住所があって当たり前。郵便物が届くのが当たり前。そんな日本では考えられないフィリピンの郵便事情をご紹介します。
表札も住所もありません
日本では各世帯に住所があり、手紙や荷物が届けられるのが当たり前です。しかし、ここフィリピンでは番地まではっきりした住所を持っているのは、一部の富裕層のみです。
そのため、日本のように手紙や荷物は家まで届くことはありません。では、どのようにして手紙や荷物を受け取るのでしょうか?
郵便局まで取りに行く!?
日本にも郵便局留めというシステムがありますが、こちらは一般的に手紙や荷物は近くの郵便局までしか届きません。近くの郵便局に荷物が届くと「Mail Pick-up Notice」というメモのようなものが届けられます。
この「Mail Pick-up Notice」の届け方もフィリピン流です。同じ住所に100世帯以上が住んでいることも珍しくありません。「Mail Pick-up Notice」を届ける配達員はその住所に行き、「○○さんの家はどこですか?」とその辺にいる人に聞きます。すると「○○さんの家はあそこだよ」教えてくれます。そうして「Mail Pick-up Notice」が荷主に届けられます。
そしてこの「Mail Pick-up Notice」を持って、指定の郵便局に取りに行ってやっと荷物が手元に届きます。
近くの郵便局・・・
日本であれば近くの郵便局と言えば、たいてい車で数十分の距離にあると思います。しかしここフィリピンでは、そうはいきません。場所によってはそのエリアをカバーする郵便局がないため、旧市街にある中央郵便局まで行かなければなりません。
この中央郵便局にはセブ中の荷物が集まるため、そこから自分の荷物を見つけ出してもらうには、軽く2、3時間かかることもあります。以前はHERO’S HOUSE周辺に郵便局がなかったため、毎回この中央郵便局まで荷物を取りに行っていましたが、幸い数年前にHERO’S HOUSEの目の前に郵便局ができ、今は非常に便利になりました。
郵便私書箱
日本と同じように、フィリピンにも郵便局内に私書箱があります。頻繁に手紙を受け取る機会がある場合は、この私書箱を借りれば、安全にスムーズに郵便物を受け取ることができます。しかしレンタル料金は年間1,500ペソ(約3,500円)と、貧困層にとっては大変高価なものです。
手紙はとても特別なもの
このような郵便事情の中、里親さんから届くお手紙は子どもたちにとって非常に特別なものです。フィリピンの子どもたちの多くは手紙を受け取ったことがありません。まして海外から、自分のために届くお手紙やプレゼントは、まさに子どもたちの憧れです。
手紙やプレゼントを受け取った子どもたちはとても喜び、少し誇らしげな表情を見せます。日本からの手紙やプレゼントは、子どもたちの自信にもつながっているようです。