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DAREDEMO HERO奨学生に対する支援 2024

DAREDEMO HERO奨学生に対する支援 2024
公開日: 更新日:

DAREDEMO HEROでは現在58名の奨学生に対して、小学3年生から大学卒業までの徹底した教育支援を行っています。こちらで支援の詳細をご紹介します。

「かわいそうな子どもたち」ではなく「がんばる子ども」を応援する

DAREDEMO HEROでは貧困層の子どもたちから、やる気と志、さらに能力の高い子どもたちを選び抜き、徹底した教育支援を行うことで、この国の貧困問題を根本的に解決できる未来のリーダーを育成しています。

DAREDEMO HEROの奨学生は、かわいそうな恵まれない子どもたちではなく、自分の夢の実現のために努力を続ける子どもたちです。日本人の目から見て、かわいそうと思われる貧困層の子どもたちは、フィリピンに無数にいます。私たちの資金は限られています。その限られた資金の中で最大限の効果を発揮するために、私たちはたくさんの子どもたちを支援するのではなく、将来的にたくさんの子どもたちの未来を変えることができるリーダーを作り上げています。

本当に貧困層なの?

嬉しいことに、DAREDEMO HEROの奨学生を見て、多くの方が「この子たちは本当に貧困層なの?」と疑問を持たれます。彼らは決して貧困層には見えません。なぜならDAREDEMO HEROの支援によって彼らが変化したからです。勉強するために最高の環境、清潔な洋服、バランスの取れた食事、知識と教養を与えることで、彼らは自信を持って、自ら輝ける存在に成長してくれています。

しかし、彼らを取り巻く現実は非常に厳しく、DAREDEMO HEROの支援がなければ、学び続けることも、夢を追い続けることもできません。彼らの日常を写真と動画で紹介します。

数千人の中から選ばれた子どもたち

DAREDEMO HEROの奨学生の選考は非常に厳しく、数千人の中からほんの5名程度しか選ばれません。たくさんの選考過程の中で、もっとも私たちが大事にしているのは、子どもたちの「志」です。医者や先生など職業名で言われる「夢」は「志」を叶えるための手段でしかなく、そこに重きはおいていません。どのような手段であれ、人の幸せのため、より良い社会のために貢献したいという想いを持っていることが大切です。

もう一つは、保護者が教育の重要性を理解しているかです。いくら子どもたちが勉強したいと言っても、保護者がそれを妨げるようであれば、DAREDEMO HEROの支援は効果を発揮しません。

多面的かつ徹底した教育支援

勉強だけ出来ても、真のリーダーにはなれません。DAREDEMO HEROでは、多面的かつ徹底した教育支援を行うことで、未来のリーダーを育成しています。

奨学金と大学卒業までの学費の支援

DAREDEMO HEROの教育支援の一番の特徴は、大学卒業までの学費の支援です。たとえ、高校までの学資支援をしたとしても、奨学生は大学に進学することができず、それぞれの夢を叶えることもできません。夢を叶え、真のリーダーとなって活躍できるように、DAREDEMO HEROでは大学まで学費だけでなく、制服代、教材費、パソコン、昼食費用、交通費等の支援を行い、奨学生が勉強に集中できる環境を整えています。

栄養バランスの取れた昼食

DAREDEMO HEROでは毎日、管理栄養士の指導に基づいた、栄養バランスの取れた昼食を提供しています。貧困層の食事は栄養面の偏りが激しく、それが原因で貧血や糖尿病、高血圧など様々な病気を引き起こしています。子どもたちも集中力が低下したり、虫歯になりやすかったりと、勉強の妨げになる症状が出やすいです。

健康な身体がなければ、勉強を頑張ることもできなければ、がんばってそれぞれの夢を叶えたとしても、おもいっきり社会で活躍することもできません。だからこそ、小さいころからバランスの取れた食事を食べることがとても大切です。

さらに、この昼食は保護者がローテーションで作っており、バランスの取れた食事の調理方法をここで学ぶことで、家庭でも同じようにバランスの取れた食事を作ることができます。

一般的な貧困層のお弁当
DAREDEMO HEROの昼食

毎日の放課後学習サポート

DAREDEMO HEROでは子どもたちの学習に最適な環境を準備しています。多くの奨学生が、家には学習するためのスペースがなく、中には十分な灯すらない家もあります。もちろんWi-Fiなどもないため、インターネットを使ったリサーチや資料作りもできません。

Talamban地区とLuz地区にあるHERO’S HOUSEでは、放課後にパソコン、Wi-Fi、プリンターさらに教員資格を持ったスタッフが在中しており、いつでも学校で分からなかったことなどが聞ける体制を整えています。

週末特別授業

DAREDEMO HEROでは毎週末に、日本語・英語・数学・道徳の特別授業を開催しています。それぞれの教科で資格を持った教員が指導に当たっています。月に一度は、年長の奨学生によるアクティビティも開催され、奨学生同士の絆を深める場にもなっています。

社会貢献活動

DAREDEMO HEROの奨学生は貧困層ですが、セブには彼らよりもさらに厳しい環境の中で生活している子どもたちがたくさんいます。自分たちがなぜリーダーとなり、この国の問題を解決していかなければいけないのかを再認識すると共に、人のために何かをすることの喜びを体感するためにも、奨学生の社会貢献活動を推進しています。

大規模火災支援
ラーニングセンターの子どもたちへの授業

キャリアカウンセリングとリーダーシップトレーニング

真のリーダーとなるためには、小さなころから将来を見据え、着実に学力及びその他のスキルを身につけていく必要があります。そのためにDAREDEMO HEROでは小学生の段階から、一人一人に対してキャリアカウンセリングを行っています。さらに、独自のカリキュラムによりリーダーシップトレーニングを行い、リーダーとして必要なスキルを磨いています。

様々な体験学習

真のリーダーになるためには、広い視野が必要です。貧困層は貧困がゆえに制限があり、特に「経験」が不足してしまいます。貧困層ができない経験をさせることで、奨学生の視野を広め、客観的に物事を見極める力を付けさせています。その一環として日本研修旅行も開催しています。

緊急支援と医療サポート

基本的にその日暮らし(その日の収入でその日必要な食事を買う)の生活しかできない貧困層にとって、家族の不幸や病気、その他不測の事態に対応できる蓄えはありません。DAREDEMO HEROでは奨学生の健康や家庭の安定のための緊急支援と医療サポートも行っています。

また、定期的な歯科検診・治療を行うことで、虫歯の防止にも力を入れています。

保護者への教育

DAREDEMO HEROの教育支援において、保護者への教育は欠かすことができません。たとえ、子どもたちだけが高い志を持っていても、保護者が「早く給料の高い仕事について、家族を養いなさい」と子どもたちにプレッシャーを与えていては、この支援は成立しません。

さらに日々の小さな道徳心や習慣、例えば嘘をつかない、感謝の気持ちを忘れない、人のせいにしない、時間に遅れない、整理整頓など、子どもたちにだけ教えても、家庭で保護者が真逆のことをしていては、子どもたちに定着させることはできません。だからこそ、毎月の保護者会やセミナーは非常に大切です。

子どもたちの成長

教育支援を始めて11年が経ち、奨学生たちは大きく成長してくれました。支援開始時には自信がなく、自分の意見をしっかり主張することができなかった子どもたちも、今は自信に満ち溢れ、英語でしっかりと自分の意見を述べられるようになりました。

また、自主的に生徒会を発足させ、奨学生同士の学び合いを深めています。

さらに現在、2名の奨学生がパイロットになるための訓練を受けています。既に自家用操縦士の資格は取得し、商業パイロットとなるために訓練を続けています。彼らの活躍は、奨学生だけでなく多くの貧困層の子どもたちに希望を与えています。

現在奨学生の大学進学率は100%を保っており、それぞれ夢の実現のために、トップレベルの大学に進学しています。中でも、フィリピン最高峰の国立大学であるフィリピン大学に3名、セブの名門医大に2名が進学しており、それぞれ優秀な成績を収めています。

今後の展望

間もなくDAREDEMO HERO初の卒業生が輩出されます。彼らは実社会に出ていくことで、必ず貧富の差という大きな壁にぶち当たります。それでもDAREDEMO HEROで培った強い志を持ち続けられるように、現地企業や現地社会奉仕団体と連携を図り、卒業後も奨学生の志を一緒に育んでくれるパートナーを増やしています。

卒業生が各分野で活躍することで、他の奨学生やラーニングセンターの子どもたち、さらに地域のたくさんの子どもたちの身近なロールモデルとなり、希望の光となってくれることを願います。さらに、貧困層が貧困であり続けなければならない根本的な理由を解決し、この国の貧困問題を解決できるリーダーに成長できるように、卒業も彼らの成長を見守り続けていきます。

▶これまでの歴史、これからの展望について詳細は下記リンクをご覧ください。

DAREDEMO HE ROの活動をご支援ください!

月1000円でラーニングセンターに通う子ども一人の1か月分の軽食を提供や、30人の子どもたちに炊出しができます。