新型コロナウイルス感染症の影響で、DAREDEMO KIDSの生活は大きく変化しています。
ラーニングセンターとしてのHERO’S HOUSE
貧困層の家庭には勉強するために必要な机や電気、インターネット環境の設備が整っていません。そのため子どもたちは、自宅で勉強をすることができません。
当団体の事務所であるHERO’S HOUSEは、これまで子どもたちがしっかりと勉強できる環境を提供してきました。以前は、学校が終わると、たくさんの子どもたちがHERO’S HOUSEに集まり、それぞれの宿題や課題を行っていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症により、学校が休校となり、さらに21歳未満の外出が禁止となってから、子どもたちはHERO’S HOUSEに来て、勉強をすることができなくなってしまいました。
それぞれの子どもたちが抱える問題
現在、HERO’S HOUSEにはそれぞれの事情を抱えた子どもたち7人が生活しています。
私立のシニアハイスクールに通う子どもたちは、オンライン授業が行われていますが、自宅にはネット環境がなく、授業を受けることができません。中には、近所で感染者が出たため、トータルロックダウン(完全隔離)が実施されるということで、事前にHERO’S HOUSEに避難してきた子どももいます。
アイリッシュの兄弟4人は、母子家庭のお母さんが入院してしまい、退院後も14日間の隔離が必要なため、当団体で保護しています。
安全な場所としてのHERO’S HOUSE
以前までのHERO’S HOUSEは「勉強するための場所」でした。今はそれにプラスして「安心して住める場所」になっています。
現在、子どもたちが安全に生活できて、かつ勉強に集中できるようにHERO’S HOUSEのレイアウトを、大幅に変更しています。さらに、それぞれの子どもたちに役割を与え、子どもたち同士で助け合って生活できる環境を作っています。
今後の子どもたちの環境
7月1日、ドゥテルテ大統領は「セブ市のロックダウンを7月15日まで延期する」と発表しました。新規感染者が毎日発表されており、減少する傾向が見られないセブ市ですが、今後も子どもたちが暮らす地区で感染者が発見される、トータルロックダウン(完全隔離)が行われる可能性は大いにあります。
さらに、現在HERO’S HOUSEに住んでいる子どもたち以外の家庭でも、問題が発生しています。経済的に困窮しているため、両親間での喧嘩が絶えなかったり、家族が多すぎることで、私たちの支援だけでは生活が苦しかったりと、問題は様々です。
今後も、避難してくる子どもたちが増える可能性も考え、現在準備を進めています。
DAREDEMO HEROは1つの大きな家族です。どんな困難な問題でも、みんなで助け合って、乗り越えていけると信じています。