DAREDEMO HEROでは、貧困問題の解決に向けて様々な事業を行っています。そして、今回新たな挑戦を始めました!
目次
セブ島なのに海じゃなくて山!?
セブと言えば、「海」を連想されると思いますが、セブ島のほとんどは、深い「山」にしめられています。
そんな山岳地区で、人々は、主に農業や畜産で生計を立てています。
このパンデミックは、彼らにも大きな影響を与えており、日々の食事もままならない生活をしている貧困層がたくさんいます。
野菜が売れればお米が買えるけど、売れなければご飯が食べられない。
それが現実なのです。
貧困層を苦しめる借金
フィリピンの貧困層は、まさに「その日暮らし」です。貯金はおろか、銀行口座さえ持たない人が大半です。
そんな人々にとって、このパンデミックは非常に大きな問題です。
職がなくなる→収入がなくなる→食べることができなくなる
この図式が、ほんの1日で出来上がってしまうのです。
そこで必要になるのが、借金です。
フィリピンでは、Utang(ウータン)と呼ばれており、貧困層の生活には欠かせないものです。
ウータンは、現金だけではなく、近所のサリサリストアと呼ばれる日用品店から、お米などの食べ物を借りることもよくあります。
中には、日本でいう高利貸し(セブではファイブシックス、ブンバイなどと言われています)もたくさんあり、計画性がなかったり、計算の苦手な貧困層は、いつの間にか利子だけで膨大な借金を抱えてしまうことがあります。
そうなると、働いても利子を払うだけで借金を完済することができず、いつまでも最貧困の生活から抜け出すことができなくなってしますのです。
そんな貧困層に必要なものとは?
貧困層は、自ら好んでそのような借金生活を続けているわけではありません。問題なのは、大きく分けて以下の2点です。
1,安定した収入がないこと
2,お金に対する正しい知識がないこと
山岳地区の人々の収入源は、農業が中心です。ロックダウン中は、市場となる街までの流通が途絶え、大量の野菜を腐らせてしまう結果となりました。
現在は、流通も改善され、大量に野菜が余ってしまうことはありませんが、それでも野菜の価格は不安定で、毎月いくら収入が入るのかを見通すことはできません。
流通と価格の安定は、今のDAREDEMO HEROにはまだ参入が難しい大きな課題ですが、いつか根本解決のために、これらの事業をスタートしたいと考えています。
そして、今回DAREDEMO HEROが取り組む問題が、2の「お金に対する正しい知識がないこと」です。
マイクロファイナンスとは?
マイクロファイナンスとは、貧しい人々に小口の融資や貯蓄などのサービスを提供し、彼らが零細事業の運営に役立て、自立し、貧困から脱出することを目指す金融サービスです。
バングラディシュのグラミン銀行が、大きな成果を出し、現在はアフリカやインドなどの貧困国にも広まっています。
私たちのような小さなNGOが、いきなり銀行のような大きな資金をもって、マイクロファイナンスをスタートさせることはできません。
どんなことでも、まずは小さなことから始めて、成長させていくことが大切です。
DAREDEMO マイクロファイナンスの資金源
新プロジェクトの資金源は、日本の皆様からお送り頂いている支援物資です!
日本からお送り頂く支援物資の中には、フィリピンでは憧れのブランドであるUNIQLOやGAPなどのファストファッションブランド、Nikeやadidasなどのスポーツブランドのものが混ざっています。
物資の中から、貧困地区で配布を行う前に選別をして、それらのブランド品を販売用に確保します。
山岳地区には大型料品店がなく、洋服はウカイウカイと呼ばれる古着屋さんで購入します。しかし、質のいいものはあまりなく、そのうえ貧困層にとっては決して安い価格とは言えません。
その為、山岳地区にはボロボロの洋服を着ている子どもたちが、たくさんいます。
DAREDEMO HEROのウカイウカイでは、日本から頂いた質のいい洋服などを、貧困層でも購入可能な価格で販売します。そして、それらの収益がマイクロファイナンスの資金となります。
運営はお母さんパワーで!
これらのウカイウカイ、そしてマイクロファイナンスの運営は、地元の女性グループが行っていきます。
初めは少額ローンを低利子で行い、資金を増やしていき、最終的には自立のためのスモールビジネスやプロジェクトのサポートしていきます。
ステージ1(個人融資)
月額500ペソ~2,000ペソの融資
3%の利子 月末全額返済
毎月の返済ができない場合は脱会
ステージ2(グループ融資)
月額2,000ペソ~5,000ペソの融資
3%/月の利子 3か月で全額返済
5名のグループを作り、メンバーの一人が返済できなかった場合は全員が脱会
ステージ3(メンバー融資)
月額5,000ペソ~10,000ペソの融資
3%/月の利子 4か月で全額返済
事業計画に対してメンバー全員の承認が必要
賛同者5名のグループを作り、メンバーの一人が返済できなかった場合は全員が脱会
その他のサービス
・お金の使い方、貯蓄の必要性を伝えるセミナー
・農業有識者を招いた教室
今は、ステージ1をスタートさせた段階ですが、少しずつ資金を増やし、ステージ3を目指します。
これらの元金があれば、新しい種や肥料を購入することができ、数か月後には収穫、販売が可能になります。
なかには、日用品店や、食堂を始めたいと話しているメンバーもいます。
行政との連携
これらの事業を行うには、地元の行政との連携が不可欠です。
フィリピンでは、バランガイと呼ばれる最小行政区のキャプテンと、カウンセラーと呼ばれる議員を中心に、様々なことが決まっていきます。
DAREDEMO HEROでは、この事業を始めるにあたり、バランガイの議会でプレゼンテーションを行い、承認を頂いています。
バランガイも、私たちの事業に期待してくれています。
貧困からの脱却のために!
DAREDEMO HEROでは、貧困問題の根本解決には「教育」が重要だと考えています。ただものを与えるだけの支援では、貧困問題は解決しません。
新事業はいつも苦悩と失敗が伴いますが、貧困問題の根本解決のため、私たちにできることを実行していきます!