とうとう最終回の500ペソ&1000ペソ編!のつもりでしたが、500ペソが秘めた歴史が盛りだくさんだったため、500ペソだけ紹介させていただきます!

500ペソ

描かれているのはアキノ夫婦です。右がベニグノ・アキノ・ジュニア(ニノイ・アキノ)氏、そして左がコラソン・アキノ氏です。ニノイ・アキノ氏は、独裁体制を貫いていたフェルディナンド・マルコス大統領時代、国民から絶大な人気がありました。そのためマルコス政権にとっての脅威であるとされ、1度政府から死刑を宣告されます。しかし、人気のあるニノイ・アキノ氏を死刑にすることはさらなる反感をかうことになるとされ、アメリカ合衆国へ国外追放されます。

その後、1983年追放先のアメリカ合衆国から帰国する際、マニラ国際空港に降り立った瞬間に、ニノイ・アキノ氏はマルコス政権によって暗殺されました。この暗殺によって、反マルコス運動の勢いが爆発的に加速し始めます。1986年、ニノイ・アキノ氏の遺志を受け継いだコラソン・アキノ氏は、国民の不満を解消するためマルコス大統領によって行われた大統領選挙に出馬します。彼女は、徹底して反マルコス態勢を貫き、大多数の国民の支持を集めます。実際には80万表の差でコラソン・アキノ氏が勝利したにも関わらず、選挙管理委員会がマルコス政権の勝利を発表したため、コラソン・アキノ氏をはじめとして貧富の差を越えた支持者たちは抗議運動を行います。その運動が、マルコス政権崩壊そしてアキノ政権確立へつながるエドゥサ革命へとつながります。

この革命を応援するために放送された、ラジオの録音音声や原稿などはユネスコ記憶遺産に登録されています。エドゥサ革命をうけたマルコス大統領が亡命したことによって、20年以上にわたるマルコス独裁政権が終了します。その後、1986年2月25日コラソン・アキノ大統領が誕生しました。フィリピン初そしてアジア初となる女性大統領の誕生です。ニノイ・アキノ氏は今でもフィリピンの英雄として、絶大な人気があります。2010年にはこの500ペソが発行されると共に、彼が暗殺されたマニラ国際空港はニノイ・アキノ国際空港へと改名されます。さらに同年、彼らの息子であるベニグノ・アキノ3世はフィリピン大統領に就任します。

そんな500ペソ紙幣の裏には、真ん中に絶滅危惧種に指定されているコオオハナインコモドキが描かれています。この鳥はフィリピンではthe Philippine green parrotとして知られています。その背景にはパラワン島に位置し、ユネスコ世界遺産のプエルト・プリンセサ地底河川国立公園です。そこでは、世界最大で最長の川が鍾乳洞内流れています。ここでのボートツアーもフィリピン観光アクティビティとして人気です。

みなさんも1度は聞いたことがある、ニノイ・アキノ氏。この記事を書きながら、彼はやはりこの国の紙幣になるにふさわしい人物であると感じました。500ペソだけでもフィリピンにとって、とても重要な出来事を学ぶことができますね。次はとうとう最終回1000ペソ編です。お楽しみに!