世界中が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、フィリピンの貧困層がどのような状況にあるのかをまとめました。

貧困層の金銭事情

フィリピンの貧困層のほとんどは、貯蓄を持たない「その日暮らし」です。多くが日雇いや、半自営の仕事をしており、その日の稼ぎでその日の食事を買うという生活です。
そのため、今回のロックダウンにより仕事を失った貧困層は、数日で食材すら買うことができない困窮状態に陥っています。普段から助け合いの精神が根強いフィリピンですが、国民全体が困窮する今、お互いが助け合うことすら難しい状況です。


いつもはたくさんの人でにぎわっている貧困地区ですが、今は閑散としています。

行政からの支援

フィリピンでは、行政が素早く支援を開始しました。

バランガイからの現物支給

バランガイ(最小行政地区)単位では、いち早く現物支給が行われました。HERO’S HOUSEのあるバランガイでは、各家庭に25キロのお米が配布されました。
お米の配布は、バランガイの職員が仕分けをし、各家庭に手渡しで配布しました。

 

お米の現物支給の前にも、ロックダウンを受けて各家庭に外出許可書が1枚ずつ配布されました。これも同じように職員が一家庭ずつ訪問し、配布を行いました。
セブの貧困地区は、非常に入り組んでおり、各家庭に住所も存在しません。そのような状況でも、各家庭に訪問し、必要なものを届けるというバランガイの取り組みには、本当に感謝しています。

しかし、正確な住所や住民票がない事で、これらの外出許可書や現物支給が届かない家庭もあります。また、地区によっては配布されるお米の量が極端に少なかったりと、問題も発生しています。

なかには、私たちが驚くような現物支給を行っているバランガイもあります。
写真のバランガイでは、生きた鶏を各家庭に配布しています。他にも、魚を丸々一匹配布したりと、なかなかワイルドな現物支給があります。
日本人の私たちからすると、生きた鶏を配布されても、どうしていいのか分かりませんが、フィリピン人は鶏をさばく技術を持っている人が多いため、この現物支給はとても喜ばれているようです。

現金支給

ロックダウンが発表されてから1週間後に、行政からの現金支給が発表されました。金額は6,000ペソ(約12,000円)ですが、貧困層の一般的な月収が10,000ペソ未満ですので、貧困層にとっては非常に大きな金額です。

高齢者、障がい者、ひとり親、ホームレス、日雇い労働者など支給される者の範囲が広く、人々はこの支援が手元に届くことを心待ちにしています。
※4月12日現在、まだ配布は行われていません。

しかし、これに関しても普段から納税している中間層には支援がなく、納税をしていない貧困層にだけ支援があることに対して、不満の声も上がっています。

財源はどこから・・・?

フィリピンは、国際的にみて決して豊かな国ではありません。では、これらの財源をどのように確保しているのでしょうか?

実は、フィリピンではすでにドゥテルテ大統領と議員200名が給与1ヶ月全額寄付を表明しています。さらに閣僚らも、年内の月給の75%を、秘書官補や補佐官も給与の10%を寄付すると表明しました。
これらの寄付が、新型コロナ対策のための5,000万ペソに充当されるそうです。

フィリピン人の強さ

このような非常時に、フィリピン人の助け合いの心、生きる力の強さ、マインドの強さを日々感じています。

国が、そしてバランガイが国民のためにいち早く動いています。困窮する生活の中でも、手に入るものをうまく生かして、どうにか生きようとしています。そして何より、このような状況の中でも、不平不満を言うのではなく、いかに楽しく生きるかを考え、国民一人一人が動いています。

これからも、貧困層の生活は悪化していくことが明らかです。人々が飢えないよう、今後の国の政策に期待しつつ、私たちができることを実行していきます。

 
DAREDEMO HEROでの取り組み。最貧困地区への缶詰の支給