5年ぶりとなる日本研修旅行を無事開催することができました。学び多き10日間をまとめました。
目次
出発までの準備
私たち日本人は気軽に海外に行けますが、フィリピン人の貧困層にとって、海外旅行には様々な障壁があります。もちろん第一の壁はお金です。平均的な月収が3万円程度の貧困層にとって、数十万円かかる海外旅行は、夢の夢の話です。
では、お金があれば海外に行けるのかというと、そうではありません。まずはパスポートの取得も日本のように簡単ではありません。パスポートの取得には面接が必要で、その予約には数か月かかることもあります。
さらに一番の難関はVISAです。フィリピン人が日本に入国するにはVISAの申請が必要で、口座に一定金額が入っていれば簡単に取得できますが、銀行口座を持たない貧困層がVISAを取得するには、膨大な書類が必要です。さらに、日本側での身元保証人が必要になります。今回の日本研修旅行ではこれまでに引き続き、株式会社日本旅行様が身元保証人となってくださり、無事にVISAを取得することができました。
もうひとつ、スーツケースも冬服も持っていない子どもたちの荷造りも大変でした。こちらはKADVOの皆さんをはじめとする、多くのご支援者様にご協力いただき、日本でも寒い思いをせずに過ごすことができました!
【1日目】日本到着!
2024年3月21日、無事に5名の奨学生と引率スタッフ、全員が無事に入国を果たすことができました。実は、奨学生1名のVISAに大使館側のミスがあり、入管でちょっとしたトラブルがありましたが、なんとかその場で解決することができました。
到着日の成田空港の気温は、なんと2度!3月のセブは常に30度を超える乾季です。そこからの温度差に驚きながらも、日本に無事に入国できたことで、みんなテンションMAXでした!
【2日目】東京観光・交流会
3月22日は天気にも恵まれ、とても充実した1日でした。まずは今回、宿泊先をご提供くださいましたArtling English様の生徒さんとの交流を行いました。教室での交流の後にはスカイツリーに登り、なんと!雪化粧をした富士山を見ることができました。残念ながら桜はまだ咲いていませんでしたが、公園で楽しいピクニックランチをし、楽しい時間を過ごすことができました!
午後からは浅草に移動し、野元幸英様のご紹介で東京SGGクラブ様による英語レクチャー、ガイドによる浅草ツアーに参加しました。日本人の私も知らなかった関東大震災や東京大空襲からの復興など、様々な知識を得ることができ、普通の観光とは一味も二味も違う、学び多き時間となりました。
夕飯は、ご支援者様との交流会を開催しました。長年に渡り、子どもたちをご支援くださっている里親様にもご参加いただき、子どもたちの成長をご覧いただくことができました。
【3日目】チームラボ・講演会
3月23日は、ご支援者様グループSCD team様がチームラボに連れて行ってくださいました。フィリピン人は写真が大好きです!映え写真が撮れるチームラボは、子どもたちからのリクエストで決定しました。チームラボの前には、滞在中に誕生日を迎えたエンジェルとジャネットのサプライズ誕生会もしていただき、子どもたちにとって最高の思い出のひとつとなりました。
午後はUTSS様主催の講演会に参加させていただきました。イベントではアメリカのブロードウェイでも活躍する桂サンシャインさんによる英語落語が披露されました。
会場には250名を超える方々にお越しいただき、子どもたちは伝統舞踊の披露と、英語と日本語でのプレゼンテーションをさせて頂きました。
▶詳細は「こちら」をご覧ください。
【4日目】水族館・講演会
3月24日はImran Siddiqui 様のご支援で、しながわ水族館を訪問しました。セブでは見ることのできない様々なお魚や、イルカのショーに子どもたちは歓喜の声をあげていました。
午後はQQ ENGLISH様と、コペル英会話様による講演会に参加させていただきました。スペシャルゲストに東進ハイスクールトップ講師の安河内哲也先生を迎え、アットホームな雰囲気でイベントを行うことができました。
【5日目】企業訪問・国会訪問
3月25日、午前にはBloomberg社を視察させていただきました。Bloombergは、透明性の高い情報供給で世界をリードする金融テクノロジー企業です。この企業視察はBloombergの社会貢献プログラム「Best of Bloomberg」の一貫として実施されました。
フィリピンの貧困層は銀行口座すら持っておらず、金融や株式、投資信託に関する知識がありません。お金は、あくまでも現金で今必要なものを買うものであり、それ以上の価値や意味を知りませんでした。
企業視察ではボランティアとして参加した社員によるBloomberg社の業務内容の説明だけでなく、企業理念や社会貢献の仕組みを教えていただき、また外国籍やLGBTQなど多様な背景をもつ社員の方によるキャリアカウンセリング及びメンタリングの時間もいただきました。
美しいオフィスで、社会への貢献をしながら活き活きと働く社員の方々から、子どもたちは多くのことを学ぶことができ、自分たちの将来への可能性と創造性を広げることができました。
午後は国会訪問を行いました。日本の政治の中枢ではある国会を見学することは、日本の理解だけでなく自国のフィリピンの理解にもつながります。国会議事堂内の見学では、日本の技術が集約された重厚な建築様式に驚かされました。
国会議事堂の見学の後には、DAREDEMO HEROにご訪問いただいたことのある、須藤元気様へインタビューをさせて頂きました。日本が抱える課題や、日本の政治に関する様々な質問に英語で丁寧にご回答いただきました。
【6日目】大阪観光・交流会
3月26日は大阪に移動し、大阪観光をさせて頂きました。DAREDEMO HERO関西支部の皆さんにご案内頂き、あいにくの天気ではありましたが、大阪の名所を巡り、たこ焼きやお好み焼きを堪能することができました。
夜は、ご支援者様との交流会を開催させていただきました。日本中から、元インターン生や子どもたちを支援してくださっている里親さんにも参加いただき、話の尽きない楽しい時間を過ごさせていただきました。
【7日目】京都観光・交流会
3月27日は京都観光をさせて頂きました。京都在住のアミチエソンフロンティエールの理事の皆様のご案内で、ピークシーズンで大混雑の京都で、ありえない充実したコースを実現してくださいました。子どもたちは、夢にまで見た様々な絶景に心躍らせ、その情景を必死に写真に収めていました。
夜は、アミチエソンフロンティエールの皆様との交流会に参加させていただきました。子どもたちから伝統舞踊を披露させていただき、美味しいしゃぶしゃぶをご馳走になりました。
【8日目】学校訪問
3月28日は東京に戻り、桜丘中学・高等学校様をご訪問させていただきました。桜丘高等学校様ではセブ島留学を毎年開催しており、今回学校をご案内頂いたのも、セブ島で子どもたちと交流していただいた生徒さんたちです。
学校案内、部活紹介、書道体験など盛りだくさんのアクティビティをご準備いただき、最後に久しぶりに再会した同世代のお友達との茶話会ではなかなか話が尽きることがありませんでした。
【9日目】東京ディズニーシー
3月29日は、待ちに待った東京ディズニーシーに行きました!午前中は傘もさせないような悪天候でしたが、午後には青空が広がり、天候のせいか普段よりもすいており、お目当てのアトラクションは全制覇することができました。
【10日目最終日】渋谷・原宿観光そして帰国
3月30日はいよいよ最終日です。飛行機が夜便だったため、子どもたちの憧れの場所のひとつ、渋谷(スクランブル交差点・ハチ公)と原宿でお土産のお買い物をしました。
最後の最後まで日本を満喫し、全員無事にセブに帰国することができました。
番外編
今回は経費の節約のために、宿泊は主にご支援者様のご自宅に泊めていただきました。そのため、日本のスーパーでお買い物をして自炊をしたため、子どもたちにとっては驚きの連続でした。野菜の美しさ、お惣菜の種類の豊富さ、レジのスピーディーさなど、フィリピンでは見たことのない景色ばかりでした。
滞在中、多くの方がにお世話になりました。なかでも元現地インターン生には、とても助けてもらいました。各講演会や交流会での受付や、子どもたちの引率など、内山だけではできなかったことを、カバーしてくれました。
今回はご支援者様から頂いたご寄付の中から、子どもたちが自由に使えるお小遣いを渡していました。最終日のお買い物タイムには、みんなそれぞれ家族や友達、今回一緒に来れなかったDAREDEMO KIDSのために、たくさんのお土産を購入していました。その中身をのぞいてみると、ほとんどがチョコレート、、、
フィリピンの子どもたちにとって、日本のチョコレートは永遠の人気を誇っているようです。
セブに帰国後、他の奨学生に向けた報告会を行いました。報告会では日本で撮影した写真や、驚いたこと、困ったことなど様々な思い出が共有され、みんなが「次は自分が!」という思いを強めたようです。
今回の日本研修旅行は、5名の経験だけでに留まらず、他の多くの奨学生のモチベーションにもつながったようです。
感謝の気持ちを込めて、、、
今回の研修旅行の一番の目的は、いつもDAREDEMO HEROの活動を支えて下さるご支援者様に、直接感謝の気持ちをお伝えすることでした。
しかしながら、訪問する先々でご支援者様が様々な企画やプレゼントなどをご準備くださっており、逆にお世話になってしまう形になってしまいました。改めて、DAREDEMO HEROが多くのご支援者様に愛され、支えられ、活動を継続できていることを認識できる、本当に貴重な経験となりました。
今回日本に行った子どもたちに「日本の一番の思い出は?」と聞くと、みな口々に「日本人の温かさと優しさ」と答えました。どんなに美しい景色よりも、美味しいご飯よりも、子どもたちにとってはご支援者様の優しさが深く印象に残ったようです。
子どもたちは、これからどのようにしてこのご恩を日本の皆様にお返しできるか、真剣に考えています。今はまず、一生懸命勉強をしてそれぞれが自分の夢を実現し、将来は今回の経験を活かし、視野の広いリーダーとなって活躍してくれることを願っています。
改めまして、今回の日本研修旅行にご支援、ご協力いただきました全ての皆様に、子どもたちを代表して心から感謝申し上げます。
We express our heartfelt gratitude to all our sponsors for their generous support, which enabled us to embark on this unforgettable journey to Japan. Thanks to your kindness, we were able to explore Tokyo, Osaka, and Kyoto, creating cherished memories that we will never forget.
Your sponsorship has made a significant impact on our lives, providing us with the opportunity to immerse ourselves in Japan’s rich culture and vibrant sights. We are truly grateful for your unwavering support and the lasting memories you’ve helped us create. We wouldn’t have been able to go to Japan without your help.
Once again, thank you very much.
皆様の温かいご支援により、私たちは日本で一生の思い出となる旅をすることができました。皆様のご厚意により、私たちは東京、大阪、京都を訪問し、忘れられない大切な思い出を作ることができました。日本の豊かな文化や美しい景色は、私たちの人生に大きな影響を与えました。皆様のご支援がなければ、私たちは日本に行くことはできませんでした。このような機会をご提供いただき、心より感謝申し上げます。