2023年10月30日にバランガイ選挙の投票が行われます!
パンデミックと市長選の影響で延長が続き、本来3年に一度開催されるはずのバランガイ(最小自治区)選挙が、今年5年ぶりに開催されます。街中が候補者のポスターや、まるでパレードのような選挙カーが目立ってきています。
ここでは、日本とは大きく異なるフィリピンの選挙についてご紹介します!
新しいキャプテンの影響力
「BARNGAY(バランガイ)」とは最小自治区を意味し、フィリピン全土にはなんと約4万2千ものバランガイが存在します!今回の選挙はその各バランガイのキャプテン及び議員を決めるためのものです。
各地域の最高責任者となるキャプテンには、独自の決定権が多く与えられています。そのため、これまでに行ってきた事業の継続や、人事にまで大きな影響を及ぼすのが、このバランガイ選挙です。選挙前に行われていた道路工事が、キャプテンが変わったとたんに中止されるなどは、フィリピンではよく聞く話のひとつです。
日本の選挙との違い
フィリピンの選挙の主な特徴として以下の4つが挙げられます!
- 投票率の高さ
- お酒は禁止!
- 選挙の日は祝日
- 賑やかな選挙活動
投票率の高さ
フィリピンの投票率は80%!
日本の令和4年選挙の投票率は全体で52%にとどまっており、この数字からもフィリピンの投票率の高さがわかります。
これは日本と違って、投票が「権利」ではなく「義務」であるからです。現に2回不投票を繰り返した場合は投票権が剥奪され、その再取得にはとても手間と時間がかかります。また、未投票であった場合はサービスなどを受けられない場合や支援を受けられない場合もあり、人々の生活への影響が大きいため、多くの人が政治を自分事として捉えています。
フィリピン人の多くは、現在住んでいる場所ではなく、両親の住む実家がある地域で投票を行います。仕事で移り住んだ地域より、両親の住む生まれ育った地域の行政が、生活に大きな影響を与えるようです。
お酒は禁止!
フィリピンでは、過去に選挙期間中の暴動や発砲事件があり、現在も選挙期間中は警戒が張られています。暴動を防ぎ正しい判断のもと投票を行うために、投票日と前日はお酒を飲むことはもちろん、販売・提供も禁止されています!
さらに、前日と当日の選挙・政治運動、金品贈収、露天売買、闘鶏・ボクシング・競馬等の開催等も禁止されています。
選挙の日は祝日
投票のために実家に帰る人々が多いため、選挙日は祝日になります。今年は、日曜日、選挙と移動に伴う祝日、All Saints’ Dayという祝日が重なり、学校や公的機関は1週間休みとなり、多くの人たちが有休をとって長期休暇を取得しています。
DAREDEMO HEROでも現地スタッフは日曜日から、5連休となっています。(日本人スタッフは日本人カレンダーで勤務中です)
賑やかな選挙活動
選挙期間が始まると街中にポスターが張られ、お店や公共スペースだけではなく、交通機関や自宅の壁に支持者のポスターを貼り、「私はこの人を支持しているんだ!」とアピールしている光景が目立ちます。
また、選挙期間中は日本と同じように選挙カーが市内を回ります!日本の選挙カーは候補者の名前や公約がスピーカーで流されるのがメインですが、フィリピンの選挙カーはとても賑やかで大音量で愉快な音楽を流しながら走る様子がよく見られます。
最後に
国が変わると、様々な制度も変わります。投票率や政治に対する関心の高さなど、日本がフィリピンを見習うべき点もあると思いますが、その一方でまだまだ汚職や賄賂、不正があるのがフィリピンの選挙制度です。奨学生には、国内の常識だけでなく、日本を含めた世界の様々な制度や法律に関心を持ち、より住みやすい社会を実現できる「リーダー」に成長して欲しいです。
今回の選挙では、現在急速に進むフィリピンの発展だけに目を向けるのではなく、経済成長から取り残されている貧困層に目を向けてくれる地域のリーダーが選出されることを期待しています。