セブの絶景に包まれた床屋が誕生！
2025年5月7日、セブ島の山岳地帯(タプタプ)に、一軒の床屋が誕生しました！
その名も DAREDEMO HERO Mountain view barbershop！ 店名の通り、この床屋から見渡せる素晴らしいマウンテンビューは、セブ島の床屋の中でも随一です！
また、6月5日には、オープニングセレモニーも行われ、これからに期待が膨らむ素晴らしい船出となりました。
このブログでは、この床屋がどのようにして完成したのか、その過程や背景をお伝えいたします！
〜オープンまでの道のり〜
DAREDEMO HERO Mountain view barbershop の店主を務めるのは、私たちが行っている「美容師トレーニングプロジェクト(詳細はこちら)」 の受益者である、ジンキリート(Jinquilito)さん。
タプタプの農家であるジンキリートさんは、家族を支えるために、毎日急斜面の厳しい環境で、農作業を朝から晩まで行っていました。しかし、セブ島の農家の現状はとても厳しく、もちろんジンキリートさんも例外ではありません。どんなに頑張って働いても、稼げるお金は月に3,000ペソ(7,500円)程度。これでは家族に十分なご飯を食べさせることすらままならないという状況でした。
そんな状況を変えるべく2024年6月、ジンキリートさんは美容師トレーニングプロジェクトに参加することを決意しました。このプロジェクトは貧困層の人々に対して、実用的な理美容技術を身につけてもらい、それを収入源として活用できるようにすることを目的としています。「手に職をつけ、家族を支えたい！」という強い思いを持つ彼にとって、このプロジェクトは新たな道を切り拓くための大きなチャンスでした。
彼は毎日、ヘアカットに真摯に向き合い続け、日本人美容師ボランティアさんのアドバイスを貰いながら、日々着実に技術を上げていきました。その努力が実を結び、2025年2月に行われた実技試験では見事合格を果たし、彼の「自らの手で収入を得る」という夢に大きく近づくことができたのです！
また試験合格後も、彼は決して満足することなくヘアカットに向き合い、技術を磨き続けました。そうして得た彼の技術は、日本人美容師ボランティアの方々も驚きを隠せないほどにまで上達！
DAREDEMO HEROは、そんな彼の直向きな姿勢と技術を評価し、DAREDEMO HERO Mountain view barbershop を設立しました。
この決断の背景には、「彼が自らの手でお金を稼ぎ、収入を得られるような環境の提供」という意図だけでなく、「彼が最初のロールモデルとして、周りに刺激を与えるような存在になってほしい」という強い思いが込められています。
床屋らしい雰囲気になりました！
「手に職を！」の実現へ向けて
2024年4月から始動したこのプロジェクトも1年が経ち、美容師として羽ばたく受益者を排出することができました。
1年前までは農業が唯一のスキルで、僅かにしか得られない収入に苦しんでいた彼が、こうしてカット技術を身につけ、ハサミ一本で収入を得ている姿は、1年前ではとても想像できなかったことです。
現在、彼は美容師として月に約2,500ペソ(6,300円)を稼ぐことができており、副収入として、家計の大きな支えとなっています。ジンキリートさんは「これからも技術を磨き、よりたくさんの収入を得られるように頑張りたい」と自信に満ちた表情で語ってくれました。
フィリピンの貧困層の人々が、自らの力で貧困から脱却することは極めて困難なことです。
だからこそ、このプロジェクトを通じて、美容師としての技術を身につけさせることが、少しでも彼らの収入を増やすことに繋がります。つまり彼らの技術が、彼ら自身を貧困から救うことができるのです。
さらに、これから羽ばたく受益者の背中を見た次の世代たちが、美容師という職業に憧れを持ち、技術を磨く環境を引き続き提供することができれば、世代を超えた自立支援にも繋がります。
今回の床屋開業は、そんな長期的な自立支援という点において、最初のロールモデルとして大きな意味を持つものとなりました。
我々DAREDEMO HEROはこれからも彼らと共に歩み続け、一人でも多くの受益者が一人前の美容師として羽ばたく日が訪れることを信じ、サポートを続けて参ります。
謝辞
当事業は、真如苑様、ジョンソン・エンド・ジョンソン様の助成とDONNA Cebu Montebello Japanese Hair Eyelash Nail Salon様のご協力の元、多数の日本人美容師ボランティアの方々にご協力いただき実施しております。貧困層の人々が美容師を目指すにあたって必要なハサミなどの道具は全て、ボランティアの方々からの寄付によるものです。
この場を借りて深くお礼を申し上げます。
