日本でもある小学校のあの授業がフィリピンでは毎日1時間行われています!!その驚きの内容とは!?
日本とは一味違う家庭科教育
フィリピンでは、家庭科をHELE(Home Economics and Livelihood Education)と呼んでいます。日本で家庭科は小学5年生と6年生に対し、週2時間のカリキュラムですが、フィリピンでは小学4年生から6年生まで毎日1時間のカリキュラムです。
日本とは一味違う、HELEの詳細をご紹介します!!
調理実習はまるでキャンプ!!
調理実習と聞いて、思い浮かべるのは皆さんこのような様子ではないでしょうか?しかし、ここフィリピンの調理実習は違います!!
そうです。家庭科室は校庭の空き地。燃料は薪を使うため、火おこしから始めなければなりません。この日のメニューは「ボラボラ(フィリピン流肉団子)」と「野菜スープ」です。薪で揚げ物をするのはなかなかハードルが高そうですが、子どもたちはいとも簡単に調理をこなしています。
それもそのはず、子どもたちは家で毎日のように薪を使った調理をお手伝いしているのです。私たちにとっては、特別な光景も、子どもたちにとっては日常なのです。
調理に使われる野菜は、学校の裏にある菜園で子どもたちが育てています。本当に生活に密着した「サバイバル家庭科」が行われています。
ちなみに、男の子は見てるだけ・・・フィリピンらしい光景です。
これは難しい!!フィリピン流おにぎり講座
日本人にとっては基本中の基本、おにぎり。ここフィリピンにも日本のおにぎりに似た食べ物があります。それがPUSO(ハンギングライス)です。バナナの葉で編んだものの中に、お米を入れて蒸した持ち運び便利な保存食です。
しかし、この作り方はおにぎりのように簡単ではありません。素人が作ると、ひとつ仕上げるのに数十分かかってしまうこの作業ですが、プロのプソメーカーの腕にかかれば、数秒で編み上げてしまします。きれいに編まれたバナナの皮ですが、食べるときは半分に切って食べるため、もちろん再利用はできません。ちょっともったいない気がしますが、ビニールを使わないとてもエコな方法です。
5,000人に1台!?想像力が求められる裁縫の時間
日本では、家庭科の授業でエプロンや、巾着袋を作ります。もちろんミシンはひとり1台ずつあるのが当たり前でした。しかし、ここフィリピンのミシンは、これです!!
そうです。学校にミシンがないので、このようにミシンの絵を使って、ミシンの使い方を勉強するのです。更に、フィリピンでは未だに電動ミシンよりも、マニュアルの足踏みミシンがよく使われています。この複雑な使い方を、このような絵で理解するには相当な想像力が必要になります。
そこで、当団体では子どもたちの通う2つの小学校に1台ずつミシンを寄付しました。5,000人に1台ではまだまだ足りませんが、少なくとも子どもたちが本物のミシンを見ること、触ることができるようになりました。
これ以外にも、栄養学・掃除の仕方・バナナの葉っぱの活用法など、子どもたちの生活に必要な授業が毎日行われています。日本人から見ると、ちょっと不思議な光景もありますが、フィリピンの生活にあった「本当に必要な知識と技術」が伝えられています。