フィリピンでおいしいフルーツといえばマンゴーやパイナップルです。しかし、よりディープなフルーツもフィリピンにはたくさんあります!
サントル(santol)
一つ目が「サントル」というフルーツです。英語では「wild mangosteen」と呼ばれているため、マンゴスチンの仲間です。サントルには黄色いものと赤いものがありますが、フィリピンで一般的に手に入るものは黄色いものです。黄色い固く分厚い皮に包まれた種の周りの部分を食べます。種の周りの白い部分だけが可食部なので、大きさの割には食べられる部分が少ないです。味はというと口に入れた瞬間、非常に強い酸味が感じられます。しかし、種の周りの部分は甘いため、口に入れているうちに徐々に甘みが感じられるようになるという不思議なフルーツです。フィリピンでは塩をつけて食べるのが一般的です。塩を付けると、少し酸っぱさが軽減されますが、それでもまだまだ酸っぱいです。
サントルの葉は薬としても用いられており、下剤や出産時の強壮剤としての効果が高いです。実だけでなく、葉までも全て使えるサントルはフィリピンで大人気です。旬は7月~10月なので、これから旬を迎えておいしくなっていくフルーツです。
ポメロ(pomelo)
2つ目は「ポメロ」というフルーツです。非常に大きく、赤ちゃんの頭ほどもあるような大きさのものがスーパーマーケットなどでもたくさん売られています。1個100ペソ(約220円)と高価ですが、それ以上に見た目のインパクトの大きいフルーツです。そのため、フィリピンでは贈答品として使われることもあります。ちなみに、このポメロを甘く、おいしく品種改良したものが日本の文旦(ザボン)です。ポメロは皮は食べられないため、皮に包まれた果肉の部分を食べます。割ってみると、中身はほぼグレープフルーツです。味はというと、グレープフルーツほどの苦みや酸味がなく、甘くあっさりと食べられるのが特徴です。
原点に立ち返る
サントルもポメロも日本で販売されているフルーツたちよりも食べづらく、味もとてもおいしいわけではありません。しかし、私はこれらのフルーツを食べるたびにフルーツの原種はこんな感じだったんだろうなぁと考えてしまいます。なにか素朴さを感じられ、なぜかまた食べたくなるフルーツたちです。素朴なものから良さを感じ取ることは日本で普通に生活していると忘れてしまいがちです。フルーツ一つとっても、生きていくうえで大切にすべきことをフィリピンでは様々な場面で思い出すことができるように思います。フィリピンにお越しになった際には、この素朴なフルーツたちを一度お試しください!