙カーをよく目にします。ここフィリピンでも、それらは行われますが、少し日本とは様子が違います。
街頭演説では、Tシャツがもらえる!!
投票日まじかになると、多くの候補者たちが大きな会場で演説を行います。その際必ずといっていいほど配られるのが、候補者の名前(時には顔写真)が書かれたTシャツです。
日本人の感覚からすると、候補者や政治家の顔写真の入ったTシャツは、普段着としては着ることはないと思います。しかし、フィリピン人は選挙が終わった後でも、普段着としてTシャツを活用するため、このTシャツをもらうために演説会場に足を運ぶ人もいるほどです。
まるでお祭り騒ぎ!?
日本の選挙カーは基本的に、候補者の名前や公約をスピーカーで流しながら街を巡回します。一方フィリピンの選挙カーは一味違います。音楽大好き、ダンス大好きのフィリピンの国民性に合わせて、選挙カーには巨大スピーカーが搭載され、たくさんのドラム隊が音楽に合わせて演奏をします。私たち日本人からすると、騒音でしかありませんが、フィリピン人にとっては心躍るものがあるのかもしれません。
さらに、この音楽には仕掛けがあり、その時々に流行している音楽を編曲して、候補者の名前や公約が織り込まれており、ついつい口ずさんでしまうこともあります。フィリピン人の心を掴むには音楽が欠かせないようです。
暗黙の了解
フィリピンも、日本と同じで選挙活動中に現金を有権者に配ることは禁止されています。しかし、ここフィリピンでは様々な理由をつけて、候補者が有権者にお金を渡すことがあります。有権者も、この時期をうまく利用し、候補者に支援を依頼することがあります。
現金以外でも、お米やカップヌードル、缶詰など、貧困層が喜ぶ食品の配布も頻繁に行われています。ここでも、お金のある候補者が有利になってしまいます。
選挙期間中事件が急増する!?
フィリピンでは、選挙期間中候補者やその周辺で事件や事故が急増する傾向があります。
今回の選挙期間中、世間をにぎわせているのは議員の不倫問題です。フィリピンでは不倫の犯罪であり、現場を押さえられた場合は逮捕されます。日本でもよく目にするスキャンダルですが、フィリピンでは犯罪行為になるため、謝罪会見だけでは許されません。
深刻なものでは、対立候補者を殺害する事件もあり、選挙期間中は候補者も支援者も、身の安全に十分な配慮が必要です。
この期間中は、候補者以外もいつも以上に安全上の配慮が必要になります。日本国大使館も、この期間中の注意事項を配信しています。
フィリピンの政治家に願うこと
日本とフィリピンでは、選挙活動においても、政治活動においても様々な違いがあります。ただし、政治家は国民の代表であり、国民のために働かなければいけないことには変わりありません。
有権者は、目先の利益に左右されることなく、真の政治家を選出する必要があります。そして今回の選挙で選ばれる政治家の方々が、貧困層を切り捨てることなく、よりよい社会を築き上げてくれることを願うばかりです。