DAREDEMO HERO 長期インターンを終えて Misaki

DAREDEMO HERO 長期インターンを終えて Misaki
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3月から約半年間、インターン生としてDAREDEMO HEROで活動させていただきました。

セブに来たからこそ学べたこと

私がこのインターンに参加したきっかけは貧困問題・教育への関心と、大学で専攻にもしているフィリピンへ行きたい、そこで活動したい!という気持ちでした。

大学生活の中でフィリピンの歴史や文化、社会問題について学んでいたことから、渡航前からセブの人たちや貧困について多少理解しているつもりでいました。しかし実際に半年間団体の活動に携わり、奨学生や現地スタッフ、支援地域の人々など様々な人たちと関わり交流していく中で、日本にいただけでは知り得なかったことやイメージの変化がたくさんありました。

渡航前の私のフィリピンへのイメージは、「明るい」「ポジティブ」「家族愛が強い」でした。結果はその通りで、実際にセブに来て生活する中で、現地スタッフや地域の人たちの底抜けの明るさを感じて、それに励まされ勇気と自信をもらってきました。自分が憧れていたフィリピンの姿が現実にあり、その中で過ごせることを嬉しく感じたと同時に、その日その日の暮らしを送っている最貧困層の人たちもいつも明るく話して生活している様子に衝撃を受けました。墓地やゴミ山といった過酷な環境で暮らす人々と関わる中で、苦しそうな印象を微塵も感じさせないどころか、とても幸せそうに見えたのが印象的でした。この時、「可哀想な人たちを支援しているのではない」という代表の順子さんの言葉を初めてちゃんと理解できたような気がしました。セブでのこの半年は「貧困層・最貧困層に必要な支援」が何かを学び考えただけではなく、「豊かな暮らしとは何か」を現地の人々から学んだ時間となりました。

支援の力

インターン活動を通じ実際にDAREDEMO HEROの活動に参加する中で、必要な場面で確実に行われる支援や、支援の必要な場所に向け新たなプロジェクトに着手していく様子を見て、行われている活動の無駄の無さに驚きました。以前の私の中での貧困地域への支援のイメージは、ほとんどが一時的にだけ行われるものでお金が尽きると元通り、といったものでした。しかしDAREDEMO HEROの活動で行われる支援は限られた資金の中でいかに人々の生活や環境に変化をもたらすか考えられているものばかりで、現状の課題を解決するためにはどのような知識を定着させる必要があるのか、現段階で実現可能なことは何かに基づき常に支援が行われていました。地域の人たちや団体を支援してくださる方々からの信頼を地道に築いてきたからこそ、より多くの支援やプロジェクトに着手して変化を起こせているのだと実感しました。

私がこの団体でインターンすることを決めた理由の一つに「やる気と志、能力を持った貧困層の子ども達を未来のリーダーに育て上げ、彼らが社会の問題や貧困を解決していく」という団体の理念に共感したことがあります。半年間を奨学生達と一緒に過ごした今、彼らは間違いなく未来のリーダーになる人材であると断言できます。彼らのリーダーシップと夢に向かって日々努力を重ねていく姿には何度も驚かされました。自分よりも年下の17や18歳の子ども達が忙しい学業の合間に年下の奨学生達を取りまとめ、イベントの運営などを行っている様子を見て、本当に自分より年下なのかと驚きました。幼い奨学生らも含めてみんなが発表で自分を表現したり、堂々と夢を語ることができ、彼らの力強さと眩しさを日々感じていました。

私が立派だと感じた子ども達は教育によって変化した子達なのだと日々過ごす中でだんだんと実感していきました。子ども達がDAREDEMO HEROについて語ってくれる中で、みんなが口を揃えて「経済的な支援で勉強できる環境を得たほか、ここでは人として成長することができた」と言っていました。人として成長する上で大切な、リーダーシップや守るべき規範を日常的に奨学生達に教えているのは、過去にそれを団体から教わってきた大学やシニアハイに通う年上の奨学生達です。社会やコミュニティーの問題を解決していく未来のリーダー達の活躍はもう始まっており、そんなお姉さんお兄さんの姿を見ながら年下の奨学生達も逞しく成長しています。

夏のスタディーツアー

インターン期間中はSNSの運用や支援地域への同行、奨学生への日本語授業など様々な業務に携わらせていただきました。その中で8月に実施した宿泊型スタディーツアーは企画から運営までほとんどのことをインターン主体に行わせていただき、3月からインターンを始めた私にとって半年間の集大成のような一大イベントでした。未熟な部分もあり助言をいただきながらも、インターンを通して重ねてきた経験や得た知識、5ヶ月間で自分の中で噛み砕いて理解しようとしたことが活かされていくのを実感できたとてつもなく楽しい2週間でした。

ツアー中は、一緒にツアーを企画・運営してきたインターン仲間と毎晩行っていた振り返りと反省が最も印象に残っています。この数ヶ月間で自分が学んだことを次は自分がどのようにして参加者たちに伝えればいいのか、参加者にとっても現地のフィリピンの子ども達にとっても気付きと学びに溢れた充実したツアーにするためにはどうしたらいいのかを日々話し合いました。思っていた以上にツアー運営は難しく、その分ツアー後の参加者から貰った「最高だった」「自分もインターンをしてみたい」という声は嬉しかったです。セブの貧困について真剣に考え抜いてくれた参加者たちだけでなく、ずっと同じ方向を向き、情熱を持って共に進んできたインターン仲間がいたからこそ成し遂げられたことです。自身の可能性を広げられただけでなく、協力して何かを作り上げる楽しさを体感した貴重な経験でした。

周囲の人たちから得た学び

代表の順子さんや活動を共にしたインターンの仲間たち、現地のフィリピン人たちから学んだことはたくさんあります。その中でも特に今後に活かしたいと思った学びが2つありました。

まずは「想像力を広げること」です。支援地域に通ったり、話を聞いたりする中で、異なる環境で生まれ育った人の常識は当たり前のことですが自分が持つ常識と異なるのだと改めて実感しました。私たちにとってご飯を食べることは「栄養をしっかりと摂るため」ということが前提にあるのに対して、最貧困地域の人たちにとってはとりあえずは「お腹を満たすためのもの」です。子ども達に栄養の偏ったお米が大半を占める食事を与えたり、幼児にも大人と同じようなものを与えていたとしても、それが彼らにとっての「普通」なのです。異なる常識を持つ人々に対していきなり自分の常識が正しいから取り入れろと言ってもそれは押し付けでしかありません。これは日本で育った人が相手でも言えることです。自分たちにとっての「普通」は本当に普通なのか、なぜ自分と相手の普通は異なるのかを常に意識することで、相手へのリスペクトや新しい課題の発見に繋がるのだと意識するようになりました。

次に「物事としっかり向き合い、考え続けること」です。私は人に言われたことをそのまま受け入れてしまうところがあり、何かを疑うことが苦手です。自分が正しいと思っていることは何なのか、しっかり考えなければいけないと思えるようになったのは仲間のインターンをはじめとした周りの人達のおかげです。仲間とは団体の活動や未来について、そして自身のことについて語り合う機会が多くありました。課題を見つけるためには現状を疑うことから始める必要があり、その上で自分の考えを整理して言語化する必要があることを芯が通ったみんなの話を聞いて痛感しました。現状に満足せずに進んでいくために、考え続ける手間を省かないことがこれからの私の課題です。

今後について

今後もDAREDEMO HEROは更に活動を拡大していき、たくさんの人々の生活や人生に変化をもたらしていくでしょう。そして支援を通して変化した人々は、次は自らの言葉や手で周りの人たちやコミュニティーを変えていきます。DAREDEMO HEROという大好きな団体を通して、どんどん変化していくコミュニティーや成長していく子ども達を今後も見守っていくことがとても楽しみです。

日常の業務、団体や子どもたちの目標への情熱、人々の温かさ、貰った言葉たち、セブで経験した全てを糧に私も頑張っていきます。悔いの残らないように様々なことに挑戦していける人生にしたいです。

幸せな半年間をありがとうございました!

インターンに関心を持ってくださった方へ

私は大学を休学してこのインターンシップに参加しました。日本を離れ、異国の地で長期間の活動することは勇気のいる事だと思います。しかし勇気を持って一歩踏み出してみると自分の想像を超える学びと素敵な出会いを得ることができました。あの時インターネットでこの団体のインターンを知り、絶対に参加したい!という直感を信じて飛び込んだ自分に今ではとても感謝しています。

このインターンで得られるものはNPOや貧困問題に関する知識だけではありません。今後の人生の中で必ず役に立つ考えや言葉を日常を通して周りから教わることができました。

興味がある方は是非参加してみてください! ↓詳細はこちらから↓

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