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多様性と未来の希望にあふれたセブ島~佐藤ひろこさんへのインタビュー~

多様性と未来の希望にあふれたセブ島~佐藤ひろこさんへのインタビュー~
公開日: 更新日:

パンデミックが完全に明け、一気に活気を取り戻しつつあるセブ島。このセブ島で17年間生活し、セブ島の日本人マーケティングを確立した第一人者である、佐藤ひろこさんにDAREDEMO HERO理事長内山順子が、コロナ明けのセブの動向や、ひろこさんの今後のビジョンについてインタビューをさせて頂きました。

佐藤 ひろこ(Hiroko Sato)

セブ島情報誌セブポット代表 

2児の母 学生時代30カ国を旅しマルタ共和国留学。24歳でセブ島へ。 リゾートスパの立ち上げマネージャーとして就職2007年セブ島にて起業以来メディア運営や移住やビジネスサポートなどセブと日本をつなぐをテーマに事業を展開。コロナを機に現在、セブ島と石垣島の2拠点で活動し、2人の子ども達と人生を謳歌中。

内山順子(Junko Uchiyama)

NPO法人DAREDEMO HERO理事長

精神保健福祉士、世界一周、公務員を経てDAREDEMO HEROの理事長に就任。セブ島にて貧困層の子どもたちに教育支援を行い、貧困問題の根本解決の第一歩を踏み出すことができるリーダーを育成。猫好き

変化するセブ島での需要~注目される親子留学・親子移住~

こんにちは、本日はよろしくお願いします。
早速ですが、ひろこさんとセブ島のかかわりを教えてください。

私は約20年前にセブ島に移住をしたんですが、当時は観光客も少なく、日本人の留学生なんてほとんどいない時代でした。 そこから、日本語メディアを立ち上げ、日系進出企業や海外移住のサポートも行ってきました。その間に、2人の子宝にも恵まれ、フィリピン人に助けられながら、楽しく子育てをすることができました。

まさに時代を築き上げた感じですね!
パンデミックによって、ひろこさんの生活も、お仕事も大きく変わったと思いますが、今はどのようなニーズが多いんですか?

コロナ前は情報雑誌の発行を行っていたこともあり、広告事業がメインでした。しかし、パンデミックによって広告事業はゼロになり、代わりにコロナ中もセブに残っていた日系企業さんのVISA関係のお仕事や、不動産の管理がメインでした。そして今は、親子移住のご相談が一番多いです。

確かに最近、お母さんと小さなお子さんを連れた日本人をよく見かけますね。なぜ今、セブが親子移住先として注目されているんでしょうか?

親子移住を検討されている方は、ほとんどが子どもの英語教育が目的です。だから、やっと海外に自由に行き来できるようになって、みんな一気に動き始めた感じですね。ほとんどがお父さんは日本に残って、母子で移住することが多いので、日本から近くて英語の質も高く、比較的安く留学・移住できるセブが注目されているんだと思います。

時代と共にニーズも変化していきますね。そのニーズに敏感に対応されているひろこさんが素晴らしいなあと思います!

参照:親子留学を提供する英会話スクールクロスロード

コロナ明けのセブ島の現状と魅力

最近では、セブでもだいぶ活気が戻ってきましたが、ひろこさんは今のセブをどう見ていますか?

つい先日もセブに行きましたが、すごく「戻ってきたな」という感じがします。観光客や留学生だけではなく、地元の人たちがすごく活気がありますね。みんなコロナ期間中にたまっていたエネルギーが爆発しているように見えますね。

確かに、ちょっと高いレストランや、高級ホテルもフィリピン人で一杯ですよね。お金に余裕のあるフィリピン人が増えたんですかね?

中間層がすごく増えたように感じます。フィリピン人は英語のレベルが高いので、パンデミック期間中に海外の企業などの在宅ワークを初めて、国内基準以上の収入を得ることができる若い子が増えたようです。とにかく若い子のパワーがすごいですね!

円安と物価の高騰が激しいので、確かに観光客よりも現地の人たちの方が、勢いがあるように見えますよね。以前のように観光業ももう少し盛り上がるといいですね。

確かに、日本人の観光客の戻りは遅い傾向にあります。観光客よりも、親子移住希望者が先に動きましたね。そしてこの夏に留学生がたくさん戻ってきました。やはり旅行は待てても学習は年齢もありますから待てないという重要度の違いかなと思いますね。
やっぱり観光客にとっては、コロナが明けて直行便がまだ少ないのが大きなネックです。

関空の直行便がないのは、皆さん嘆いていますね。成田便もまだまだ時間が不便だったり、課題がありますね。

でも、AIR ASIAなど新しい航空会社が参入してきたことは、すごくいいことだと思います。これから、どんどん直行便が増えていくはずです。

アフターコロナでコンサートを楽しむ現地の若者たち

セブと石垣 多拠点生活

ひろこさんは今、石垣とセブの2拠点生活をされていますが、なぜ長年住み慣れたセブを離れて、石垣への移住を決めたんですか?

もともと将来は多拠点生活をしたいと思っていたんですが、コロナによってそのスタートが少し早まりました。フィリピンではコロナ禍で対面授業が約3年間禁止されており、子どもたちの教育のことを考えると、もう学校が再開されていた日本に戻るという選択肢を選びました。
でも、結果的に石垣島という新天地にも恵まれ、子どもたちにとっても私にとっても、いいタイミングだったのだと思っています。

日本の中でも、石垣を選ばれたのがひろこさんらしいですよね!

本当はせっかく帰国したので北海道とか長野とか今までと違った環境にしてみたかったのですが、行ってみたらやっぱり、本当に寒いのが苦手で、、、
ご縁あって、大学時代から大好きだった八重山諸島・石垣島に子どもと移住して、フィリピンで生まれ育った子どもにとっても、沖縄・八重山文化や伝統が色濃く残るこの島でまた子育てができていることにとても感謝していて、この土地にもまた恩返しがしたいなと思っています。

17年ぶりに日本で生活をしてみて、何か変わったことはありますか?

今まで、長い間フィリピン=海外から見る日本の視点で日本を見てきて、またフィリピンのこともフィリピンを中から見ていたのですが、今こうして17、8年ぶりに日本に住んでみて、日本のすばらしさを改めて感じると同時に、日本に対する危機感や焦りもひしひしと感じています。
フィリピンに関しても、フィリピンを離れてみて、改めてフィリピンの良さをより感じるようになりました。特に本当にフィリピン人の人柄って、最高だなと思うんです!

石垣島で運営している日本最南端コワーキングスペース「チャレンジ石垣島」にて

在住者から見たフィリピンの魅力

フィリピン愛の強いひろこさんですが、フィリピンのいい所はズバリ!何でしょうか?

やっぱり「人」だと思います!
フィリピン人って、苦境に強いられても、本当に明るくて、前向きで、思いやりがって、真面目で、たくましいんですよね。セブに住んでいる時も、いつもフィリピン人のその明るさや彼らのホスピタリティーに助けられてきました。
そして、もう一点挙げるならば、若さだと思います!フィリピンの平均年齢は24歳です。この圧倒的な若さやエネルギーが、国のパワー、未来の希望に繋がっていると思いますね。

セブ島親子留学・親子移住で多様性を手に入れるために

今、多くの方がセブ島への親子留学や移住を検討されていると聞いたのですが、ひろこさんから、そんな皆さんに「ぜひ、セブではこれだけはやって欲しい!」ということはありますか?

留学や移住って子どもの英語教育のためという目的があると思うのですが、英語の習得よりも、大事なことって、まず、日本のお母さんたちが、子育ての常識とか義務とかから解放される体験をするということ。これは、もちろん育児を放棄して欲しいということではありません。
日本では、必要以上に特に母親に対する期待が大きく、その期待や常識に応えるために苦しんでいる親が多いような気がします。フィリピンでは子育ては、親子だけの問題ではなく、地域や社会の役割です。子どもを誰かに預けて、カフェでお茶をしたり、ネイルサロンやスパに行って自分の時間を持ったっていい。
母親がそうして心に余裕をもって、親としてや自分自身の多様性を認めていくことで、子どもたちも自然に多様性を受け入れ、のびのびと育っていくと思います。

確かに、フィリピンでは働いているお母さんが、お手伝いさんやベビーシッターを付けているのは当たり前ですよね。それぞれが出来ることを役割分担して、支えあって子育てするのが当たり前の社会ですね。
最近では、語学学校でもベビーシッターさんがいる学校さんもありますよね。お母さんだって、英語の勉強に集中したいですもんね。

そうなんです。親も子もお互いもっと自由になるべきだと思います。
私は24時間子どもと一緒に過ごすことだけが、愛ではないと思うんです。日本の子育ては親子感の距離が近すぎるように感じています。それだと子どもも親も息が詰まってしまう。親も自分の時間を楽しんで、心にゆとりをもって子育てができるのが、ここフィリピンだと思っています。私はフィリピンで子育てができたことで本当に多くのことを学びました。ぜひその感覚を多くの人に知ってもらいたいですね。

貧困を希望に!支えあうことが当たり前の世の中を目指して

最後になりますが、ひろこさんのこれからのビジョンを教えてください。

今後も多拠点生活を続けていく予定ですが、やはりセブは私にとっての第2の故郷です。だから、今のフィリピンの経済成長は本当に素晴らしいことだと思っています。その一方で経済成長から取り残されてしまっている貧困層がいることも事実です。
私は、この事実を「暗い・悲しい」ものとして捉えるのではなく、そこに大きな可能性や希望があると思っています。そう思えるようになったのも、DAREDEMO HEROのように彼らにチャンスを与え、実際に「変化」を生んできている人たちがいるからです。

ひろこさんは、DAREDEMO HEROの活動にも何度もご参加頂き、子どもたちの成長を身近で感じていただいているからこそ、そこに希望を見出すことができているんですね。

そうですね。10年前はあんなに小さかった子どもたちが、今、立派に優秀な大学に通っている姿を見れるというのは、支援のし甲斐もあると思います。
日本ではまだまだ寄付文化が定着しておらず、寄付をすることをためらってしまう人も多いですが、フィリピンをはじめ多くの先進国では、寄付はすでに社会的ステイタスにもなっています。さらに、私は寄付は自分の人生を豊かにするものだと思っています。

支えあうことが当たり前で、そこから感謝の気持ちが生まれ、お互いが幸せになれる社会の仕組みができるといいですよね。

寄付やボランティアって与え=与えられる関係ではなくて、私たちが彼らから学ばせてもらうことって本当に多い。DAREDEMO HEROさんはそういったきっかけを私たちにも身近に与えてくれています。
私はこれからも、日本とセブとの関りが続くと思いますが、仕事だけでなくてこういったご縁を大切に社会がより良くなることに少しでも寄与できたらと思います。

コロナ禍での支援活動の様子(左端がひろこさん)

本日は、ありがとうございました!これからも一緒にセブを盛り上げていきましょう!

現在、DAREDEMO HEROでは里親会員募集キャンペーンを実施中です。

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