子どもたちに日本語を教えている第一の理由は就職の際のアドバンテージではありません!その真の目的とは??
目次
DAREDEMO HEROオリジナル授業
オリジナル教材
8歳から16歳までの幅広い子供たちに日本語を教えるDAREDEMO HEROでは、スタッフが作成したオリジナルの教材を使用して授業を進めています。そして、年齢や他の教科の成績に合わせるのではなく、あくまでもその子の日本語のレベルにあった授業を行うために、細かなレベル分けテスト(デイリーテスト)を定期的に行い、その結果に基づいて授業は進んでいきます。。
使える日本語
子どもたちは既に、たくさんの日本語の単語を覚えています。しかし単語を覚えただけでは、日本語で会話をすることはできません。そこで、現在はそれらの単語を使った日常会話、日本流の言い回しの学習に力を入れています。
繰り返される実践
DAREDEMO HEROには、日本からたくさんのご訪問者様にお越しいただきます。子どもたちは、その度に学んだ日本語を実践的に使う機会が生まれます。学習→実践→反省→学習の繰り返しが、子どもたちの上達を速めているのです。
子ども同士での学び合い
DAREDEMO HEROには、毎年新奨学生が入ってきます。もちろん支援を開始したばかりの子どもたちは「こんにちは」も「ありがとう」も分かりません。しかし、ほんの数週間後にはスタッフが教えなくても、新奨学生は挨拶や自己紹介ができるようになります。なぜなら、ほかの子どもたちが自然と新奨学生に日本語を教えているからです。また、高学年の子どもたちが、低学年の子どもたちに日本語を教えることもあります。「教える」ということは、最高の「復習」になるのです。このようにして、高学年の子どもたちは自分たちが習った日本語のフレーズを自分のものとして習得していきます。
ある日の授業
先日、ご支援者様からご寄付いただいた絵本を使って、日本語の授業を行いました。すでに3年間も子どもたちに日本語を教えているので、子どもたちがどんな授業をすれば興味を持って聞いてくれるのかを熟知しています。そのときは、体を動かしたり音をたてたりしながらいくつかのフレーズを覚えました。
「どんなおと?」というタイトルの本を使用しました。
「てをたたいたらどんなおと?」
「りんごをかじったらどんなおと?」
など色々な「音」に関して疑問形で書いてあります。これらのフレーズに合わせてリズムを付け、振り付けをし、最後はどんな音がするのかを表現しました。
子どもたちは「て」や「りんご」など既に知っている単語の復習をしながら「たたく」や「かじる」といった、それぞれの名詞に付随する動詞を習得していきました。ただ言葉を覚えていくだけでなく、実際の音を表現することで、日本語での擬音語も学ぶことが出来ました。擬音語は国によって異なり、日本では手を叩く音は「パチパチ」と表現しますが、フィリピンでは「パクパク」なんです!リンゴをかじる音も日本の表現の仕方と異なり、教えている私たちも文化の違いを学べる機会となりました。授業が終わった後もみんな覚えたリズムを口ずさみ、次の日からその絵本を使いながら自主的に勉強をしていました。
外国語が覚えやすくなる秘訣!
母語と全く異なる言語を覚えることはとても難しいです。我々日本人も英語の勉強を通してそれがよくわかると思います。机の前にじっと座って集中して勉強するのも効果はありますが、体を動かしたり、リズムに合わせてフレーズを覚えていくことで子どもたちは、楽しく効果的に学ぶことができます。自分の英語学習を振り返ってみると小さいころに体を動かしながら覚えた英語の歌などは今でも覚えています。また、受験勉強で単語帳を使ってたくさんの単語を覚えなければならないときなどは語呂合わせや、自分なりにリズムをつけて覚えていました。やはり、何か一つアクションやリズムを加えると格段に覚えやすくなります。
子どもたちに日本語を教える真の目的
そもそもなぜ子どもたちに日本語を教えているのか?
なぜだかみなさん分かりますか?
それは日本語ができることで子どもたちが「輝く」からです!DAREDEMO HEROの子どもたちは「お金」という基準では、常に底辺にいます。日本とは違い、ここフィリピンでは「お金」がなければ、何もできないと思ってしますような教育システムです。
そんな子どもたちに「頑張れば夢は叶う!自信をもって!」と伝えたところで、その言葉に説得力が伴いません。フィリピンの公立学校で日本語を学んでいる子はほとんどいません。つまり、日本語を学べば「クラスで唯一日本語ができる子」=「日本語においてクラスのトップ1」になれるのです。なにかで1位になれることは子どもたちにとって、とても自信になります。そしてその自信が他の勉強の原動力となり、どんどん輝くことが出来るのです。当団体の理念でもある「誰でもヒーローになれる」、この一つの手段として私たちは日本語を教えています。