皆様にご支援いただき回復に向かっていたジェームス君ですが、2月25日深夜に突然不調を訴え、医師の措置もむなしく、そのまま永遠の眠りにつきました。
突然の訃報
つい先日、私たちがジェームス君の家を訪問した際には元気に遊びまわっており、突然の出来事に悲しみを隠し切れません。
▶2月初旬のジェームス君の様子
27日には、左目の摘出施術に向けて、担当医と面談をする予定でした。もう少し早く医者に診てもらうことが出来たら、何か助かる道があったのではないかと悔やんでも悔やみきれません。
「絶対に助からない」と言われながらも、皆様の温かいご支援のもと、周囲が驚くほどの回復を見せてくれたジェームス君。この1年間、辛い治療もあったと思います。抗がん剤の治療が続き、体調が悪い時期もありました。しかしながら、最後に会った時のジェームス君は、出会った当初では考えられないくらい元気に走り回っていました。お父さん、お母さん、家族の愛を一身に受け、楽しい時間を過ごしていました。棺の中で眠るジェームス君は、出会った当時の苦痛で歪んた表情と別人のような、とても穏やかな表情でした。皆様のご支援が、この小さな少年の穏やかで温かい人生最後の時間を作ってくれたと信じています。
これまでに皆様から頂きましたご支援金の合計金額は747,000円にものぼります。本日まで100%ジェームス君のために使わせていただきました治療費その他は、593,141円です。
差額は今後ジェームス君のように、特別な医療が必要な子供のための基金として、当団体で管理させていただきます。
改めまして、これまでのご支援に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
葬儀の様子
3月1日、皆様から頂きましたご支援金でささやかな葬儀を執り行わせていただきました。小さな棺、お花、ロウソク、遺影など全て、皆様のご支援がなければ準備することができませんでした。ジェームス君は家族に見守られ、静かに天国へと旅立ちました。
衝撃の光景
ジェームス君の眠る墓地は、公立の墓地でたくさんの墓石が並んでいました。ジェームス君の墓地の一帯は、小さな子ども専門のスペースで、墓石を見ると誕生日と亡くなった日が同じであったり、ほんの数日の子どもたちの墓地ばかりでした。まだまだ医療の発展していなこの国では、出生時死亡率(1000人出産当たりの人数)が12を超えています。日本の0.9と比べ、いかに出産時の死亡率が高いかをお分かりいただけるかと思います。
※引用「世界保健機関(WHO)世界保健統計2016」
このような公立の墓地には、敷地内で生活する貧困層がいます。墓地で生活する子どもは、写真のように葬儀に配られるジュースの飲み残しをかき集めて、嬉しそうに飲んでいました。
貧困が故に助からない命、教育の機会を与えられない子どもたちがフィリピンにはたくさんいます。フィリピンが、子どもたちに平等に生きるチャンスと教育のチャンスを与えられる国になるよう、活動を続けていきます。