フィリピンが海外就労者をたくさん送り出している国であることはご存知でしょうか?

OFWってなに?

フィリピンでは海外就労者はOverseas Filipino Workers(OFW)と呼ばれています。彼らの多くは海外で稼いだお金を母国の家族などに送金しています。その送金額は、2018年のフィリピンのGDPの約10%を占めていて、送金受取額が世界4位となっています。
フィリピンは国策としてこのOFWの送り出しを進めています。そのため、フィリピン海外雇用庁(Philippine Overseas Employment Administration)と海外労働者福祉庁(Overseas Workers Welfare Administration)というOFWに関する省庁があります。POEAは海外就労斡旋業者へのライセンスの付与や就労者の出国支援など、主に就労先への送り出しに関する業務を行っています。一方、OWWAは渡航先での就労者本人とその家族に対する福祉サービスを行っています。
男女比はほぼ1:1ですが、女性の多くが貧困層であるといわれています。

なぜこんなに海外就労者が多いのでしょうか?
それは、フィリピン国内での仕事の少なさ就労先とフィリピンとの賃金格差などが理由として挙げられます。

どの国でどんな職についてるの?

フィリピン国家統計局の調べによると、2017年は清掃係や荷物の運搬などのElementary occupationsに従事する割合が最も多く (37.6%)、次いで 家政婦や介護などのService and sales workers (18%),工場や農業などで重機を扱う Plant and machine operators and assemblers (13.7 %)となっています。
OFWの行先としてはサウジアラビア(25.3%)が最も多く、次いでUAE(15.3%)、クウェート(6.7%)、香港(6.5%)と、全体として中東が多くなっています。
中東への海外就労が多い理由としては、英語で対応できること高賃金が挙げられます。

日本にもOFWは来ている!?

OFWの行先は上記の通り、中東国が多くを占めていますが実は日本にも来ています。
2005年以前は興行ビザをダンサーや歌手という枠で取得し、日本に働きに来るフィリピン人女性が多くいました。ただ、そのほとんどはフィリピンパブなどのお店で働くことを目的としていました。2005年に当ビザの発給基準が厳しくなったことから、その数は激減しました。2006年には日本はフィリピンと経済連携協定(EPA)を結び、フィリピン人の介護分野への参入を認めましたが、働いている人は多くありません。それは、来日から4年以内に介護の国家資格を日本で取得しなければならないことや、日本語習得の難しさが原因となっています。

OFWの課題

フィリピンの経済に大きく貢献しているOFWは、いくつか課題を抱えています。
まずは、就労先での問題です。日本でも技能実習生の過酷な労働環境が問題になっていますが、日本以外の国でもこのような問題が起きています。上記でOFWの多くは中東にいると述べましたが、現地で家政婦として働いていた女性が雇い主に虐待を受ける事件が発生しています。
また、フィリピン国内に残った家族についても、残された子供が面倒を見ていた親戚などから虐待を受けるなどの問題が発生しています。


参照:Anemone123によるPixabayからの画像

まとめ

OFWは現時点ではフィリピン経済に大きな貢献をし、貧困層が貧困を緩和させる一つの手段となっています。しかし、フィリピンでは家族の絆が非常に強いです。親が海外へ長期間働きに出てしまうことは、親はもちろん残された子供にとっても精神的負担が大きくなります。
将来的には国内での雇用を増やし、適切な賃金をもらえるようにすることが望まれます。海外就労そのものが悪いわけではありません。ただ、生活が苦しいためにやむを得ず海外就労するのではなく、様々な選択肢の一つとして自ら望んでできるようになる社会にならなければなりません。