2020年3月から、対面授業の全面禁止が続くフィリピンで、ようやく対面授業再開の兆しが見えてきました!しかし、まだまだ課題は多いようです。
フィリピンの教育事情
現在、フィリピンの学校では長期に渡る対面授業禁止により、多くの問題を抱えています。
▶現状については「こちら」をご覧ください。
特に問題なのは、パソコンやタブレットの不足、そしてWi-Fi環境により、たったの15%未満の子どもたちしかオンライン授業を受けることができていないことです。残りの85%は、プリントだけの学習を続けているか、もしくは勉強をすること自体を諦めてしまっています。
お金があれば、オンライン授業が受けられ、お金がなければ勉強すらできない。
このような状況が続くことは、子どもたちの将来、そしてこの国の未来にとっても決していいことではありません。
生徒も先生も限界?
このような状況の中、生徒も先生もそれぞれの問題を抱えています。
生徒の中には、次々に出される課題や宿題にプレッシャーを感じ、精神的に追い詰められている子どもたちがいます。また、勉強を理解できずに、モチベーションが低下してしまっている子どもたちも多くいます。
慣れない業務に苦しみ、体調を崩したり、中には教員の仕事を辞する先生も出てきています。
そんな中、対面授業の再開が待ち望まれていますが、そこには様々な問題と課題があります。
対面授業の再開に向けて、、、
フィリピン教育省(DepEd)は、10月6日に試験的に対面授業を再開させる59校のリストを発表しました。DepEdによると、それらの指定校は11月15日から限定的に対面授業を再開し、1月31日まで授業を行うということです。
今後120校まで試験校を拡大していく予定です。しかし、今回の59校は基本的に地方の小規模校で、今回セブ州で指定された12校の中にセブ市の学校は含まれていません。
それには理由があります。この試験校に選ばれるには、様々なチェック項目があり、対面授業再開後にも膨大な規定項目があります。
▶試験校への規定内容は「こちら」(全文英語)
一例をあげると
・机と机は最低1メートル離れていなければいけない
・生徒数に見合った手洗い場、トイレの確保
・学校に入る人は全て体温測定、アルコール消毒、接触確認の記入が必要
・学校は全生徒、教員人数と同様のマスク、フェイスシールドを備蓄しなければいけない
・1日5回は石鹸で手洗いが必要
日本であれば難しくない項目も、一クラスに50人、一校5,000人の生徒数を抱える都市部の大規模校には、不可能に近い項目ばかりです。
多くの学校では、手洗い場すらなく、何より手洗いに必要な水の確保もできていません。
期待と不安
対面授業再開の兆しが見えたことは、とてもうれしいことではありますが、それに向けて「あるべき学校の姿」と「現実」の大きすぎるギャップに不安を覚えます。
DAREDEMO KIDSが通う都市部の大規模校で、現時点で対面授業が再開された場合、感染対策が十分に行えるようには思えません。
子どもたちが安心して学校に通えるようになるには、まだまだ改善が必要です。
私たちにできること
子どもたちのために何ができるか?
DAREDEMO HEROでは、常に「自分たちにできること」を探して活動しています。現在、助成金の申請、寄付金を募り、学校への手洗い場の設置を計画しています。
全ての学校を支援することはできなくても、まずはDAREDEMO KIDSの通う学校だけでも、対面授業再開に向けて、万全の対策がとれるようにサポートしていきたいと思っています。
学校に井戸、もしくは雨水貯留タンクを設置し、大規模な手洗い場を設置する事業に関心を持っていただける方がおりましたら、ぜひ一度ご連絡ください。
連絡先:info@daredemohero.com 内山