5月1日にフィリピン政府が把握しているフィリピン人の失業者数が発表されました。
どれだけの人が職を失ったのでしょうか。
140万人が失業
日本では緊急事態宣言が発令された影響で、失業者が増加していることが深刻な社会問題になっています。
東洋経済の発表では、4月の失業者が41万人増加したと発表されています。(参照元:東洋経済)
日本とほぼ同じ人口のフィリピンでは、どうでしょうか?
フィリピンでは労働雇用省(DOLE)が4月26日に新型コロナウィルス感染症の影響で、4月24日時点で140万人の失業者が新たに発生したと発表しました。(参照元:JETRO(日本貿易振興機構))
フィリピンの首都であるマニラで失業者が約69万人と最も多く、私たちが生活してる地域は約8万6,000人と発表されました。2019年の失業者数は約226万3,000人で、前年より約4万人減少していました。失業者が減っている中で、今回の新型コロナウィルス感染症が発生し、今年度に入り、新たに140万人が失業していることは深刻な状況です。
しかし、この数字は正規雇用者が失業し、政府が確認している人数です。貧困層の人々はほとんどが非正規雇用で働いておりこの失業者に含まれていません。実際に職を失った人は数多くいると考えます。
ロックダウン解除後の経済
4月30日までフィリピン全土でEnhanced Community Quarantine(ECQ)が発令されおり、これが「ロックダウン」と呼ばれているものです。しかし、5月1日からフィリピンの一部地域がGeneral Community Quarantine(GCQ)に移行しました。これはECQの制限を緩和したものになります。
詳しくはこちらをご覧ください。
→いくつかの市でロックダウン解除へ~新型コロナウィルス感染症の先~
また、Modified Community Quarantine(MCQ)という措置もあります。これはECQより隔離措置は緩和されますが、GCQよりは隔離措置が厳しいものです。トライシクルなどの公共交通機関が再開されるようになります。
フィリピン政府としては少しでも新型コロナウィルス感染症の拡大を抑え、ECQやMCQからGCQに移行させたいというのが現状です。
GCQに移行する1つの目的が「経済活動の再開」です。感染危険度が低い地域から少しずつ経済を動かしていこうという政府の意図があります。このGCQにより、どのくらい経済が復帰できるのかは分かりませんが、これをきっかけに新型コロナウィルス感染症が影響で職を失った約140万人から少しでも、復職者が増えることを祈るしかありません。
しかし、このGCQはフィリピン全土でECQが解除されてからスタートする新しい体制です。その為、政府も手探りで日々詳細を発表しています。先の見えない不安の中、政府からは日々新たな政策が発表されています。国民はただ政府の発表を待ち、それに従うしかありません。
政府への不満が募る中、私たちの周囲には、自分たちも職を失っているにもかかわらず、人のためにボランティアに従事するフィリピン人がたくさんいます。彼らの力がなければ、各バランガイで数万世帯に数十キロのお米を届けることとはできません。
不満を述べるだけではなく、自分たちにできることを行動に移し、みんなで支えあって生きていこうとするフィリピン人から、多くのことを学んでいます。