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フィリピンの新学期!DAREDEMO HERO奨学生の意気込み

フィリピンの新学期!DAREDEMO HERO奨学生の意気込み
公開日: 更新日:

フィリピンでは7月29日から新学期がスタートしました。奨学生もそれぞれ新たな学年に進級し、新たな生活への期待とともに学校に通い始めました。

フィリピンの学校事情

フィリピンの学生は、エレメンタリー(初等教育)が6年、ハイスクール(中等教育)が4年、シニアハイスクール(高等教育)が2年、カレッジ(大学)が4年という、日本とは異なる制度で進級します。ちなみにフィリピンのこの義務教育システムを「K-12」といいます。

※K-12に関して詳しい情報は以下の記事もご覧ください。

フィリピン新教育システムの光と闇!!

DAREDEMO HEROの奨学生の中では今年度、2名がハイスクールに入学、3名がシニアハイスクールに入学、4名がカレッジに入学しました。

フィリピンでは初等~高等教育が義務教育です。そのため学費自体は無償なのですが、通学に用いる交通手段(バイクやジプニーなど)にかかる費用や学用品にかかる費用、昼食の費用などが追加でかかります。子どもが働かずとも親の収入だけで一家の生計を立てることができる、制服などの学用品を購入することができる、毎日昼食を用意できるだけのお金があるといった条件が揃って初めて努力をすることができるのです。

大学進学はさらにハードルが高いです。UNESCOの統計によると、フィリピンにおける大学進学率は35%ほどとなっています(2020年時点)。ここに不可視の貧困層の子どもたちを含めると実際はさらに低い割合となります。高額な入学金や学費を支払うことができるのが前提条件ですが、教育内容が高度になるにしたがってノートパソコン等のデバイスや高価な教科書といった学用品も必要になります。これらを貧困層が自ら用意することは非常に困難です。

そういった中で、今年度もDAREDEMO HEROで支援しているすべての奨学生が無事に進級することができました。入学金や学費、制服などの学用品を準備することができたのは、ひとえにご支援いただいている皆様のおかげです。改めて感謝申し上げます。

校庭の様子です。
久々の教室は賑やかです!

子どもたちの意気込み

日本では、政府が学習指導要領において義務教育期間中の学年ごとのカリキュラムや到達目標を事細かに定めています。それに対しフィリピンでは、日本のような厳密で安定した取り決めがなく、カリキュラムがすぐにコロコロと変更されます。これは教員にも子どもたちにも新学年に適応していくうえで大きな負担です。そういった中でも、奨学生たちは新しい友達や新たな科目など、新学年に心を躍らせています。

今回は、新たな環境に挑戦する奨学生たちに意気込みを聞いてみました。エレメンタリーの3年生から4年生に進級したカリックスによると、特に理系科目の勉強が一気に難しくなったといいます。今まではビサヤ語(セブで最も使用される言語)で授業が行われていたのに対し、今年から英語やタガログ語(フィリピンの公用語)で授業が行われるため、かなりレベルが高くなったそうです。しかし生活面では新たな友達ができ、毎日楽しく過ごしているようです!

ハイスクールの最高学年(4年生)となったレイシェルによると、今年度は新しい教科が増えたそうです。特に座学ではなくリサーチを行う、より主体的な学習形態の授業が増えたといいます。ハイスクール4年生は次のステップ(シニアハイスクール)への準備期間ということで、リサーチ力や思考力を育てていきたいそうです。また彼女自身は、シャイで人前で話すことが得意ではないため、たくさんの人の前で話せるように自信をつける一年にしたいそうです。

また、今回は新学期を迎えたタランバンのエレメンタリーとハイスクールを訪問しました。昼休みの学校には多くの生徒と保護者が溢れ、明るい空気に包まれていました。多くの子どもたちが、夏休みの間会うことができなかった先生や友人と会って、楽しい学校生活を過ごしたようです。

学校でも仲良しです!
お弁当を食べて難しい授業も頑張ります。

DAREDEMO HERO最高学年として

前年度は3人の奨学生が卒業し、今年度は6人の奨学生が最高学年であるカレッジ4年生(大学4年生)になりました。彼らは既にそれぞれの専門分野を研究したり、夢に向かって職業訓練を受けています。今年は彼らにとって大学最後の年です。今年度が彼らにとって更なる飛躍の年となるよう、DAREDEMO HEROでもより一層充実したサポートを行っていきます。

今回は、DAREDEMO HEROの奨学生の最高学年となったエンジェル、シェーンにインタビューをしてみました。

エンジェル(看護師・医師志望)

大学生としての最後の一年を迎えるにあたり、頑張りたいことはとにかく勉強することです。卒業して数か月後(2025年12月)には看護師の資格試験が控えているので、卒業後も学校で学んだことをできる限り学習したいです。また、常に将来の夢について自分に問い直し続けることです。大学にいるとどうしてもうまくいかないことや疲弊することがあります。特に周りの学生と自分の境遇を比べてしまうことや厳しい競争に疲れてしまうこと、周りの人の言うことに引っ張られて自分を見失いそうになることもよくあります。そんな時に、自分が看護師を志す理由を思い出し続けようと思います。

看護師になれたら、お金を稼いで家族を助けたいです。また、もしもDAREDEMO HEROが支援を続けてくれるのであれば、看護師免許取得後メディカルスクール(医師養成のための学校)にも通いたいと思っています。そしてより多くの人を助けられるように医師になりたいです。

シェーン(英語教師志望)

この一年、個人として頑張りたいことは無事に大学を卒業することです。その後は教員免許を取得するための勉強に努めます。また、私は将来日本で英語教師になることを目指しているので、いずれ遠く離れてしまう友人や家族との時間を大切に過ごしたいです。

また今年度はDAREDEMO HEROでも最高学年となりますが、年下の奨学生に対して英語の知識を教えてDAREDEMO HEROに貢献していきたいと考えています。奨学生にとって英語は基本ですが、かつとても重要なスキルです。彼らがもし文法や語彙で困っていることがあれば、進んで教えていきたいです。

厳しくも楽しい学びの一年が始まり、新しい一歩を踏み出した子どもたちは、今年も多くの知識と能力を身に付けていきます。奨学生にとって、更なる成長を遂げる素敵な一年になることを願うばかりです。DAREDEMO HEROも、より一層の支援を通して彼らの成長を全力でサポートしていきます。

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